スー・シティーから車で一時間、人口五百人の町、Anthonへ。
しゃっくりの世界記録保持者、六十八年間、死ぬまでしゃっくりを続けた、ギネスブックにも載るオズボーンさん、の孫のシャーマンさんに話を聴きに来た。
おじいさんを驚かせてしゃっくりを止めようと、背後でショットガンを撃ってみたけど、止まらなかったそうだ。
何とものんきな仕事。
この町にはかつて世界一の大男もいた。住民は小さな町から二人の世界一が出たのが自慢らしい。
奥さんとお母さんと息子さんと近所の人達が代わる代わるひやかしながら、取材はなごやかに終了。
全員顔に笑みを浮かべながら、もう二度と来ないであろうディープ・ディープ・アメリカを後にする。
こういうなんでもない所に来れて、なんでもない人に会えるのが、この仕事のいいところ。またひとつ思い出してウフフする記憶が出来た。
帰りの便は例によってディレイ。ミネアポリスで足止めを食って、ニューヨークにはたどり着けなかった。