ダイヤモンド社ビジネス情報サイトより、前参議院議員田村耕太郎さんの記事です。
タイトルは、“なでしこ快挙の陰に隠れたアメリカの負けっぷりの良さとフェアネスの精神
〜日本称賛を続けた米メディア ”です。
少し長い記事ですので直接ご覧下さい。素晴らしい内容だと思います。
(http://diamond.jp/articles/-/13194)
“「なんてことでしょう。大野は完全なオンサイドだった。これはあり得ない審判のミスだ。審判は止めるべきではなかった」”
後半の大切な場面。大野選手が絶妙なタイミングで飛び出してボールを受けようとした瞬間、オフサイドの判定となりました。
完全なフリーでしたので得点の可能性が高い場面、大変悔しい判定でした。
ただ、上記「」は、日本の解説者のコメントではなく、アメリカの放送局解説者の方のものです。
この記事を書かれた田村さんは、女子W杯決勝をアメリカ放送(ESPN:スポーツ専門局)で聞いていました。
田村さんがアメリカで生活している中で感じていたフェアネス精神を、W杯決勝の中継からも強く感じ、その内容に感動したという趣旨の記事なのです。
実は私も、スペインのTVでサッカー中継が入らなかったので、PCの時々止まる画面で(笑)応援していましたが、
私の聞いた中継でも、英語解説者が、ビデオを見ながら審判の判定についてクレームしていました。
ちなみに、この場面、男子サッカーでは、両手をあげて猛烈な抗議をするでしょう。
しかし、大野選手は、審判の判定を受け入れ、走って自陣に戻って行きました。
とてもすがすがしく感じた場面です。
“鮫島選手が元東電所属であることも紹介し、「彼女は練習どころではなかったはずだ。しかし今、祖国復興の希望を背負い懸命にプレーしている」”
“「後半は日本時間では日の出の時間になる。後半は日の出る国が上がってくる」”
“後半終了9分前に宮間選手が根性の同点弾を入れたシーンだ。傷心のためか、アメリカの解説者は一瞬言葉を失う。しかし、その後アメリカの解説者はそれを激賞していたのだ。
「最後まであきらめない素晴らしいゴールだ。誰がこんな素晴らしいこの試合の脚本を書いたのか」と。”
“ 「5月の親善試合でアメリカはノースカロライナで日本に2連勝した。しかし、今の日本は全く違うチームに進化した。5月の日本代表はまだ震災のショックを引きずっていたようだ。今や震災に苦しむ日本を勇気づけられるチームに成長した」”
“日本の勝利が決まると「震災に苦しむ国に、いい知らせもたらすために奮闘した日本女子代表のファイティングスピリットには、アメリカは勝てなかった」。アメリカ解説者は、その傷心ぶりは隠せないが、叫んだ。”
“「日本女子チームは技術があり、チームワークにすぐれ、何より気品にあふれていた。大会を通じて最もリスペクトされてきたチームだ。オメデトウ(日本語で)ジャパン」とアメリカ放送は締めくくられた。日本優勝で限界まで感動していた私は、このアメリカ解説者の言葉で涙腺をやられた。”
これらは、全てアメリカの解説者のコメントです。
日本のTVではどのような解説をしていたのでしょうか。
日本への応援一辺倒ではなく、アメリカの選手の見事なプレーには、賞賛を送っていたでしょうか。
少し心配になります。
“さすがにこの解説については、18日付けのニューヨークタイムズ紙が「ESPNのキャスターや解説はどちらの味方だったかわからない」と批判っぽい論説を載せていた。でもメディア同士でこうして正々堂々と言論を戦わせるところもフェアだと思う。”
もしかしたら、解説者の言葉の中に、日本の神様の声も入っていたのかも知れませんね。
“「後半は日本時間では日の出の時間になる。後半は日の出る国が上がってくる」”ですから。(笑)
昨日の日記でも触れましたが、フェアネス精神はアメリカ選手のコメントにも見事に顕れていると思います。
“試合後のインタビュー映像で、悔し泣きをしていたアメリカのゴールキーパー、ソロ選手。その彼女に無情にもインタビューを試みるレポーター。それだけでも酷だ。彼女はアテネ,北京で2大会連続金メダリストである。プライドがずたずたにされたことだろう。試合内容はアメリカが勝っていた。PKで負けた責任を問われるような質問だ。「正直私は、他の誰よりも優勝したいと強く思っていた。でも日本が優勝してうれしい。どのチームより素晴らしい試合をした日本を称えたい。どのチームより優勝にふさわしかった。誰よりも日本を祝福したい」と声を絞り出したのだ。”
“アメリカチームキャプテンのワンバック選手が「日本を祝福したい。日本国が誇るべきチームだ。最後まで彼女たちはあきらめなかった」”
感動します。
そうなると、日本の監督や選手が、アメリカチームの方々に対して、どのようなコメントを残していたのかが気になります。
“なでしこジャパンの佐々木監督も「内容ではアメリカの勝ちだ。やっぱり世界一のチームだ」とインタビューでアメリカ側を称え素晴らしいエールの交換となった。”
なんだかほっとします。
これから、日本女子サッカーは、W杯の覇者として、世界から見られるようになります。
自分の言葉が、他の国々の方々にどのように聞こえるのか、どのように受け止められるのか、ということは考えて行った方がいいのでしょう。
記事最後、田村さんのコメントは、とても印象的です。
“日本女性の力はすごい。素直に我々男性が白旗を上げ、敬意を示す、もっと女性に活躍してもらう環境を整えることが日本復活の早道だと、試合を見て思ってしまった。”
“もっと女性に活躍してもらう環境を整えることが日本復活の早道”、まさにその通りですね。
そしてそれを体現する先駆者、私たちにとって見本といえる方が、佐々木監督なのでしょう。