寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
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(第2699話) 「いい老い加減」

2018年11月11日 | 意見

 “七十歳の息子は年配の人向けの本を自分で選んで読んでいるようで、最近「書店で良い本を見つけた」と私にも薦めてくれた。医師石川恭三さんの「いい老い加減」という本だ。石川さんは循環器、心臓病の分野で名医として長年活躍していて、専門書だけでなくエッセーなど一般向けの著書も多数あるそうだ。これまで私は有名な女性作家のエッセーをたくさん読んできたが、今回息子に紹介された石川さんの著書はそれらにも勝るとも劣らず面白くて読み応えがあった。
 石川さんによると、「沈黙は猛毒、おしゃべりは百薬の長」。年齢を重ねて足腰も弱ってきた私にとって心強い言葉がいくつもあって、うなずきながらページを繰った。”(10月24日付け中日新聞)

 愛知県半田市の山川さん(女・94)の投稿文です。「沈黙は猛毒、おしゃべりは百薬の長」とはよく言ったものである。もちろん「沈黙は金、雄弁は銀」をもじったものであろう。これは高齢者の話であることを忘れないで欲しい。ともかく高齢者は体も口も頭も動かせねばいけない。動かさないとドンドン衰える。健康体操クラブに口腔衛生士に来て貰っていて、口の運動が大切なことを知った。口も舌も大きく動かすのである。もう何度も書いたが、女性のおしゃべりは凄い。百薬の長、長生きする訳だ。それに比べたら、よくおしゃべりする男性でも比較にならない。これでは寿命に大きな差がある訳だ。沈黙は猛毒には恐れ入る。これはユーモアと取れるが、ユーモアではない。最近ツアー旅行に一人参加も多い。先日、相席の男性2人を見ていた。1日中全く一言も話さなかった。男はこれだ。哀れささえ感じる。女は以前からの知り合いかと思うほどにすぐ親しく話している。これでは男は女に勝てぬ訳だ。幸いボクは誰と話すのもそれ程苦にしない。女性の集まりに一人だけでも入っていく。今はそれを謳歌している。
 読んでいないので本について何も書けないが、老い加減とはまた面白い言葉である。老いているのである。無理に若者ぶることもない。老いは老いらしい人生を楽しめばいいのだ、と思う。


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