“ベトナムから昨年春、日本に来た。日本人がよく口にする「すみません」が気になっている。私の前で女の子がハンカチを落とした。拾って手渡したら、その子は「すみません」「ごめんなさい」と言った。「なぜ謝るの?」と私は戸惑った。ベトナムで親切なことをしてもらったら、まず「ありがとう」というから。
確かに「すみません」というのは丁寧な言い方かもしれず、日本の文化なのだろう。でも、言われた方は私みたいに「何か悪いことをしたのかな」と感じてしまうことだってある。ならば相手の立場を考え、「ありがとう」と言った方がより感謝の気持ちが伝わるのではないか。”(2月6日付け中日新聞)
名古屋市の留学生・グエン・タオ・グエン(21)の投稿文です。「すみません」と「ありがとう」の使い分けの意見である。投稿者指摘のように、日本人は「すみません」を使うことが多い。そして、それが投稿者には奇異に写ると言われるのである。「すみません」は、相手に余分な手間や気遣いをさせて申し訳ない、と言うことであろう。理にはかなっている。でも消極的である。その点「ありがとう」は積極的に感謝の意を表している。そう思うとやはり「ありがとう」がいいと思う。ボクもつい、すみません、と言う言葉が出てくることが多い。こういう意見を以前にも読み、気をつけたいと、思っていた。
そして、妻のことをふと思った。妻に「すみません」と、言った事は思い出せない。妻にはいつも「ありがとう」である。なぜなのだろう。