地球交響曲シリーズ、ご存じの方も多いと思います。
龍村監督が手弁当で作った1本目、上映してくれるところがなく、やむをえず自分でチケットを買い取って上映を始めたところ、口コミで話題が広がって行きました。
それ以降、自主上映というやり方で、本数が増えて行きました。
その第七番を見ました。
この映画では、3人の方々が出て来ます。
冒険家、環境教育活動家の高野孝子さん。
5人でロシアからカナダまでの北極海を、世界で初めて無動力で(スキー・犬ぞり・カヌー)横断しました。
2人目は、グレッグレモンさん。
世界最高峰の自転車レース、ツールドフランスで3勝しました。
特に、89年は、その前に散弾銃の事故に合い、体に約60の弾が入った状態で、神がかりの復活優勝を遂げました。
その時の平均時速は未だに破られていません。
今でも心臓の近くには抽出出来ない弾が残っています。
三人目は、「癒す心、治る力」の著書でも有名な、アンドリューワイルさん。
代替医療や自然治癒力と、西洋医学を統合する医療を提唱されました。
その中で、特に私の心に強く残ったのは、高野さんでした。
その一言一言は、経験に裏打ちされた深い言葉の連続でした。
北極の旅、それは男性3名、女性2名の旅でした。
途中、何度も命にかかわるようなアクシデントに遭遇する中で、高野さん達が運んで来た通信機器を道中に置いていくよう、男性陣が主張します。
しかし、高野さんたちは、決してそれを受け入れませんでした。
自分たちで運ぶからと。
その通信機器を使って、高野さんたちは、世界の子供たちにネットでその冒険の報告を送信していました。
男性陣にとって大切なのは、世界初の冒険を成し遂げること。
そのためには、出来るだけ重量を減らすべき、と考えていました。
高野さんたちにとっては、この冒険を子供たちに伝えていくことが最も重要なことであって、それは、冒険が成功することよりもずっと大切なことだったのです。
この冒険を通して、高野さんは、強さの種類には色々あり、女性の強さは、持続する強さだと感じたのでした。
高野さんは、希望する子供たちと、毎年、日本の雪山でキャンプをします。
滑る雪の中で、子供たちが、テントを張ったり、トイレを掘ったりするのに苦労するのを見守りながら、でも、アドバイスはしません。
黙ってみています。
失敗しながら、体験の中で自ら学んでいくことを大切にしているのです。
今、高野さんは、新潟県の田舎に住んでいます。
家の近くの土地を手に入れ、伝統的なやり方で稲を育てています。
稲を植えるために、しるしの線を引くのも一苦労。
しかし、おたまじゃくしが泳いで逃げていく様子を見て、機械を使っては、おたまじゃくしは逃げられない、ということを体験します。
そして、手間のかかるやり方を通じて、昔の人々の知恵を知り、自然と共生していくことの大切さを、身を持って体験しているのです。
高野さんは、これも毎年の企画として、学生と一緒にミクロネシアのヤップ島に行きます。
映画を見た後、そこに参加した日本の学生の感想を聞きました。
現地の方々と一緒に生活することによって、彼らは自然と共に生きるとはどういうことかということを知ります。
その生活には、昔から伝わる知恵が詰まっています。
一方で、そうした場所にも、ごみ処理、アルコール中毒等、新しい問題が出て来ていることを知ります。
高野さんは、映画の中でおっしゃいます。
私たちが当たり前のように使っているもの、それは電気、水道であったり食料であったりする訳ですが、そうしたものを、
“同じ使うのでも、それらがない状態を知って使うことと、それを知らないで使うこととは全く意味が違う”のだと。
そこに参加した学生は、
「Desire(欲)とNeeds(必要なこと)とは違う」
という言い方で説明していました。
高野さんの心が、今の学生の心にもきちんと引き継がれているということに感動しました。
龍村監督が手弁当で作った1本目、上映してくれるところがなく、やむをえず自分でチケットを買い取って上映を始めたところ、口コミで話題が広がって行きました。
それ以降、自主上映というやり方で、本数が増えて行きました。
その第七番を見ました。
この映画では、3人の方々が出て来ます。
冒険家、環境教育活動家の高野孝子さん。
5人でロシアからカナダまでの北極海を、世界で初めて無動力で(スキー・犬ぞり・カヌー)横断しました。
2人目は、グレッグレモンさん。
世界最高峰の自転車レース、ツールドフランスで3勝しました。
特に、89年は、その前に散弾銃の事故に合い、体に約60の弾が入った状態で、神がかりの復活優勝を遂げました。
その時の平均時速は未だに破られていません。
今でも心臓の近くには抽出出来ない弾が残っています。
三人目は、「癒す心、治る力」の著書でも有名な、アンドリューワイルさん。
代替医療や自然治癒力と、西洋医学を統合する医療を提唱されました。
その中で、特に私の心に強く残ったのは、高野さんでした。
その一言一言は、経験に裏打ちされた深い言葉の連続でした。
北極の旅、それは男性3名、女性2名の旅でした。
途中、何度も命にかかわるようなアクシデントに遭遇する中で、高野さん達が運んで来た通信機器を道中に置いていくよう、男性陣が主張します。
しかし、高野さんたちは、決してそれを受け入れませんでした。
自分たちで運ぶからと。
その通信機器を使って、高野さんたちは、世界の子供たちにネットでその冒険の報告を送信していました。
男性陣にとって大切なのは、世界初の冒険を成し遂げること。
そのためには、出来るだけ重量を減らすべき、と考えていました。
高野さんたちにとっては、この冒険を子供たちに伝えていくことが最も重要なことであって、それは、冒険が成功することよりもずっと大切なことだったのです。
この冒険を通して、高野さんは、強さの種類には色々あり、女性の強さは、持続する強さだと感じたのでした。
高野さんは、希望する子供たちと、毎年、日本の雪山でキャンプをします。
滑る雪の中で、子供たちが、テントを張ったり、トイレを掘ったりするのに苦労するのを見守りながら、でも、アドバイスはしません。
黙ってみています。
失敗しながら、体験の中で自ら学んでいくことを大切にしているのです。
今、高野さんは、新潟県の田舎に住んでいます。
家の近くの土地を手に入れ、伝統的なやり方で稲を育てています。
稲を植えるために、しるしの線を引くのも一苦労。
しかし、おたまじゃくしが泳いで逃げていく様子を見て、機械を使っては、おたまじゃくしは逃げられない、ということを体験します。
そして、手間のかかるやり方を通じて、昔の人々の知恵を知り、自然と共生していくことの大切さを、身を持って体験しているのです。
高野さんは、これも毎年の企画として、学生と一緒にミクロネシアのヤップ島に行きます。
映画を見た後、そこに参加した日本の学生の感想を聞きました。
現地の方々と一緒に生活することによって、彼らは自然と共に生きるとはどういうことかということを知ります。
その生活には、昔から伝わる知恵が詰まっています。
一方で、そうした場所にも、ごみ処理、アルコール中毒等、新しい問題が出て来ていることを知ります。
高野さんは、映画の中でおっしゃいます。
私たちが当たり前のように使っているもの、それは電気、水道であったり食料であったりする訳ですが、そうしたものを、
“同じ使うのでも、それらがない状態を知って使うことと、それを知らないで使うこととは全く意味が違う”のだと。
そこに参加した学生は、
「Desire(欲)とNeeds(必要なこと)とは違う」
という言い方で説明していました。
高野さんの心が、今の学生の心にもきちんと引き継がれているということに感動しました。