"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“タバコの方が放射線よりも発ガンリスクが高いのか”

2011-07-25 09:41:13 | 日記

「到知」出版社さんより頂くメルマガより転載させて頂きます。


「致知一日一言」読者の皆様

いつもお読みいただきありがとうございます。

先日、東京電力など電力10社の電気料金が9月も値上げされることが決定し、これで7か月連続の値上げとなりました。

福島第一原発事故を発端に、じわじわと我々の生活が圧迫される中、政界は菅首相の「脱原発」発言で揺れています。

さらに、「脱原発」は内閣の統一見解ではなく、「私の考え」に修正した行き当たりばったりの首相の言動に、米国も不信感を露わにしています。

『致知』8月号では、保守論壇の重鎮である渡部昇一氏が、日本のエネルギー問題について識見に富んだお話をされていますので、ご紹介します。

 * * *

原発事故の収束作業が困難を極めているいま、原発の維持ないし推進はとても言い出し難い。

原発停止を求める人たちは、それに代わるエネルギー源として、水力、風力、太陽光などの発電を挙げる。

しかし、再生可能なエネルギーでは、とても原子力を補う電力を生み出すことはできない。

その結果は電力供給の不安定化を招き、電力単価が高騰し、企業の業績悪化、設備投資や雇用の縮小、企業の倒産や撤退の増大となり、

これは税収の減少、財政の悪化に繋がり、日本経済、いや日本という国そのものの致命傷になる。

にもかかわらず、世論は大きく反原発に傾いているような感じが、マスコミを中心にはびこっている。

こういう発言も参考になるだろう。東京女子医大放射線腫瘍科の三橋紀夫教授の言葉である。

「本当はタバコや肥満のほうが発がんリスクが高い。放射線と紫外線の発がんリスクは合わせて3%だが、タバコや肥満はそれぞれ30%。残りは環境汚染や食品添加物などが占めています」

国民はマスコミなどが撒き散らす風評に踊らされることなく、科学的にしっかりした視点を持たなければならない。


渡部昇一さん、尊敬するお一人です。

私自身は、先日の日記にも書きましたように(http://blog.goo.ne.jp/tera-3/e/2545437a3285312e75eba439980b2e35)、日本は、中期的に脱原発社会を目指すべきと考えています。

しかし、国のことを一生懸命考えている渡部さんの上記のような考え方にも学ぶべきことは多いと考えています。

日本は、島国ではありますが、海をはさんで、中国、韓国、北朝鮮、ロシア、米国たくさんの国に囲まれています。

日本の国力が弱くなったと思えば、そのすきを見て攻めてくるシナリオは充分あると思います。

なので、渡部さんのような方、「私」ではなく日本という「公」の観点で、発言される方の言葉にはきちんと耳を傾けなければならないと思っています。

 

ただ、原発の話になると、所謂原発推進派の方にしても、脱原発派の方にしても、どうして論理性がなくなることが多いのだろう、と感じることが多いです。

ここでも、例として出されている三橋教授の言葉、放射線と紫外線の発がんリスクは合わせて3%、タバコは30%とありますが、放射線とタバコの煙を、どのような比較の仕方をしてこうした数字を出ているのかよく理解出来ません。

放射線にも様々な種類、そして様々な濃度があるでしょう。タバコもそうだと思いますが、一体どのような種類、濃度で比較しているのでしょうか。そもそも放射線とタバコの害を比較すること自体出来るのでしょうか。

私は、それは出来ないのではないかと思いますし、なのに既成の事実のように使うことに違和感を覚えます。

放射線の被害については、まだはっきりとしていないというのが実情だと思いますし、それだけにチェルノブイリやスリーマイル含めた過去のデータは体験貴重なものだと思います。

そうした積み重ねの中から、真実に近いものが出てくるのではないでしょうか。

まだデータは少ないのでしょうから、放射線は大丈夫!と決めつけることよりは、特に子供さん含めて保守的に考えていくべきなのではないかと思います。

今後のエネルギー政策を考える上でも、恣意的に加工されたものではない、現状の客観的なデータが不可欠であるということ、重ねて強調したいと思います。