寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3441話) 労働力

2023年01月21日 | 人生

 “ヤングケアラーの報道に触れるたび、戦後すぐの小・中学生のときを思い出します。国全体が貧しかったその昔、子どちは貴重な労働力でした。現岐阜県安八町の実家では、いつも厳しい祖母は私が机に向かっていようものなら「勉強する時間があったら家の手伝いをしなさい」と。私はやむなく弟や妹の子守、牛の乳搾り、ニワトリの餌となるイナゴ捕りをしました。春の田植えや秋の収穫時、学校は家の田畑の手伝いのため一週間ほど休みになりました。苗取りが私は得意で、わが家の分を終えると隣の友人宅の分をやりました。夕方、何かの合間にラジオドラマを聞くことが楽しみでした。祖母が寝てからの深夜がまさに自由時間で、そのときに宿題をしました。”(12月30日付け中日新聞)

 愛知県春日井市の主婦・河原さん(80)の投稿文です。ボクはこれほどではなかったと思うが、でも似たり寄ったりです。ボクも小学校から帰ったらすぐに父母のいる畑へ行きました。ボクを見に来たサラリーマンの子の同級生はビックリしていました。田植え休み、稲刈り休みはありました。当然働き手です。テレビはないからラジオです。ボクも夕方、紅孔雀や笛吹童子などのラジオドラマを聞くのが楽しみでした。河原さんと違うのは、弟や妹の子守、牛の乳搾りですね。妹はいたが子守りの記憶はありません、したかも知れませんが。牛はいなかった。
 ヤングケアラーの報道が最近よくありますが、ボクらの時代はある程度普通だったかも知れません。妻に言わせると、私の方がもっとひどかった、と言っています。それに耐えたからブルーバード賞も貰えたのでしょう。でもヤングケアラーが良いという訳ではありません。やはり子どもには子どもらしい過ごし方ができる社会であって欲しいものです。


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