岩切天平の甍

親愛なる友へ

煙草

2007年08月08日 | Weblog

 二十五歳の時にタバコをやめた。
大人のふりをした真似っこスモーカーだったので、やめるのに何の苦労も無かった。

世間でタバコの害がどうのこうのと賑やかだが、僕としては他人が健康を損なおうが癌になって死のうが、いっこうに構わない。
医療費が上がったり、二次喫煙でこっちにとばっちりが来ない限りはおおいに吸っていただいて結構だ、けど・・・

僕はあの匂いを嗅ぐと具体的に体の具合が悪くなる。気持ち悪くなるので、街を歩いていて、歩きタバコの人に会うと、息を止めたり遠回りしたり急いで追い越したりしなければならない。自宅の隣人がタバコを吸うので窓を閉め切って暮らさなければならない。歩道の側溝にたまった吸い殻から目をそらさなければならない。最近はさすがに少なくなって来たが、車の中で、日本から来たクライアントやタレントがタバコを取り出した時など、どうやって気分を害さずにやめてもらおうかと気の弱い僕はげんなりしたものだった。火をつけられたらそれこそ地獄だし・・・。
非喫煙者と言えば、誰しもこんな感じだろうと思う。

でもどうして他人にこんな思いをさせてまで吸いたいのだろう。
自分が吸っていた頃は、まるで当たり前のようになんとも思っていなかった。友人達の遠慮がちな抵抗や困惑しきったような表情まで思い出すことができる。子供の顔をして靴先でもみ消したりしてバカ丸出し、まったく身が縮む思いだ。もう遅いけど、ホントにごめんなさい。

だから偉そうにスモーカーを責めるつもりは毛頭ないけれど、「俺の体がどうなろうとほっといてくれ。」と言うのは答えにならないよ。だってあんたのタバコが攻撃しているのは他人の体と心なんだから。
なんでそこまでして吸いたいのかねぇ・・・。
ほんとごめんよ。