"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“失敗から何を学ぶか”

2011-09-30 00:05:04 | 日記

致知一日一言よりです。



「致知一日一言」読者の皆さま

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

ビジネスリーダーたちに自らの20代を振り返っていただき、仕事の心構えや働き方を語っていただく大好評連載「20代をどう生きるか」。

20代の方はもちろんのこと、20代社員の教育にもお役立ていただいておりますので、皆さまにご紹介します。

『致知』10月号では、日本郵政公社初代総裁として、郵政民営化の基盤を築いた商船三井最高顧問・生田正治氏が登場されています。

 * * *

私が新入社員によく言って聞かせるのは「できるだけ失敗をしろ」ということである。

ただし失敗をするにも二つの条件が要る。

一つ目は、同じ失敗をするなということ。

二つ目は、失敗をした時には直ちに報告すると同時に極力自分で解決する努力をしろということである。

失敗したことをいつまでも後悔している必要はないが、反省をしてこれを繰り返さないようにしなければならない。

また、失敗したことを自分で修復しようと努力すべきだが、一人ではどうしても手に負えない時がある。

だが新人が取り返しのつかない失敗をやらかしたと思ったことでも、上司に相談すると、いとも簡単に解決するということが往々にしてあるのだ。

私自身も、お客様からお預かりした貨物をアメリカのヒューストンへ送らなければならないところを、ニューヨーク向けに手配してしまったことがあった。

どうしていいかわからず暗澹(あんたん)たる気持ちになっていたが、上司に事の次第を伝えたところ、「何をしている」と一言怒られたのみで、すぐに手を打ってくださった。

結果的にはその後ニューヨークの責任者へ指示が飛び、飛行機で即座に移送する手筈(てはず)が整えられた。

ヒューストンで貨物を待っていらしたお客様も「よくすぐに運んでくれた」と逆に大変喜んでくださったという。

私にとっては手痛い教訓だったが、若い頃に何の失敗もしないようでは、学習効果が少ないという言い方もできるだろう。

……続きは本誌100ページで!

※『致知』創刊33周年 特別感謝キャンペーン!【期間限定・特典つき】
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(転載以上)



“できるだけ失敗をしろ”


失敗したくない、と思って入ってくる新入社員にとって、それは驚きの言葉であると共に、

よし、思い切って仕事しよう!と思えるようなうれしい言葉、大きな励みにもなりますね。

“ただし失敗をするにも二つの条件が要る。
一つ目は、同じ失敗をするなということ。
二つ目は、失敗をした時には直ちに報告すると同時に極力自分で解決する努力をしろということである。”

二つの条件、どちらも失敗を自分の将来の糧にしていく、ということでしょう。

“若い頃に何の失敗もしないようでは、学習効果が少ないという言い方もできるだろう。”

素晴らしい言葉です。この人について行こうと思わせる力があります。


“レースクィーンから世界で活躍するレーサーへ”

2011-09-29 00:01:23 | 日記

「致知一日一言」よりです。




「致知一日一言」読者の皆さま

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

なでしこジャパン世界一や女子バレーボール32年ぶりのメダル獲得など、

最近の女性アスリートの目覚しい活躍は、多くの日本人に勇気と感動を与えています。

レーシング界に旋風を巻き起こしている井原慶子氏もまた、その一人です。

何のハンデもなく並み居る男たちを相手に激戦を繰り広げている生きざまは、私たちが生きる上で大きな心の糧となるでしょう。

 * * *

(記者:レースを志したきのは20歳になってからと伺いましたが、そのきっかけは?)

【井原】大学生の時、たまたまレースクィーンのお仕事にご縁があったのですが、

ハイレグ水着とハイヒール姿で初めて立ったサーキットのことはいまも忘れられません。

会場にこだまするエンジン音やレースでのスピード感、そして生死を懸けたレーサーたちが放つ緊迫感。

鳥肌が全身を駆け抜けると、私の心はもうすっかりレーシングカーの虜になっていました。

いざデビューとなると、周囲からはレース
クイーンだからと軽く見られたり、

どこかの社長をたぶらかしてフェラーリを手に入れたんだろうとか憶測が飛び交って…。

本当に傷つくような言葉を投げ掛けられて落ち込むこともありましたけど、志が揺らぐことはありませんでした。

逆に、女性であるとかアジア人であるとかいろいろなハンデがあっても、それを言い訳にせず、生きている以上は自分が持ち合わせるすべての力を出し切ろうと覚悟が定まった。

その後は、憧れだった
マカオGPで3位に食い込み、女性として大会史上初の表彰台に立つなど、目標とするイギリスF3に向けて経験を積んでいきました。

ただ、どんなに体を鍛えても男性には敵いませんから、それを補うために自分の力を最大限に発揮できる「ゾーン」に入って、最高の緊張状態でレースに臨めるよう努力を重ねていきました。

(記者:一流のレーサーの条件とはなんでしょうか)

【井原】どんな環境をも自分のものにすることだと思いますね。

いかなる環境においてもベストを尽くすことはプロとして当たり前で、

どんな人と仕事をしても、またマシーンがしっくりこなかったり、サーキットとの相性が悪くても、

すべての環境を自分のものにすることができる、それが一流ですね。

……続きは本誌66ページで!

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(転載以上)



レースクィーンとして活躍された井原さん。

きっと色々な道があったと思うのです。

しかし、よりによってすぐそばにありながらも全く別の世界、に入って行かれたのですね。

そこは、男が支配している世界、そしてタイムがすべての世界。

ご本人も言っていらっしゃるように様々な苦労があった(今でもある)と思うのです。

女性であること、そしてアジア人であること。

その中で自分のやりたいことを続けて来られ、実績も積み上げていらっしゃるということ、素晴らしいですね。

“すべての環境を自分のものにすること”、本当に、実際そうなのですよね。

すべての環境は自分が創ったもの、なのですから。

 


“汗のなかからホンマもんの知恵が出るんやで”

2011-09-28 00:39:43 | 日記

致知出版社よりお送り頂いている「人間力メルマガ」よりです。

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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/9/27】 致知出版社編集部 発行
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   このメールマガジンでは、
   人間学を学ぶ月刊誌『致知』より
   そのエッセンスの一部をご紹介しています。

       * *

      本日は『致知』1997年5月号より、
      松下電器産業(現パナソニック)創業者・
      松下幸之助氏の晩年の22年間、
      身近にあったPHP研究所の江口克彦氏のお話を
      ご紹介いたします。

    
http://www.chichi.co.jp/monthly/201110_index.html
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       「汗のなかからホンマもんの知恵が出るんやで」
       
       
            江口克彦(PHP研究所副社長)
        
            『致知』1997年5月号
             特集「リーダーシップの本質」より
            

                      ※肩書きは掲載当時です。


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松下幸之助の言葉に


「風が吹くときは絶好や。凧がよう上がる」


というのがあります。
あるいは「短所は長所、長所は短所」とも言っています。

たしかに、考え方、見方によって物事は180度転換します。
だから、経営者が業績の悪さを景気のせいにしてはいけないのです。


松下が


「好況よし、不況なおよし」


と言っているのもそのことです。
松下電器がそうでした。

松下幸之助が元気だった頃は、
不況のときにむしろ取り引きが拡大しているのです。

なぜかと言いますと、
不況になると誠実で確実な企業と
取り引きをしたいと思うのが人情です。

好況のときにいくらいい成績をあげていても、
お客様のことを考えず、会社のこと、
自分たちのことばかりを考えていた企業は、
不況時には相手にされなくなります。


私が30歳になるかならないかの頃、ある経営者から、



「知恵ある者は知恵を出せ。

 知恵なき者は汗を出せ。

 それができない者は去れ。

 それがオレのモットーだ」



と聞かされたことがあります。
そのことを松下に話すと、


「その会社は潰れるな」


と言いました。そして、こう続けたのです。



「わしなら、まず汗を出せと言う。

 汗のなかから知恵を出せ、

 それができない者は去れと言う。

 汗のなかからホンマもんの知恵が出るんやで。

 生きた知恵は汗のなかから出るもんや」



予言通りその会社は倒産しました。

そのように、汗を出すこと、
ほんとうの汗を流すことに徹すれば、
不況どこ吹く風となるのかもしれません。



●まもなく発行される『致知』11月号では、
 創業期から松下電器産業を夫とともに育ててきた
 妻・松下むめの夫人の横顔を、
  松下家最後の執事である高橋誠之助氏にご紹介いただきました。
  どうぞ楽しみにお待ちください。
  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(転載以上)

“「風が吹くときは絶好や。凧がよう上がる」”

“「短所は長所、長所は短所」”

“「好況よし、不況なおよし」”


松下幸之助さんの言葉、深〜い奥行きがあります。


“「知恵ある者は知恵を出せ。

 知恵なき者は汗を出せ。

 それができない者は去れ。

 それがオレのモットーだ」”


ある経営者から聞いた話を聞いたときの松下さんの言葉、

“「その会社は潰れるな」”


思わずドキッとします。


“「わしなら、まず汗を出せと言う。

 汗のなかから知恵を出せ、

 それができない者は去れと言う。

 汗のなかからホンマもんの知恵が出るんやで。

 生きた知恵は汗のなかから出るもんや」”


もとの言葉、それは“知恵のある者”と“汗を出す者”を分けているのですね。

そして、なにか前者の方が後者よりもまさっているようにも聞こえます。

“知恵のある者”は汗をかく必要はないと言っているようにも聞こえます。


松下さんは、まず、だれでも汗をかくことが大切だとおっしゃっているのですね。

“汗のなかからホンマもんの知恵が出るんやで”と。

そこに“知恵のある者”と“汗を出す者”を分ける発想は皆無です。

真摯に向き合って汗をかいたものにこそ、本当の知恵が備わっていくのだと。


京セラの創業者であり、JALの立て直しを行っている稲盛さんが、昔、松下さんの講演を聞きに行ったそうです。

その時に、ある聴講者が、「経営者にとって大切なことは?」と質問をした時、

松下さんは、

「宇宙観を持つこと」と答え、質問者も含めて、きょとんとしていたそうですが、

稲盛さんは、その時、わが意を得たりと思った、というエピソードがあります。



松下さんは、宇宙の創造の仕組みを会社の経営にも生かせると考えたのでしょう。

逆にそうでないものは、永続的に発展することは出来ない、と。


自分の全ての思いは、宇宙全体に広がっていく、と言います。

宇宙創造の仕組みを知り、自分の思考や言葉を大切にすることは、よりよい人生を送ることにも繋がっていくのかも知れませんね。


“脳内の内部留保を厚くせよ”

2011-09-27 03:35:20 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/9/26】 致知出版社編集部 発行
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   このメールマガジンでは、
   人間学を学ぶ月刊誌『致知』より
   そのエッセンスの一部をご紹介しています。

       * *

   現在発行中の『致知』10月号には、
   日本郵政公社初代総裁として、
   民営化の基盤を築いた
   商船三井最高顧問・生田正治氏がご登場。
   
      敗戦後の日本国復興の志に燃えていたという
      二十代の頃を振り返っていただきました。


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         「脳内の内部留保を厚くせよ」
       
       
            生田正治(商船三井最高顧問)
        
            『致知』2011年10月号
             連載「二十代をどう生きるか」より
            ⇒ 
http://www.chichi.co.jp/monthly/201110_index.html


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 私自身のことを振り返ってみて、
 二十代でまず大切だと思うのは、
 自分の頭で考える力を養う、ということが一つ。
 
 次に、様々なことに幅広く興味や関心を持つこと。
 
 私の周りを見てみても、社会的に成功を収めているのは
 好奇心のかたまりのような人がほとんどである。
 そういう気持ちを常に持っていることが、
 人をよく知ることにも繋がっていくのだろう。
 
 
 また人を知ると同時に、自国の歴史を知っておくことは
 外国人と交流をする上での必須条件である。
 
 私が社会人になってから愛読したのが、
 司馬遼太郎の一連の歴史小説だった。
 
 中でも『坂の上の雲』に描かれている
 氏の歴史観や国家観には深い感銘を受けた。
 
 氏はこの作品の中で革命によって
 短期間に近代国家をつくり、
 列強を打ち破る様を描きつつ、
 その主導者がどういった末路を辿ったかを表し、
 次代への警鐘を鳴らしている。
 
 
 また同じく氏の『世に棲む日日』には、
 “革命は三代で成立する“との記述がある。
 
 初代は吉田松陰のように思想家として現れ、
 二代は高杉晋作のような乱世の雄(戦略家)、
 そして最後に現れるのが伊藤博文や山県有朋といった
 実務家だというのである。
 
 氏のこの洞察は、ビジネスの世界にもそのまま当てはまる。
 
 但(ただ)し、現代は昔とスピードが違うので、
 経営者は一人でこのうち二役以上を兼ね、
 思想(ビジョン)を明示し、戦略を打ち立てる。
 
 それと並行する形で有能な実務家を配下につけ、
 改革を行っていくという具合である。
 
 総じて言えば仕事や読書、遊びを通じて若い頃から
 「脳内の内部留保」をできるだけ広く深め、
 また出会った方々との関係も大切にし、
 どんな物事にも対応できるよう力を蓄えておくことが
 二十代を生きる上で肝要ではないかと思う。
 
 日本国を根本的に変えていくのは
 いまの政治家や経済界の幹部層ではなく若い人の力である。
 俄かに物事は成せずとも「継続は力なり」と信じ
 何事にも粘り強く取り組んでいってほしいと願っている。
 
────────────────────────────────────(転載以上)

“自分の頭で考える力を養う、ということが一つ。
 次に、様々なことに幅広く興味や関心を持つこと。”

“私の周りを見てみても、社会的に成功を収めているのは
 好奇心のかたまりのような人がほとんどである。
 そういう気持ちを常に持っていることが、
 人をよく知ることにも繋がっていくのだろう。”


二十代へのメッセージになっていますが、全ての人にあてはまるメッセージですね。

時代の変化に関わらず大切なことだと思います。


“人を知ると同時に、自国の歴史を知っておくことは
 外国人と交流をする上での必須条件である。”

これは海外に生活、勤務している中で、私も日々感じていることです。

スペインでは、日本の関心が高い方が多く、日本の歴史、文化、宗教等、どんどん質問して来ます。
自分はなんて母国のことを知らないのだろう、と痛感します。


司馬遼太郎さんの『世に棲む日日』の中の言葉、“革命は三代で成立する“との記述から、更に一歩進んで、

“但(ただ)し、現代は昔とスピードが違うので、
 経営者は一人でこのうち二役以上を兼ね、
 思想(ビジョン)を明示し、戦略を打ち立てる。”

やはり“自分の頭で考える力を養う”ことを実践されているのだなあ、と感じます。


“日本国を根本的に変えていくのは
 いまの政治家や経済界の幹部層ではなく若い人の力である。
 俄かに物事は成せずとも「継続は力なり」と信じ
 何事にも粘り強く取り組んでいってほしいと願っている。”

全くその通りだと思います。


「脳内の内部留保」という言葉、面白いですね。

普段からそれを充分に厚くしておけば、大切なチャンスをものにし、大きな逆境にも耐えることが出来ますね。 



“人という字を刻んだ息子”

2011-09-27 03:33:33 | 日記

致知出版社よりお送り頂いている「人間力メルマガ」よりです。

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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/9/25】 致知出版社編集部 発行
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本日は『致知』の人気連載コーナー「致知随想」の中から、
反響の多かった記事をセレクトしてご紹介します。

今回は『致知』創刊33周年企画として、
これまで人間力メルマガで配信してきた随想のうち、
特に大きな感動を呼んだ記事をご紹介いたします。

ぜひ最後までお読みください。


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■「致知随想」ベストセレクション 
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      「人という字を刻んだ息子」
       ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


                   秋丸由美子(明月堂教育室長)


             『致知』2007年5月号「致知随想」
             ※肩書きは『致知』掲載当時のものです



※明月堂は「博多通りもん」で有名な福岡の和菓子店です。
…………………………………………………………………………………………………

■医師からの宣告
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

主人が肝硬変と診断されたのは昭和54年、
結婚して間もなくの頃でした。

「あと10年の命と思ってください」

という医師の言葉は、死の宣告そのものでした。

主人は福岡の菓子会社・明月堂の五男坊で、
営業部長として会社を支えていました。
その面倒見のよさで人々から親しまれ、
たくさんの仕事をこなしていましたが、
無理をして命を落としては、元も子もありません。

私は「まずは身体が大事だから、仕事は二の次にして
細く長く生きようね」と言いました。
しかし主人は「精一杯生きるなら、太く短くていいじゃないか」
と笑って相手にしないのです。

この言葉を聞いて私も覚悟を決めました。
10年という限られた期間、
人の何倍も働いて主人の生きた証を残したいと思った私は、
専業主婦として歩むのをやめ、
会社の事業に積極的に関わっていきました。


30年前といえば、九州の菓子業界全体が
沈滞ムードを脱しきれずにいた時期です。
暖簾と伝統さえ守っていけばいいという考えが
一般的な業界の意識でした。

明月堂も創業時からの主商品であるカステラで
そこそこの利益を上げていましたが、
このままでは将来どうなるか分からないという思いは
常に心のどこかにありました。

そこで私は主人と一緒に関東・関西の菓子業界を行脚し、
商品を見て回ることにしました。
そして愕然としました。
商品にしろ包装紙のデザインにしろ、
九州のそれと比べて大きな開きがあることを思い知らされたのです。

あるお洒落なパッケージに感動し、
うちにも取り入れられないかと
デザイナーの先生にお願いに行った時のことです。


「いくらデザインがよくても、それだけでは売れませんよ。
 それに私は心が動かないと仕事をお受けしない主義だから」


と簡単に断られてしまいました。

相手の心を動かすとはどういうことなのだろうか……。
私たちはそのことを考え続ける中で、一つの結論に達しました。

それは、いかに商品が立派でも、
菓子の作り手が人間的に未熟であれば、
真の魅力は生まれないということでした。

人づくりの大切さを痛感したのはこの時です。



■「博多通りもん」の誕生
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

以来、菓子屋を訪問する際には、
売れ筋の商品ばかり見るのではなく、
オーナーさんに直接会ってその考え方に触れることにしました。

しかし、同業者が突然訪ねていって、
胸襟を開いてくれることはまずありません。
行くところ行くところ門前払いの扱いでした。

忘れられないのが、神戸のある洋菓子店に
飛び込んだ時のことです。

そのオーナーさんは忙しい中、一時間ほどを割いて
ご自身の生き方や経営観を話してくださったのです。

誰にも相手にされない状態が長く続いていただけに、
人の温かさが身にしみました。
人の心を動かす、人を育てるとはこういうことなのかと思いました。

いま、私たちの長男がこのオーナーさんのもとで
菓子作りの修業をさせていただいています。
全国行脚を終えた私たちは、社員の人格形成に力を入れる一方、
それまで学んだことを商品開発に生かせないかと
社長や製造部門に提案しました。

そして全社挙げて開発に取り組み、
苦心の末に誕生したのが、「博多通りもん」という商品です。
まったりとしながらも甘さを残さない味が人気を博し、
やがて当社の主力商品となり、いまでは
博多を代表する菓子として定着するまでになっています。

「天の時、地の利、人の和」といいますが、
様々な人の知恵と協力のおかげで
ヒット商品の誕生に結びついたことを思うと、
世の中の不思議を感ぜずにはいられません。



■「父を助けてください」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ところで、余命10年といわれていた主人は
その後も元気で働き続け、私も一安心していました。
しかし平成15年、ついに肝不全で倒れてしまいました。
手術で一命は取り留めたものの、
容態は悪化し昏睡に近い状態に陥ったのです。

知人を通して肝臓移植の話を聞いたのは、そういう時でした。
私の肝臓では適合しないと分かった時、
名乗り出てくれたのは当時21歳の長男でした。
手術には相当の危険と激痛が伴います。
万一の際には、命を捨てる覚悟も必要です。

私ですら尻込みしそうになったこの辛い移植手術を、
長男はまったく躊躇する様子もなく


「僕は大丈夫です。父を助けてください」


と受け入れたのです。
この言葉を聞いて、私は大泣きしました。

手術前、長男はじっと天井を眺めていました。
自分の命を縮めてまでも父親を助けようとする
息子の心に思いを馳せながら、
私は戦場に子どもを送り出すような、
やり場のない気持ちを抑えることができませんでした。

そして幸いにも手術は成功しました。
長男のお腹には、78か所の小さな縫い目ができ、
それを結ぶと、まるで「人」という字のようでした。

長男がお世話になっている
神戸の洋菓子店のオーナーさんが見舞いに来られた時、
手術痕を見ながら



「この人という字に人が寄ってくるよ。

 君は生きながらにして仏様を彫ってもらったんだ。

 お父さんだけでなく会社と社員と家族を助けた。

 この傷は君の勲章だぞ」



とおっしゃいました。
この一言で私はどれだけ救われたことでしょう。

お腹の傷を自慢げに見せる息子を見ながら、
私は「この子は私を超えた」と素直に思いました。
と同時に主人の病気と息子の生き方を通して、
私もまた大きく成長させてもらったと
感謝の思いで一杯になったのです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(転載以上)


「博多通りもん」誕生のお話、いいですね。

ご主人と一緒に、関東・関西の菓子を見て回って、商品や包装紙のデザインにショックを受けたこと。

なのに、デザイナーの先生に、
「いくらデザインがよくても、それだけでは売れませんよ。
 それに私は心が動かないと仕事をお受けしない主義だから」

と言われてしまったこと。


そして、その体験の中で、

“いかに商品が立派でも、菓子の作り手が人間的に未熟であれば、
真の魅力は生まれない”

ということを学んだこと。


神戸洋菓子店のオーナーさんが、“忙しい中、一時間ほどを割いて
ご自身の生き方や経営観を話してくださった”こと。


“誰にも相手にされない状態が長く続いていただけに、
人の温かさが身にしみました。
人の心を動かす、人を育てるとはこういうことなのかと思いました。”


自分の体験の中からの学びは、何物にも代えがたい価値がありますね。

まさに、「天の時、地の利、人の和」によって、ヒット商品に結びついて行ったのですね。



お父さんへの肝臓移植に名乗り出た長男さんのお話、感動します。

手術後、まるで「人」という字のような、78か所の縫い目、


「この人という字に人が寄ってくるよ。

 君は生きながらにして仏様を彫ってもらったんだ。

 お父さんだけでなく会社と社員と家族を助けた。

 この傷は君の勲章だぞ」


この“神戸の洋菓子店のオーナーさん”とは、きっと“ご自身の生き方や経営観を話してくださった”方なのでしょうね。

“行くところ行くところ門前払い”の中、本当に素晴らしい方とのご縁を頂いたのですね。


そしてそれは、秋丸由美子さんが、

“主人の病気と息子の生き方を通して、
私もまた大きく成長させてもらったと
感謝の思いで一杯になったのです。”

という方だからこそ頂けたご縁でもあったのだと思います。



“「靴下屋」創業者が語った“継続する秘訣””

2011-09-27 03:30:30 | 日記

致知一日一言よりです。




「致知一日一言」読者の皆さま

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

「継続は力なり」という言葉があるように、一つのことをずっと続けていくことは大変尊いことです。

しかし同時に、何があってもそれをやり続けることは至難の業だといえましょう。

『致知』10月号では、経営の神様・松下幸之助氏の薫陶を受け、その教えを青年たちに授けてきた松下幸之助商学院元学院長の北山顕一氏と、

全国に「靴下屋」を展開するタビオ会長の越智直正氏にご対談いただいています。

その中で語られた「継続の秘訣」とは。

 * * *

私がまだ松下幸之助商学院の学院長をしていた頃、

「日本一大きな靴下会社の社長の講演がある」と聞いて、越智さんのご講演を聴きに行ったんですよ。

講演が終わって質疑応答の時、聴衆の一人が「継続の秘訣は何ですか?」と質問されました。

そうしたら、越智さんはすかさず「『朝』と書いてみてください」と。

そして、「どう読みますか」と質問を返された。

その方が「あさ」とか「ちょう」と答えたら、「他にもあります。十月十日です」とおっしゃった。

十月十日は人間が生まれるまでにかかる日数です。

だから、人間は毎朝新しい命をもらって生まれているんだと。そして夜眠りにつく。

そのまま目覚めないかもしれないところ、翌朝また新しい一日をもらう。

明日があると思わず、きょうこの一日を大事に過ごそうと思ったら、いつの間にか継続できますとおっしゃったのです。

よし、きょうの講演でこれだけは自分のものにしようと思いましてね。

というのも、松下商学院は20歳前後の子が中心で、煙草を吸う子と吸わない子がいます。学院としては禁煙をしたいところでしたが、学院長である私が一日に40本吸うヘビースモーカーでした。

そうすると、学院生たちに吸うなと言いづらいから、できれば煙草をやめてほしいと他の先生たちに言われていたのです。

だからご講演をお聞きして、「よし、きょうだけは煙草を止めよう」と灰皿を裏返したわけです。そうして10年が経ちました。

……続きは本誌52ページで!

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(転載以上)


 
朝という漢字が、“十月十日”と読めること、あ〜そうか!と思います。

漢字であるからこそ起こせる奇跡ですね。


でも、人間が生まれるまでにかかる日数である“十月十日”が、なぜ“継続の秘訣”に結びつくのか。

越智さんの説明に感動します。


そして、その質問者でもない聴衆の一人であった北山さんが、“よし、きょうの講演でこれだけは自分のものにしよう”と決心し、


“「よし、きょうだけは煙草を止めよう」と灰皿を裏返したわけです。そうして10年が経ちました。”


見事に実践された北山さんもまた、あっぱれですね。


“知らずに進む放射線被曝について”  

2011-09-27 03:27:28 | 日記

元外交官 天木直人さんのメールマガジンよりです。



 □■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
■□■
□■ 天木直人のメールマガジン2011年9月26日第673号
■ 
 
 =============================================================

  知らずに進む放射線被曝の恐ろしさ                                                       
   
 =============================================================


 目に見えない。色がない。臭いがない。すぐに被害があらわれない。

 おまけに日本の大部分の場所は、深刻な放射能汚染とは関係が無い。

 それをいいことに、福島原発事故の被災住民たちは政府や地方行政の
作為、不作為によって、被曝の危険にさらされて生きている。

 それを見事に言い当てた記事を、週刊朝日9月30日号の「辛坊治郎
の甘辛ジャーナル」に見つけた。

 この辛坊治郎という関西読売テレビ出身のジャーナリストは、権力側
に立つタカ派発言が常であるが、この「辛坊治郎の甘辛ジャーナル」に
おいては、時としていい事を書く。

 「先日、朝日新聞のローカル面を読んでいて、ぞっとした。目に留まっ
たのは、小さなベタ記事だ。『輸出用中古車 放射線を検出』・・・」

 こういう見出しで始まるその記事は、我々の知らないところで恐る
べき被曝がこの国の政治、行政の怠慢で進んでいる、と警鐘を鳴らして
いる。

 すなわち、大阪府は堺泉北港から欧州に輸出される予定の中古車1台
から、1時間あたり53・28マイクロシーベルトというとてつもない
放射線量が検出されたと発表した。

 これは1年間にあびる放射線量に換算すると、466ミリシーベルト。
年100ミリシーベルトでがん死亡率が0・5%上がるという通説に従う
なら、とんでもなく高レベルの汚染車が市場に出回ったことになる、と。

 そのうえ、これが発覚したのは、日本からの輸入品の放射線検査を義務
付けている外国の規制に対応するために輸出業者がたまたま自主的に検査
したからだという。

 なぜそのような中古車があらわれるようになったかといえば、政府は
牛肉や野菜などの食品については国の規制値を決めているが、それ以外の
モノについては検査がなきに等しいからだ、と。

 おまけに政府の汚染地域立ち入り禁止が杜撰であったことや、政府・
東電の賠償が不徹底であるからだ、と辛坊氏は言うのだ。

 政府が汚染車をすべて買い取ると発表していれば出回らなかったもの
が、そうしなかったため汚染車をごまかして販売する者が出てきたのだ。

 そして辛坊氏は次のように言う。

 現在福島では「除染」が大きなテーマになっているが、除染では根本的
な解決にはならない。どう考えても除染で解決できない区域があり、そこ
は「もう住めない」と宣言すべきであるのに、感情論や巨額の補償額を
おそれて、それを政府は言い出さない、と。

 政府がしっかりした方針を出さない中で、被災者が、自らの損を最小に
したいと思うのは自然の成り行きで、放射能汚染された食物が出荷された
り、高度汚染の中古車が見つかったりするのもそのためだろう、と辛抱氏
は喝破するのだ。

 そして辛坊氏は言う。中古車の例はたまたま見つかったからわかったが、
知らずに出回っている放射能汚染品が他にもあると思うとぞっとする、と。

 最後に辛坊氏はこう締めくくっている。

 「今、この国では恐ろしいことが進行しているのかも知れない」。

 その最たるものは、福島の子供の被曝に違いない。

 我々は黙ってそれを見過ごしていいのか。

 この問いかけをすることこそ大手メディアの責任であるのに、大手メデ
ィアはもはや本当の事を国民に伝えなくなった。

 権力側についてしまった大手メディアの姿がそこにある。
                               了


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(転載以上)

“福島原発事故の被災住民たちは政府や地方行政の
作為、不作為によって、被曝の危険にさらされて生きている。”

その通りだと思います。
そして、その危険にさらされて生きているのは福島の方々だけではありません。


大阪の港から欧州に輸出される中古車から、年換算で466ミリシーベルトという高レベルの汚染が見つかりました。

しかし、このことがわかったのは、輸出業者がたまたま自主的に検査したから。

“政府は牛肉や野菜などの食品については国の規制値を決めているが、それ以外のモノについては検査がなきに等しい”ことがその背景にあるわけです。


“現在福島では「除染」が大きなテーマになっているが、除染では根本的な解決にはならない。
どう考えても除染で解決できない区域があり、そこは「もう住めない」と宣言すべきである”

私も、この辛坊さんに賛成です。


“「今、この国では恐ろしいことが進行しているのかも知れない」。

 その最たるものは、福島の子供の被曝に違いない。

 我々は黙ってそれを見過ごしていいのか。

 この問いかけをすることこそ大手メディアの責任であるのに、大手メデ
ィアはもはや本当の事を国民に伝えなくなった。

 権力側についてしまった大手メディアの姿がそこにある。”


天木さんの言葉、そうした問題意識を持つ方々は増えていると思いますが、肝心のメディアからは全く感じられません。

メディアが完全に政府の支配下におかれて、戦争に突き進んでいった時にも通じるものがあると思っています。



“これから起こる世界的危機と対策”

2011-09-25 23:31:13 | 日記

ロシア在住の北野 幸伯さんが出されているメールマガジンよりです。

=== RPE Journal==================================================

 
         ロシア政治経済ジャーナル No.767

                         2011/9/24号

================================================================

(省略)

今年がはじまったとき、世界はなんとなく明るいムードになってい
ました。

「08年からつづいていた『100年に1度の危機』は去ったのではな
いか??」

そんなことをいう人が多かったのです。

しかし、RPEはそう書きませんでした。

 

<アメリカ経済は好景気にならない

現在、「アメリカは今年好況になる!」という期待が高まっています。

しかし、アメリカ経済の現状は、ルーズベルト1期目同様の状態で、
安定はしても「好況」にはならないでしょう。

オバマさんは、「ティーパーティー運動」「保守派」「小さな政府」「
財政均衡派」などから批判を受け、苦境に立たされます。>

(【RPE】★2011年の世界〜アメリカはどうなる?2011年1月10日)

 

<今年はどうでしょうか?

世界経済は、中国・インドなどを中心に回復傾向にあります。

しかし、欧州経済は大きな不安を抱えたまま。

昨年ギリシャ危機が起こりましたが、今年も「PIIGS」で危機が
起こる可能性は高いのです。

「PIIGS」とは、欧州で財政状況のひどい国の頭文字。


P=ポルトガル
I=イタリア
I=アイルランド
G=ギリシャ
S=スペイン  >

(【RPE】★2011年の世界〜欧州はどうなる?2011年1月17日)

 

予想通り、好況への期待は裏切られ、世界のエリートたちが「2番底
は不可避」といいはじめています。


今回は、これから起こることが予想される世界的危機と対処法を考
えてみましょう。

(省略)

▼これから起こる世界的危機


では、これから何が起こるのでしょうか?

ここのところ、はっきりくっきり知っておきましょう。


現在の危機は欧米の危機です。

欧州では、ギリシャが国家破産の瀬戸際にあります。

アメリカは、毎年借金が100兆円以上増えていて、「なんぼなんでも
借金多すぎ」と、世界の人々が考えています。

とりあえず、リスクはこの二つ。


「日本はどうなのですか?財政がやばいということで、野田さんは
【大増税】を企てていますが・・・」


日本の財政が異常なのは事実です。

だって、税収よりも国債(借金)の方が多いのですから。

とはいえ、日本の財政は欧米と比べるとまだマシです。

その証拠に、欧米の危機で円が買われているではないですか?

日本の財政が破綻するなら、逆に皆円を売るはずです。

実をいうと、このこと日銀も知っています。

 

<最近の円高、安全資産志向が背景 不確実性の解消重要=白川日
銀総裁

ロイター 9月23日(金)5時39分配信

 [ワシントン 22日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は22日、投資
家の安全資産志向が最近の円高をもたらしているとの見解を示した
上で、世界経済の不確実性を解消することが重要と指摘した。

 同総裁は記者団に対し「現在の円高は、世界経済全体の不確実性
が高まる中で、グローバルな投資家の相対的な安全資産選好から起
きている」と述べた。>

 


なんで円高なのか?

「世界の投資家が相対的な安全資産を買っているからだ」と。

安全資産ってなに?

そう、「『円』が安全資産だ」と。

もし、日本の財政が政府のいうように「破綻寸前」であるなら、円は
安全資産ですか?危険資産ですか?

おわかりですね。

世界の投資家たちは、「日本の方が欧米よりマシで安全」と思って
いる。

だから円を買う。

それなのに政府は、「日本は破産する!増税増税!所得税・法人
税・消費税、全部増税だ!!!」


「人間ウソをついてはいけません!」(鳩山元総理)


であります。


というわけで、リスク順に並べると


欧州 > アメリカ >>> 日本


となります。

で、欧州にしろアメリカにしろ、財政が破綻するとどうなるの?

財政破綻については、歴史上山ほど例がある。

それで、財政破綻国家で何が起こるか、だいたいわかるのです。


一つは、通貨暴落

欧州で財政が破綻すればユーロが下がり、アメリカで財政が破綻す
ればドルが下がる。

(新興国の通貨は、欧米の投資資金が本国に帰還することで、逆に
下がることがあります。(たとえばルーブルは今下がっている))


もう一つは、通貨暴落によって引き起こされるインフレ

たとえば、ドルが下がれば輸入品が高くなり、アメリカはインフレにな
ります。


この、「自国通貨暴落」と「インフレ」の二つは必ず起こるのです。


とはいえ、リスクは欧米なのですから、「日本はどうなるの?」ってこと
ですよね。

欧州、あるいはアメリカで財政破綻が起こったと仮定しましょう。

すると世界経済と日本に何が起こるか?


1、財政破綻が原因で、欧州あるいはアメリカの消費が激減する
(消費減)

2、そのせいで、日本製品が売れなくなる

3、作っても売れないので、企業は生産を減らす(生産減)

4、生産を減らすと人があまるので、企業はリストラに踏み切る

5、企業は売上げと利益を減らし、個人の給料も減る(所得減)

6、企業は利益が減ったので、消費と投資を抑える。個人も所
得が減ったので消費と投資を抑える(消費減)


以下3から6までのプロセスを延々と繰り返す。

要するにいつも書いてるあれです。

消費減→ 生産減→ 所得減→ また消費減→ また生産減
→また所得減→ 以下同じプロセスの繰り返し


こういうことです。

つまり、欧米の財政が破綻すれば、

・物が売れなくなる
・大量リストラが行われる
・失業者がますます増える
・給料が下がる
・倒産続出

等々。

要するに、「リーマンショック」後に起こったことが、また再び起こると。

しかも、今回の危機の方が巨大になる可能性もあります。


<【コラム】「リーマンショック2」封切り間近

ウォール・ストリート・ジャーナル 9月22日(木)10時0分配信

【ニューヨーク】3年前、リーマン・ブラザーズはもろくも破たんした。

この第1作も恐ろしかったが、IMAX3D、デジタルサラウンドで
近日公開される第2作の恐怖にはそれをしのぐものがある。

というのは、カナダのトロントに拠点を置くファースト・アセット・
インベストメント・マネジメントの上級副社長兼ポートフォリオ・
マネジャー、ジョン・スティーブンソン氏の見解である。

 同氏はリーマンショックのような金融危機が向こう6-12カ月の
あいだに起こると予想する。

前回との違いは、今回の危機の原因が財政赤字と欧州の銀行
にある点だ。

 これが起きれば、株式相場は2008年秋にリーマンが破たんし、
アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が破たん危機
に陥った直後のレベルまで暴落し得る、というのが同氏の見方
である。

 スティーブンソン氏は電話インタビューで「そうなれば相場は
あっという間に暴落し、かなり深いダメージを負うことになる」と
述べ、

「前回の金融危機よりもひどいものになる。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

前回は政府に人々を救済する余裕があったが、

もはやそのような能力はない」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

と続けた。>

 

↑どうですか、これ?

「前回(08年)よりひどいことになる」

「政府には、救済する力がもはやない」

とのことです。

07年から今にいたるまでの経緯を、ロシアのテレビで以下のように
解説していました。

・サブプライム問題で銀行が破綻した

・それを他の銀行群が救おうとした

・そのせいで銀行群が危機に陥った

・銀行群を国家が救おうとした

・そのせいで国家が危機に陥った

・国家群が危機にある国家を救おうとした

・そのせいで国家群が破滅しつつある


実際、ギリシャがデフォルトになると、イタリア、スペイン、ポルトガル
などがつづく可能性があります。

そうなれば間違いなくリーマン・ショック以上の大混乱になるでしょう。

(省略)

▼対策


というわけで、おそらく欧州から、ひょっとしたらアメリカから危機が
起こることでしょう。

日本もその影響を逃れることはできません。

どんなことが起こるか書きましたが。

・物が売れなくなる
・大量リストラが行われる
・失業者がますます増える
・給料が下がる
・倒産続出

等。

いったい、対策なんてあるのでしょうか?


ありません。

 

すいません。


メルマガ読者さんの中には、経営者、ビジネスマン、政治家、議
員さん、主婦、学生さんなどさまざまな人がいます。

ある会社は倒産し、ある人はリストラされるかもしれません。

リーマン・ショックがそうであったように、その巨大な波から逃れる
ことはできません。


とはいえ、できることはあります。

そう、「貯金」をすることです。

最低3ヶ月の生活費。

もっといいのは1年分の生活費。

さらにいいのは3年分の生活費。


今、金(ゴールド)の値段が上がっているので、買っている人も売
っている人もたくさんいますが。

しかし、危機が欧州、あるいはアメリカからはじまることを思えば
「円高」はさらに進むのではないでしょうか?

円が高い。

欧州、アメリカで消費が激減することで、ものはあまり、デフレが
さらに進むことが予想されます。

(投機資金の流れで、食糧・資源があがる可能性はあります)


デフレってなんでしょう?

そう、物の値段が安くなっていくことです。

つまり、同じ100万円の貯金でも、1年後に買える量は増えている。

要するに、利子はつかなくても貯金の価値は上がっているのです。

 

もしあなたに「3年分の生活費に相当する貯金」があるとしましょう。

それであれば、リストラされてもだいぶ余裕があります。

失業手当をもらいながら、条件のいい転職先を探せばいい。

それに3年もあれば、インターネットビジネスを軌道に乗せることだ
ってできるでしょう。

 

それと、貯金の一部を自宅においておきましょう。

いざ危機がはじまれば、日本の銀行だってつぶれるかもしれませ
んから。

(ギリシャがデフォルトすれば、欧州の銀行はバタバタつぶれるは
ずです。)

 

というわけで、なんとも頼りない「対策」でした。

ちなみに、日本発の危機の場合、「円暴落」「インフレ」になるので、
要注意。

しかし、今回はまず「欧州」、ひょっとしたら「アメリカ」ということです。

(後略)


 

北野さんの解説はいつも論点がわかりやすく整理されていてとてもクリアです。

そしてここに書かれているシナリオは、可能性の高いものだと私も考えています。

2008年のリーマンショックよりも、ダメージが大きくなるかも知れない。

というのも、前回は金融機関の破たんでしたが、今回は国家の破たんです。

なので、前回は政府に金融機関を救済する余裕がありましたが、今はその余裕がありません。

今中国が、イタリア含めた欧州諸国の国債への投資を拡大していく意向を示していますが、これは国家戦略上の動きであり、ドイツ等は警戒しています。

 

ところで、北野さんのお勧めは、当面高くなるであろう円を持つということ。

出来れば3年分の生活費。

貯金の一部を自宅においておくこと。

 

私もそうなのだろうな、と思っています。

ただし、この対策については北野さん自身、“なんとも頼りない「対策」でした”とおっしゃっています。

仮に日本発の危機が米国等よりも先に来る場合、先に「円暴落」「インフレ」になる可能性があるわけで、その場合この対策は使えない、むしろ裏目になる可能性もあります。

 

北野さんの今回のシナリオには、自然災害のことや、それにも関係する食糧、資源危機について触れていません。

こうした要素を踏まえると、その対策は一層難しいものになります。

 

やはり今から、そうした状況を想定した循環社会を少しずつ構築していく必要があると思います。

それは、まず気心の知れた方々でコミュニティをつくって情報交換することもいいのではないかと思います。

 

 


“人を知る5つの基準について”

2011-09-24 04:22:22 | 日記

致知出版社よりお送り頂く「人間力メルマガ」からです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/9/22】 致知出版社編集部 発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   このメールマガジンでは、
   人間学を学ぶ月刊誌『致知』より
   そのエッセンスの一部をご紹介しています。

       * *

   平成元年の初版以来、版を重ねて発行部数10万部を突破。
   各界のリーダーや多くのビジネスマンたちに読み継がれてきた
   森信三氏の『修身教授録』。
   
http://www.chichi.co.jp/book/6_feature/syu-shin.html

   本書は、全500頁を超える大著です。
   『修身教授録』の内容がどんなものかちょっと読んでみたい、
   という皆さまからのご要望にお応えして、
   本書の「第10講 尚友」から印象に残るお話を
   ひとつご紹介いたします。


────────────────────────────────────


       「人物を知る5つの標準」
       
       
            森信三・著
        
            『修身教授録』より
          
http://www.chichi.co.jp/book/6_feature/syu-shin.html
 

────────────────────────────────────

昔から、「その人を知らんと欲せば、まずその友を見よ」
と言われているのも、大なる真理があると思うのです。


ついでながら、人を知る標準としては、
第一には、それがいかなる人を師匠としているか、ということであり、
第二には、その人がいかなることをもって、
自分の一生の目標としているかということであり、
第三には、その人が今日までいかなる事をして来たかということ、
すなわちその人の今日までの経歴であります。


そして第四には、その人の愛読書が
いかなるものかということであり、
そして最後がその人の友人いかんということであります。


大よそ以上五つの点を調べたならば、
その人がいかなる人間であり、
将来いかなる方向に向かって進むかということも、
大体の見当はつくと言えましょう。


しかしながら、翻って考えるに、今申したようなもろもろの点は、
結局は一つの根本に帰するかと思うのです。


たとえば、自分の一生の目標を何と立てるかということも、
結局はその人が、師の人格に照らされて
初めて見出されるものであって、
人間は師をはなれては、
生涯の真の目標も立たないと言ってよいでしょう。


またいかなる書物を愛読するかということも、
結局は師の教えの光に照らされて、
おのずから見えて来ることでしょう。


またその人の過去の来歴というようなことも、
その人が自分の師を発見しない間は、
いろいろと彷徨して紆余曲折もありましょうが、
一たび心の師が定まった以上は、
迷いもおのずから少なくなり、
また自分一人では決し得ないような大問題については、
師の指図を仰いで身を処しますから、
結局大したつまずきもなくなるわけです。


かくして今友人関係において、
真に尊敬するに足る友人とは、
結局は道の上の友ということでしょう。


したがって道の上の友ということになると、
結局は師を共にする場合が多いと言えましょう。
つまり同門の友というわけです。



………………………………………………………………………………………………

   明日23日(金)は、森信三氏が
   お生まれになった日にあたります。

   現在発行中の『致知』10月号では、
   ビジネスの現場で本書を心の糧としてこられた
   小宮コンサルタンツ社長の小宮一慶氏と
   伊藤忠経済研究所長の三輪裕範氏がご対談。
   
http://www.chichi.co.jp/monthly/201110_pickup.html#pick2
   
   森氏の生誕日にちなみ、
   お二人の『修身教授録』との出逢いについて
   語られたエピソードをご紹介します。


────────────────────────────────────


【小宮】 ところで三輪さんは昔から、
     人生論や生き方論といった類いの本がお好きだったんですか?


【三輪】 いえ、30代の頃までは
     いわゆるハウツー的なものが中心で、
     ビジネス書や経営に関する本の類いばかりを読んでいました。

     ところがだんだん年齢を重ねるに従って、
     そういう本は当座の役には立っても、
     人間としての自分の価値を
     高めてくれるものではないことに気がついて、
     遅まきながら人生論的なジャンルの本を
     読み漁るようになったんです。


     『修身教授録』に出合ったのは5、6年前です。
     ふらりと入った書店に『修身教授録』という
     古めかしい書名の本があった。

     何気なく惹かれて最初のページを開いてみると、
     森信三先生の非常に熱い思いのようなものが
     行間から迸り出てくるような感じを受けまして。

     これは家でじっくり読みたいという気持ちになり、
     即座に買ったのが『修身教授録』との出合いでした。


【小宮】 初めは書名もご存じなく、
     まったく偶然の出合いだったのですね。
     私はイエローハット創業者の鍵山秀三郎さんから


     「『修身教授録』というのはいい本だから、お読みなさい」


     と薦められて買ったんですが、奥付に平成5年の版とありますから、
     おそらく30代中頃のことでしょうね。
     私は人からいいと言われたことは
     だいたいやってみる性格なんですが(笑)、
     実際に読み始めてみて、凄くよかったなと感じた記憶があります。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(転載以上)


“「その人を知らんと欲せば、まずその友を見よ」”

確かに、本人と話すだけでは、なかなか本音がわかりづらいことがありますね。

でも、その方が親しくされている方々から、思いがけない本人の人柄が見えることがあります。

友人とは、人を映し出す鏡でもあるのでしょう。


ただ、最近は、本人と会ったり発言を聞いたりするだけでも、なんとなくその方の、人となりがわかることが多くなって来たような気もします。

そしてその傾向は加速しているように思えます。


その人を知る基準、面白いですね。

第一、いかなる人を師匠としているか
第二、いかなることをもって、自分の一生の目標としているか
第三、今日までいかなる事をして来たか
第四、愛読書がいかなるものか
第五、友人いかん

かつ森さんは、全ての要素は、結局一つの根本に帰するとおっしゃっています。

それは、「師」であって、人は、その師の光に照らされるのだということですね。

友人も、師を共にする“道の上の友”であり、“同門の友”であると。


今は、具体的な「師」のイメージが浮かびにくい時かも知れません。

ただ、逆に「師」を“共通の理想や志”として考えると、そこから、共通の理想や志を持つ人々が集まって事を成し遂げていく、というイメージが浮かんできます。

私は、これから、共通の考え方を持った人々によるコミュニティを作っていくことも大切なのではないかと思っています。


“単一通貨ユーロが抱える本当の「致命的欠陥」”

2011-09-23 03:55:55 | 日記

世界の株式市場が大きく値を下げています。

 私自身はまだまだ厳しくなると思っており、そうした内容でたびたび書いています。

 (例:http://blog.goo.ne.jp/tera-3/e/b99795227a3a8330fe2f9f0883d851e8

http://blog.goo.ne.jp/tera-3/e/501528d75ac9416ee50353d16e6911ae

 

ですので、別に驚くことではないのですが、いよいよ来るのかな、という感じはしています。

 紆余曲折はあると思いますが、後戻りが出来ないところまで来ているように思います。

 そして、それが始まると、米国はもちろん、日本にも大きな影響をもたらしていくことになるでしょう。

 決して対岸の火事ではないのです。

 

 英国フィナンシャル・タイムズ紙の記事よりです。

 タイトルは、単一通貨ユーロが抱える本当の「致命的欠陥」”

  http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/23081

 なぜユーロはこんなトラブルに見舞われているのだろうか? そのわけを知りたかったら、債務やソブリン債のことをちょっとだけ忘れて、ユーロの紙幣をながめてみるといい。そこには、この世に存在しない想像上の建築物が描かれている。

数字を使った分析の記事や解説が多い中で、この方の着眼点は面白いです。

普通、国の紙幣には、その国で有名な歴史上の人物や場所が印刷されるのに、ユーロ紙幣はそうなっていない。

そう言えばそうかも、と思いながら、財布の中にあったユーロ紙幣を眺めてみると、確かにそうです。

所在の分からない、あえて言えばローマ時代のものっぽい水道橋や、教会のステンドグラスのようなものが描かれています。

なぜそうなっているかと言うと、

特定の国を連想させる場所の絵や英雄の肖像を載せていたら、きっと大変な論争になっただろう。そのため欧州通貨当局はあえて、どの国のシンボルにもなり得るがどの国のシンボルにもなりきれない曖昧な絵を選んだのだ。

それは確かな事実なのでしょう。そして、

そのユーロ紙幣が欧州大陸の銀行の現金支払機から出てくるようになって10年になるが、ヨーロッパ人としての共通のアイデンティティーは欠如したままであり、今や共通通貨自体を失敗に追い込みかねない致命的な欠陥となっている。

メンバー諸国の間で共通したアイデンティが築けなかったこと、それがユーロの致命的な欠陥だったということなのです。

 

 欧州の人々の間では、欧州共通の機関や制度に対する忠誠心よりも自国を想う気持ちの方がはるかに強いために、政治指導者たちが現実的に検討できる解決策には制約があるのだ

 為替が固定されてしまっているので、経済の弱い国はどんどん弱くなり、経済力のある国はどんどん強くなります。

 なので、本当は、財政政策も統一して、ユーロ共通の債券、所謂ユーロ債を出すべきだと思いますが、実際にはそうなっていません。

 

「ユーロ圏共通債(ユーロを用いるすべての国々が共同で発行する債券)」などあり得ないと一蹴するドイツのアンゲラ・メルケル首相は、想像力が欠けているわけでもなければケチなわけでもない。

首相はただ、南欧の債務を恒久的に引き受けることなどドイツの有権者は絶対に受け入れないことを承知しているだけなのだ。

それが有権者の選挙によって選ばれる者の宿命なのです。

このユーロ圏共通債については、同じく債権国であるフィンランドやオランダの有権者の方がドイツの有権者よりも強硬に拒否の姿勢を示している。

その一方で、厳しい緊縮財政を強いられているギリシャ、ポルトガル、スペイン、イタリアといった国々では、冷酷で独善的な北欧の国々への怒りが強まっている。

実際問題、ユーロ諸国は、もうバラバラになってしまっているのです。

なので、複雑なプロセスが必要なユーロ債の構想自体、ほとんど可能性のないものになってしまっている、と言わざるをえません。

そんな状況下、複雑なプロセスを必要としない現実的な方法として筆者も賛成している方法は、欧州中央銀行(ECB)による、ギリシャ、イタリアおよびスペインの国債買い入れです。

 

ただ、問題が1つある。ドイツはとても珍しい国で、中央銀行の行動が政治的な情熱を本当にかき立てるのである。メルケル政権の幹部が筆者に先日話したところによれば、ECBの国債買い入れプログラムは既にドイツで物議を醸しており、それほど長続きするとは思えないそうだ。

実際にこの国債買い入れプログラムに反対したECBのドイツ出身の専任理事が辞めてしまいました。

そしてマーケットに大きな不安感を与えることになりました。

筆者は、残る選択肢は2つある、と説明します。

1つは、緊急融資も組み合わせた現在の財政緊縮プログラムがいずれ「うまくいく」という道。もう1つは、一部の国がデフォルト(債務不履行)を宣言し、恐らくユーロから離脱するだろうという道である。

筆者は、一つ目についてそれ以上解説していません。

財政緊縮プログラムは、経済成長にマイナスに働くものです。なので財政再建にもプラスとはなりません。

多分筆者も、それが「うまくいく」とは思っていないのでしょう。

ギリシャは、予想していたよりも今年のGDPのマイナス幅が大きくなると発表しています。

それに対して、ECBやIMF等は、更なる緊縮財政を求めています。

まるでギリシャが自滅していくように追い込んでいるように思えます。

もう一つのギリシャのユーロ離脱についてです。

ギリシャのユーロ離脱は、最終的には同国の長期的な利益になるかもしれない。だが、それによる経済的・政治的なダメージは非常に厳しいものになり得るだろう。そして、その影響はギリシャにとどまらないかもしれない。

欧州のあちこちで銀行が破綻したり、さらに厳しい緊縮財政政策が実施されたり、失業がさらに増えたり社会不安が生じたり、極右・極左政党が躍進したり、国家間の緊張が高まったり、EU自体に対する脅威が増したりする恐れがあるのだ。

全くその通りだと思います。

しかし、オランダの首相含めて、ギリシャがユーロを脱退すべきだという声を挙げる人は増えています。

多分、それがどれだけ壊滅的な事態に繋がるか、そうなるまで理解出来ないのでしょう。

例えわかっていても自国民の手前、そう言わざるを得ないという事情があるのかも知れません。

 

EUの中で、意思統一がとれなくなった時、それがユーロの終わりの始まりなのだと思います。

そして、共通のアイデンティティが見い出せない以上、やはりその方向に進んでいくのでしょう。
 


“9・19さようなら原発・武藤類子さんのスピーチについて”

2011-09-22 06:22:23 | 日記

昨日の日記で触れさせて頂いた9月19日の集会(http://blog.goo.ne.jp/tera-3/e/fbe672bd648761fe9f287b01a470c208)。

その中から、ハイロアクション福島原発40年実行委員会の武藤類子さんという方のスピーチ内容を転載させて頂きます。
http://hairoaction.com/?p=774

(以下転載)


 みなさんこんにちは。福島から参りました。
 今日は、福島県内から、また、避難先から何台ものバスを連ねて、
たくさんの仲間と一緒に参りました。初めて集会やデモに参加する人も
たくさんいます。福島で起きた原発事故の悲しみを伝えよう、私たちこそ
が「原発いらない」の声をあげようと、声をかけ合いさそい合ってこの
集会にやってきました。

 はじめに申し上げたい事があります。

 3.11からの大変な毎日を、命を守るためにあらゆる事に取り組んで
きたみなさんひとりひとりを、深く尊敬いたします。それから、福島県民
に温かい手を差し伸べ、つながり、様々な支援をしてくださった方々に
お礼を申し上げます。ありがとうございます。

 そして、この事故によって、大きな荷物を背負わせることになってしま
った子供たち、若い人々に、このような現実を作ってしまった世代として、
心からあやまりたいと思います。本当にごめんなさい。

 みなさん、福島はとても美しいところです。東に紺碧の太平洋を臨む
浜通り。桃・梨・りんごと、くだものの宝庫中通り。猪苗代湖と磐梯山の
まわりには黄金色の稲穂が垂れる会津平野。そのむこうを深い山々がふち
どっています。山は青く、水は清らかな私たちのふるさとです。

 3.11原発事故を境に、その風景に、目には見えない放射能が降りそそぎ、
私たちはヒバクシャとなりました。

 大混乱の中で、私たちには様々なことが起こりました。すばやく張り
めぐらされた安全キャンペーンと不安のはざまで、引き裂かれていく人と
人とのつながり。地域で、職場で、学校で、家庭の中で、どれだけの人々
が悩み悲しんだことでしょう。

 毎日、毎日、否応無くせまられる決断。逃げる、逃げない? 食べる、
食べない? 洗濯物を外に干す、干さない? 子どもにマスクをさせる、
させない? 畑をたがやす、たがやさない? なにかに物申す、だまる?
さまざまな苦渋の選択がありました。

 そして、今。半年という月日の中で、次第に鮮明になってきたことは、

・真実は隠されるのだ
・国は国民を守らないのだ
・事故はいまだに終わらないのだ
・福島県民は核の実験材料にされるのだ
・ばくだいな放射性のゴミは残るのだ
・大きな犠牲の上になお、原発を推進しようとする勢力があるのだ
・私たちは棄てられたのだ

 私たちは疲れとやりきれない悲しみに深いため息をつきます。 
 でも口をついて出てくる言葉は、「私たちをばかにするな」「私たち
の命を奪うな」です。

 福島県民は今、怒りと悲しみの中から静かに立ち上がっています。

・子どもたちを守ろうと、母親が、父親が、おばあちゃんが、おじい
ちゃんが・・・
・自分たちの未来を奪われまいと若い世代が・・・
・大量の被曝にさらされながら、事故処理にたずさわる原発従事者を助け
ようと、労働者たちが・・・
・土を汚された絶望の中から農民たちが・・・
・放射能によるあらたな差別と分断を生むまいと、障害を持った人々が・・・
・ひとりひとりの市民が・・・

 国と東電の責任を問い続けています。そして、原発はもういらないと
声をあげています。私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です。

 私たち福島県民は、故郷を離れる者も、福島の地にとどまり生きる者も、
苦悩と責任と希望を分かち合い、支えあって生きていこうと思っています。

 私たちとつながってください。私たちが起こしているアクションに注目
してください。

 政府交渉、疎開裁判、避難、保養、除染、測定、原発・放射能について
の学び。そして、どこにでも出かけ、福島を語ります。今日は遠くニュー
ヨークでスピーチをしている仲間もいます。思いつく限りのあらゆることに
取り組んでいます。

 私たちを助けてください。どうか福島を忘れないでください。
 
 もうひとつ、お話したいことがあります。それは私たち自身の生き方・
暮らし方です。

 私たちは、なにげなく差し込むコンセントのむこう側の世界を、想像し
なければなりません。便利さや発展が、差別と犠牲の上に成り立っている事
に思いをはせなければなりません。原発はその向こうにあるのです。

 人類は、地球に生きるただ一種類の生き物にすぎません。自らの種族の
未来を奪う生き物がほかにいるでしょうか。 私はこの地球という美しい星
と調和したまっとうな生き物として生きたいです。ささやかでも、エネルギー
を大事に使い、工夫に満ちた、豊かで創造的な暮らしを紡いでいきたいです。

 どうしたら原発と対極にある新しい世界を作っていけるのか。誰にも
明確な答えはわかりません。できうることは、誰かが決めた事に従うので
はなく、ひとりひとりが、本当に、本当に、本気で、自分の頭で考え、確か
に目を見開き、自分ができることを決断し、行動することだと思うのです。
ひとりひとりにその力があることを思いだしましょう。

 私たちは誰でも変わる勇気を持っています。奪われてきた自信を取り戻し
ましょう。そして、つながること。

 原発をなお進めようとする力が、垂直にそびえる壁ならば、限りなく横に
ひろがり、つながり続けていくことが、私たちの力です。 たったいま、
隣にいる人と、そっと手をつないでみてください。見つめあい、互いのつらさ
を聞きあいましょう。怒りと涙を許しあいましょう。今つないでいるその手の
ぬくもりを、日本中に、世界中に広げていきましょう。

 私たちひとりひとりの、背負っていかなくてはならない荷物が途方もなく
重く、道のりがどんなに過酷であっても、目をそらさずに支えあい、軽やかに
ほがらかに生き延びていきましょう。

(転載以上)                           


私が特に素晴らしい言葉だと思うのは以下の部分です。


“どうしたら原発と対極にある新しい世界を作っていけるのか、誰にも
明確な答えはわかりません。できうることは、誰かが決めた事に従うので
はなく、ひとりひとりが、本当に、本当に、本気で、自分の頭で考え、確か
に目を見開き、自分ができることを決断し、行動することだと思うのです。
ひとりひとりにその力があることを思いだしましょう。”


私がこのつたないブログでお伝えしたいなと思っていることはまさにこの一点です。


ひとりひとりが、自分の頭で考え、決断し、行動すること。


“原発推進でも脱原発でもない第三の道について”

2011-09-21 05:08:08 | 日記
19日に大規模な集会が行われたようですね。
 

脱原発で最大規模集会 東京・明治公園に6万人 大江健三郎さんら訴え
2011.9.19 16:47
 
反原発デモの呼びかけ人の1人、ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏は、日本の原発をなくすために1000万人署名に参加しようと呼びかけた=19日、明治公園(ロイター)
 作家の大江健三郎さんらが呼び掛けた脱原発を求める「さようなら原発5万人集会」が19日、東京・明治公園で開かれ、約6万人(主催者発表)が参加した。東京電力福島第1原発事故後の集会では最大規模。廃炉に向けて活動している福島県の市民団体メンバーや大江さんらが「原発はいらない」と訴えた。
 「ハイロアクション福島原発40年実行委員会」の武藤類子さん(58)は、原発事故からの半年を「逃げる、逃げない。食べる、食べない。日々、いや応なしに決断を迫られた」と振り返り、「原発と対極にある生活のためには一人一人が決断し、行動するしかない」と呼び掛けた。
 大江さんやルポライターの鎌田慧さん、作家の落合恵子さんらも脱原発を主張。ゲストとして参加した俳優、山本太郎さんは「このままでは日本は核廃棄物の置き場になる」と話した。

 
 
福島であれだけの事故があり、欧州でも色々な動きが出て来ているのに、肝心の日本のリアクションは小さいのではないか、と思っていたので、今回たくさんの人が集まったのは、とてもいいことだと思います。
 
日本でもいよいよ変化が出て来たとその胎動を感じます。
 
 
しかし、これだけの規模の集会が行われたにも関わらず、相変わらず日本でのメディアでの取り上げられ方は小さいようですね。
 
一部の新聞を除いて、しょうがないからちょっと出しました、という取り扱いが多いようです。
 
日本で、国民による集まりが少ないのは、メディアがこうした事実を取り上げないことも、その要因の一つであると思います。
 
 
私は、原発政策における考え方をタイプ別に分けると以下のようになると思っています。
 
 
1 原発推進派。自分や特定の団体、イデオロギーに利益を誘導しようとする人
 
2 原発推進派。今後の日本のエネルギー政策を真剣に考え、まだ新しいエネルギーが育っていない中で原発も当面必要だと考えている人
 
3 脱原発派。今回の福島の事故を踏まえて、将来の子どもたちの健康のことを考え、環境にやさしいエネルギー政策にかじを取るべきだと考えている人
 
4 脱原発派。自分や特定の団体、イデオロギーに利益を誘導しようとする人
 
 
人の考え方は千差万別です。なのにそれを非常に単純化してしまっていること、申し訳ありません。
 
 
私が気をつけなくてはならないと思っているのは、所謂原発推進派の中にも、そして脱原発派の中にも、自分のことや、特定の団体、特定の国(しかも日本ではない)のことしか考えていない人が同様にいるのではないかということです。
 
もちろん表に出てくる主張の内容は、全く正反対になります。
 
でも、私は、1も4も結局は同じことだと思っています。
 
なので、1の人が、ある日突然4になっても驚きませんし、その逆があっても驚きません。
 
そこには共通する目的があると思うからです。
 
 
一方で、2も3も、推進派と反対派ということで正反対になるわけですが、今後の日本のあるべき姿や子どもたちのことを考えているという点では同じだと思っています。
 
 
 
知名度のある方が参加するということは、人をたくさん集めることが出来るということでもいいことだと思います。
 
今回のデモの呼びかけ人である大江さんは、芥川賞やノーベル賞を受賞された方です。
 
知名度、海外へのインパクトということ含めて、言うことありません。
 
 
ただ、大江さんは日本の天皇制に批判的な立場を取っている方のようです。
 
自衛隊の存在に対しても否定的、日本の首相による靖国神社参拝も批判しています。
 
 
 ノーベル文学賞は受賞しましたが、文化勲章の受章は拒否し、筑紫哲也さんから、
 
「ノーベル文学賞は受賞しておいて自国の文化のために尽くした者のための勲章を拒否するのはどう考えてもおかしい、彼はただ単なる左翼主義者である」
 
と批判を受けました。
 
 
私は、今回の集会に参加されたのはほとんどが3の方々だと確信しています。
 
ただそこには、実は別な考え方を持っている人々も一部いるかも知れないということは考えておいた方がいいように思います。
 
 
私は、これから本当に立ち上がらなくてはならないのは、2と3の方々だと考えています。
 
日本や子どもたちの未来のことを真剣に考えている方々です。
 
 
そして、単なる原発推進派でもない、単なる脱原発派でもない、第三の道を一緒に創り上げていくことが、今、本当に必要なことなのではないかと思っています。
 

“命が宿るような人生を送るということ”

2011-09-20 03:21:21 | 日記

致知出版社からお送り頂いている「人間力メルマガ」よりです。

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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/9/17】 致知出版社編集部 発行
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   このメールマガジンでは、
   人間学を学ぶ月刊誌『致知』より
   そのエッセンスの一部をご紹介しています。

       * *

   本日は、ホスピスケアの第一人者として、
   これまで二千五百名もの患者を看取り、
   生きる意味を追求し続けてこられた
   金城学院大学学長・柏木哲夫氏のお話を
   ご紹介いたします。

 
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       「使命、懸命、宿命」
       
       
            柏木哲夫(金城学院大学学長)
        
            『致知』2008年1月号
             特集「健体康心」より
            

                      ※肩書きは掲載当時です。


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 私には自分の人生を動かしていく三つの言葉があります。
 
 
 それは使命、懸命、宿命という言葉です。
 
 
 使命というのは、作家の三浦綾子さんが亡くなる前に
 テレビの取材で言われていて、すごいなと思った言葉なんです。

 三浦さんは、「使命というのは命を使うと書くでしょう」と
 おっしゃるんですね。
 
 
「私は小説を書くことが自分の使命だと思っているので、
 死ぬまで小説を書き続けます。
 
 いま私は体を病んでいますから、
 小説を一冊書いたらクタクタになって、
 ああ、命を使ったなと実感するんです。
 
 けれども、小説を書くということは
 自分にとって命を使うことで、それが使命なので、
 その使命を全うしたいと思います」


 と。この話を伺って、使命というのは
 命を使うということなんだと教えられました。


 それからしばらくして、今度は瀬戸内海のある小さな島で
 診療所をやってこられた老いた医者のことを知りました。
 
 七十五歳ぐらいですがまだお元気で、
 医療に恵まれない島の人たちのために
 自分の一生を捧げようと懸命に働いてこられたそうなんです。
 
 その方のことを知った時、懸命というのは
 命を懸けることなんだな、と思い至りました。


 その方は、自分の医師としての仕事に命を懸けてこられた。
 周りの人は、もういいかげんに都会に戻って
 のんびりしたらどうかと言うけれど、
 自分はここに骨を埋めるつもりです、
 それが私の宿命だと思います、と言われるんです。

 普通、宿命というとなんとなく
 ネガティブな感じがありますけれども、そのお話を聞いて、
 宿命というのは命が宿ることなんだと私は思ったんです。

 命を使い、命を懸けて、その結果
 命が宿るような人生を送る。
 そんな生き方ができたらすごいな、と思うんです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(転載以上)


使命とは、命を使うということ。

懸命とは、命を懸けるということ。

宿命とは、命が宿るということ。


三浦綾子さん、小さな島の診療所のお医者さんの生き方、その言葉から見つけた真実だけに、単なる言葉合わせではない迫力を感じます。


“命を使い、命を懸けて、その結果
 命が宿るような人生を送る。
 そんな生き方ができたらすごいな、と思うんです。”


命が宿るような生き方をされている方、近くにもいらっしゃいますよね。


“坂本龍馬が目指したものとは”

2011-09-18 23:55:55 | 日記

致知出版社よりお送り頂いている「人間力メルマガ」よりです。

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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/9/18】 致知出版社編集部 発行
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本日は『致知』の人気連載コーナー「致知随想」の中から、
特に反響の多かった記事をセレクトしてご紹介します。

今回は2011年9月号の『致知』より、
高知県立坂本龍馬記念館館長・森健志郎氏の
随想をご紹介します。

ぜひ最後までお読みください。


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■「致知随想」ベストセレクション 
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      「坂本龍馬が目指したもの」
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                   森健志郎(高知県立坂本龍馬記念館館長)


             『致知』2011年9月号「致知随想」
             ※肩書きは『致知』掲載当時のものです


…………………………………………………………………………………………………

高知県・桂浜にある県立坂本龍馬記念館は
今年開館二十周年を迎えました。

昨年放映された大河ドラマ『龍馬伝』の影響で再び
“龍馬ブーム”が巻き起こり、
しばしば入館規制を行うなど、
全国から多くの方に足を運んでいただいています。

前任の方の急逝により五年前に館長に就任しましたが、
私自身はそれほど龍馬に対して傾倒していたわけではなく、
以前は「なぜそんなに人気があるのだろう?」というのが
率直なところでした。

しかし、来館される方々の龍馬ゆかりの品々を
見つめる真剣なまなざし、そして龍馬宛に書いてくださる、
ほとばしるような熱きメッセージから、
その偉大さを教えていただいたように思います。

龍馬は天保六(一八三五)年、
土佐藩の下士(下級武士)だった
坂本家の二男として生まれます。

坂本家は下士とはいえ、土佐有数の豪商「才谷屋」の分家で、
非常に裕福な家庭でした。

龍馬の人格や思想のベースとなったのは
「裕福でありながら身分が低かった」という、
この生まれにあると私は考えています。

例えば、貧しかった岩崎弥太郎などは
日々の食い扶持を確保するのに必死で、
身分がどうのと考える時間的・精神的余裕はなかったでしょう。


しかし、龍馬は違いました。
なぜ同じ人間でありながら、士農工商と身分を分けるのか。
なぜ同じ武士でありながら、生まれによって
上士と下士に決められてしまうのか。

この葛藤が、龍馬の「平等」という理想へと繋がり、
後に師と仰ぐ人物との邂逅を引き寄せることになります。
それが勝海舟です。

勝海舟もまた、貧しい旗本の出身です。
民に対して公平であるべき役人が
生まれによって階級が決まる。

そうやって登用された役人たちが、
公平ではない対処や裁きを行っている現実を
たくさん見てきました。

だからこそ、勝は「公平な世」を目指すようになったのです。

平等を理想とする龍馬と公平を目指す勝海舟――。
二人が出会ったのは文久二(一八六二)年、
土佐を脱藩した龍馬が幕府軍艦奉行並だった勝を訪ねました。

世界情勢や海軍の必要性を説かれた龍馬は
大いに感服してその場で弟子になったといわれ、
勝を「日本第一の人物」と賞賛するほど心服しました。

その勝の下、龍馬は神戸海軍操練所の設立のために奔走しますが、
当時、姉の乙女に宛てた手紙にこう記しています。


「国のため、天下のためちからおつくしおり申候。
 どうぞおんよろこびねがいあげ、かしこ」


 天下国家のために全力を尽しています。
 どうぞお喜びください――。
 

坂本龍馬という人物が、当時も、
そしていまなお多くの人々から愛されるのは、
この「私心」のない生き方が感動を与えるからだと思います。

龍馬は土佐藩の脱藩浪人でした。
しかし勝海舟はもちろん、
福井藩主の松平春嶽や薩摩藩の実力者・小松帯刀らに
信頼を置かれるとともに、桂小五郎と西郷隆盛の間に立って
薩長同盟を成し遂げました。

日本を二分するほどの勢力を持っていた薩長が、
なぜ一浪人の龍馬の働きかけに応じたのか。

それは龍馬に「これによって自分の名を上げてやろう」とか
「権力を握ってやろう」という私心が
なかったからだと思うのです。

こいつは本当に天下国家のために捨て身で生きている。
そう思わせるものがあったのでしょう。

強烈な身分社会の中にあって、多くの志士が
「自分は薩摩の西郷隆盛」「長州の桂小五郎」と
名乗っていたところ、「俺は日本の龍馬」と言ったのが
坂本龍馬でした。

国内で争っていたら外国にやられてしまう。
だから、薩摩も長州も幕府も
皆で一緒になって新しい国をつくろうと呼びかけ、
大政奉還まで漕ぎ着けました。

しかし、そのわずか一か月後の
慶応三(一八六七)年十一月十五日、何者かに暗殺され、
三十三年の生涯を閉じました。

その後の日本は龍馬が目指したものとは
異なる道へと進んでいったのではないでしょうか。

新政府は討幕へ向けて戊辰戦争を始め、
その結果、薩長中心の「富国強兵」をスローガンにした
軍国主義体制が敷かれ、
そうして明治期に日清・日露戦争へと突き進んでいきました。

もしも、坂本龍馬が生きていたら……、
おそらく戊辰戦争は起きなかったと思います。

戊辰戦争がなければ、日清・日露もなかっただろうし、
日清・日露がなければ、太平洋戦争も起きなかったはずです。
そうしたら、日本はどんな国になっていたのでしょうか。

歴史に「もしも」はありませんが、
そんな壮大な夢物語を抱かせてくれるのも
龍馬の魅力の一つでしょう。


「日本を今一度せんたくいたし申候」

これもまた龍馬が乙女に宛てた手紙の中の一節です。
最近あちこちでこの言葉とともに
「平成の龍馬、出でよ」という声が聞かれます。

政治も経済も家庭のあり方も、あらゆる面で
筋が通らないことが多く見受けられます。
だからこそ龍馬のように日本を洗濯し直す
存在の出現が待ち望まれているのでしょう。

しかし、考えてみてください。

龍馬だってもともとは地方の一下級武士でした。

その彼が私心をなくし、天下国家のために命懸けで動いた時、
日本は大きく変わったのです。

日本を変えるのは政治家でも大企業の社長でもない。
いまを生きる誰もが平成の坂本龍馬になれることを、
当記念館を通じて感じていただけたらと思っています。

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“私心をなくし、天下国家のために命懸けで動いた時、
日本は大きく変わったのです。”

坂本龍馬さん、本で読んだりTVで見たりしても、まだ全貌がつかめないような、不思議な魅力を感じます。

地方の一下級武士が、土佐藩を脱藩したりしながらも、薩長同盟、大政奉還の立役者となり、新しい日本をつくるために走り回る姿に感動します。

 

そうはさせじの敵は多かったのでしょう。

とりあえずの目標は達成したので、もう用はない、ということもあったのかも知れません。

志なかばで、暗殺されてしまいます。

 

“日本を変えるのは政治家でも大企業の社長でもない。
いまを生きる誰もが平成の坂本龍馬になれる”

私は、今回の変化にあって、平成の坂本龍馬が一人登場する必要ないと思っています。

逆にそれでは、全体の変化に結び付けるのは難しいような気がします。

 

そうではなく、多くの普通の人々が、新しい時代を一緒に創って行くのだと考えています。

そしてそれは、それぞれが、自分の出来ることを少しずつやっていけば、十分なのだと思っています。

 

“放射線に打ち克つ食事法とは”

2011-09-18 23:38:04 | 日記

致知出版社よりお送り頂いている「致知一日一言」よりです。


件名: 【号外】放射線に打ち克つ食事法とは

「致知一日一言」読者の皆さま

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

福島第一原発事故以降、放射線被曝の問題に私たちの生活は脅かされています。

そんな中、私たちは放射線と正しく付き合い、それに対処していく必要があるといえましょう。

前回反響の大きかった、マクロビオティック界の第一線で活躍されている大場淳二氏の記事から、

本日は長崎で被爆したにもかかわらず、ある食事法によって原爆症にならなかった方のお話をご紹介します。

実例から見えてくる放射線との付き合い方とは。

 * * *

ここでご紹介したい記録があります。

長崎で被爆された医師・秋月辰一郎先生が残された『死の同心円』です。

「死の同心円」――。被曝した人たちは「吐き気がする。身体がだるい。血便が出る。頭髪が抜ける。皮膚に斑点が出る。歯茎から血が出る」
  
と原爆症の症状を訴え始め次々と倒れていきました。

発症が、きょうは爆心地から半径500mで被曝した人たち、きょうは1kmの人たち、といったように、同心円状に広まっていった恐怖感を表した言葉です。

秋月先生が被曝したのは、爆心地から1.8km離れた診療所でした。

いよいよ半径2km内で被曝した人たちが次々と倒れていく中で、不思議なことに秋月先生とそこで働く看護婦たちは原爆症にならなかったのです。

それはなぜか。秋月先生には二つの原体験がありました。

一つは玄米菜食によって生来の病弱を克服したこと、もう一つは長崎医大付属病院で放射線教室に助手として勤務していたことです。

『死の同心円』によると、秋月先生はご自身も含め、被曝した人たちが訴える症状がX線治療の後に患者が見せる「レントゲン宿酔」という症状に類似していることに気づきます。

そして、その治療法は濃い食塩水を飲ませることだったと想い起こしました。

「爆弾をうけた人には塩がいい。玄米飯にうんと塩をつけてにぎるんだ。塩からい味噌汁をつくって毎日食べさせろ。そして、甘いものを避けろ。砂糖は絶対にいかん」

秋月先生は、被曝した職員や周囲の人たちにこう指導した結果、原爆症の発症を免れたのです。

そして先生は89歳で亡くなられるまで医療活動や反核平和運動に献身的に従事されました。

ここで特筆すべきは、先生と職員の方々は玄米と塩、味噌汁を積極的に食べたということです。

(転載以上)


政府、東京電力、マスコミは、最近になってようやく、福島原発事故によって多大な被害が出たことを認めるようになって来ました。

しかし、問題は、その後も、大量の放射線が放出されており、空気や、水、土を汚し続けているということです。

今の取り扱われ方は、なにかもう過去のものとなっており、今足元の、そして今後も続く問題として取り上げられていないことがなんとも歯痒く感じます。

守るべきは、まず子供たち、そしてそれに続く子供たちだと思います。

 

日本の食事は、いいようですね。

食の回帰にも繋がっていけばいいと思います。