日経ビジネス、同名記事よりです。
著者は、企業理念コンサルタントの武田 斉紀さんという方です。
変化の荒波に翻弄されずに目的に向かって歩み続ける「ブレない組織」を作ったり、
個人として「ブレない生き方」をするにはどうしたらいいのか、という観点で、このコラムを書いていらっしゃいます。
是非、本文をお読みください。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110721/221589/?P=1
武田さんは、なぜここまで、なでしこジャパンがブレイクしたのかということについて3点挙げています。
1.小柄なのに身長差10cmもある相手と戦って勝った
2.8試合、24試合して1度も勝てなかった相手にここ一番で勝って優勝した(奇跡を2度も起こした)
3.恵まれない環境下で、ずっと努力を重ねてきた(澤選手は18年も)
として、もしそうでなかったらここまで感動しただろうかということを例を使って説明しています。
そして、“なでしこジャパンが私たちに伝えてくれたことは、感動とともに「思い続けて努力を重ねていけば、どんな環境にあってもいつか夢はかなうよ。諦めないで」ということ”でした。
武田さんは、 “でもそれで終わってしまっては、私たちはこれまでと何ら変われない。”として、
“ここでは、なでしこたちの戦いの中から、私たちの仕事やビジネスに生かせるヒントを見つけてみたい。”と話を進めます。
そして、「なでしこジャパンの組織としての強さ」として、5つのポイントを挙げています。
その5つのポイントについては、ここでは書きませんが、そのポイントを挙げる例として引用されている、選手のコメントを列挙したいと思います。
そのコメントの中から、選手たちの考え方や思いが伝わってくるように思うのです。
唯一イングランド戦で負けたことについて、“「結果論ですが、負けてよかったと思います。負けて得られたものがあったし、その反省点をドイツ戦やスウェーデン戦につなげられました」”(澤キャプテン)
“「ピッチの中でも、諦めんなという声が飛び交っていた」”(阪口夢穂選手:MF6)。
“澤選手は既に1999年に米国に渡って経験を積んでいたが、テレビのインタビューで次のように答えていた。「確かに体も大きいし、フィジカルとスピードはすごいんですけれど、足元の技術や器用さでは勝っているなと思った。だから勝ち目はあるはず」と。”
“澤選手は「北京オリンピックの時は、ベスト4に残れたことに満足してしまい、メダルを何としてでも取りに行くという気持ちで負けていた」と振り返った。”
“「自分たちはチャレンジャーであって、自分たちができることをすべてやればいいだけだ」というシンプルなメッセージを佐々木監督からは感じた。自分たちのサッカーを徹底的にやる。それを追求していけば、結果は後から付いてくると。”
“キャプテン澤選手は、試合前、選手に言っていたそうだ。「苦しくなったら私の背中を見て」。この話を聞いた時に、私はじんと来た。”
“自分(澤選手)のミスで失点したスウェーデン戦ではハーフタイムに、「ごめん、私が点取り返すから」と素直に謝り、本当に実行して見せた。決勝戦の後半で先行された時も、延長に入ってまた先行され、後半残りわずかになっても「大丈夫、諦めんな」と声をかけた。”
丸山桂里奈選手(FW18)“「自分はスタメンではないですが、いつ呼ばれてもスタメンと同じ100%できる準備をしていました」”
宮間あや選手(MF8)”「テレビに大きく出たりというわけではなくて、ピッチで表現し続けることが一番の仕事だと思うので、フィーバーで終わらないように。自分たちの地道な努力がそういう(女子サッカーの)環境を良くしていくと思うので、頑張っていきたいと思います」”
“元なでしこジャパン主将で、サッカー協会理事でもある日テレ・ベレーザの野田朱美監督は、「彼女たちは女子サッカー界全体のためにプレーしている。自分のためだけ、と思っている選手はひとりもいない。それがなでしこの本当の強さです」と言う(ゲンダイネット、2011年7月19日)。 ”
“宮間選手は2日後の20日には「(W杯は)終わったことです」と答え、既にリーグ戦での戦いに臨んでいた。”
“澤選手は自著『直伝 澤穂希』(講談社)の中で次のように記している。「やりきれるところまで行きたい。負けても、壁に跳ね返されて続けても、もっと上手くなることで日本の女子サッカーに大きく貢献できることがあるのですから」と。”