岩切天平の甍

親愛なる友へ

The Police

2007年10月31日 | Weblog

マジソン・スクエア・ガーデンでポリスのコンサート。

開演八時、 前座の演奏が始まる。これを見越してか、MSGの入りは一割。
前座が一時間、セット変えに三十分、ポリスが出て来るのが九時半だ。

前座って無きゃならないのかね?時々前座無しでやるバンドもあるからやっぱり時間には席についてしまう。そこから一時間半、ビールとタバコとマリファナにまみれたバカ騒ぎにひたすらうんざりする事になる。ここでもうだいぶ気分をそがれる。で、真打ち登場でバカ騒ぎは最高潮に。音楽も聞かずにわめく酔っぱらい、ドラッグやり過ぎてゲロを吐く女・・・。ロックの客ってアメリカに限らず世界中こうなのかい? 自分も若い頃はそうとう恥ずかしかったような気もするけど、ここまでじゃなかったような・・・。

演ってる方はどう思ってるんだろう?
ミックなんか、「おまえらサイコーだ。」なんて言ってるけど・・・。
そう言えば昔、ロックのライブであまりの大音響に歌詞が聞き取れず、ふと「この行為に何の意味があるんだろう。」と思った事があったっけ。

結局一時間持たなかった。帰っちゃいました。

残念。



球根

2007年10月30日 | Weblog

 春咲きの球根を物色に近所のホーム・デポのガーデン・コーナーへ。

チューリップ、スイセン、ヒヤシンス。球根の棚の前を延々と行ったり来たりしているおっさんも珍しかろう。「くそー!」とうなりながら堪え難きを耐え忍んでさえも球根百個弱・・・。

家に帰って庭に穴を堀りはじめて後悔した。けっこう重労働なのだ。最初のうちは穴の深さも慎重に、花の色の組み合わせ、丈の高さ、窓からどう見えるかなんて考えていても、半分埋め終わる頃にはもうどうでもいい。ひたすら掘って埋めまくる。えー、まだあんの?

あー、春が楽しみだ。



村治奏一2

2007年10月29日 | Weblog
 
 サラブレッド・ギタリスト、村治奏一君の取材二日目。

今日は村治君の通うマンハッタン・スクール・オブ・ミュージックで待ち合わせ、少し授業を撮らせてもらったあとで、学校の寮でフルートのマット君とセッション。服やらなんやらとっちらかった汗臭い部屋に響くフルートとギターの現代音楽が楽しい。

アッパーウェストにある村治君の一間のアパートはナベにもホコリが、さながらギターを弾いて寝る為の部屋といった風、触発されると言うカンディンスキーのポスターとボブディランのポスターが張ってある。ソファに寄りかかった本を覗き込むと、カラマーゾフの兄弟があった。

「いいね、カラマーゾフ、ときどきちょっとしんどかったけどね。」
と言うと、目を輝かせて。
「あ、読みました?いいですよね。え、どこが一番しんどかったですか?」
「うーん、あの二番目の兄貴だっけ、彼と別れる前に居酒屋で哲学談義するところがあるじゃない、あそこかなー。」

育ちがいいとはこういう事か、真っすぐな目で水を飲むようにすーっと語りかけてくれる彼はきっと何の屈託もなくカラマーゾフを音楽に昇華するんだろう。僕ももうちょっと若い頃に読んどけばよかったなぁ。



村治奏一

2007年10月28日 | Weblog

プリンス・クラッシック・ギタリスト、村治奏一君を撮影させてもらう。

ニューヨーク市から北に小一時間走った街で、ギタリストのデイビッド・スタロビン氏のレッスンを受けるというので待ち合わせ。十一回もエミー賞にノミネートされた巨匠とのことで、勝手に厳つい家を想像していたら駅前商店街の米屋の二階と行った風情(ほんとに米屋ではないけど)。地味な建物に事務所兼スタジオがあって、音楽プロデューサーの奥さんと二人、にこにこと出迎えてくれた。

テレビ屋の無理な注文に嫌な顔ひとつせずにおつきあいいただきひたすら感謝。帰りにはCDまで頂いた。移動中の車内、貴重なチャンスを生かすべく、村治君を質問攻めにする。
「クラッシック・ギターって聞くとヨーロッパってイメージがあるけど、どうしてアメリカなの?」
「そうですね、おもしろいのが国によってなんとなくプレイヤーの傾向があるんですよ。ドイツ人はやっぱりきっちりと技術優先って感じだし、イタリア人はそれより表現というか、いかに歌うかということに重きをおくんですね。で、スタロビンさんはちょうどそのバランスがすばらしいと言われているんです。」

師はテレビが来たので普段より恐くなかったとの事、我々が出て行った後で「あー、緊張した。」とおっしゃったそうだ。
帰宅後、さっそくCDを開封、あたりまえだけどめちゃくちゃ上手い。うっとりと聞き惚れる。





Sing, Harlem, Sing! 2日目

2007年10月27日 | Weblog

雨、収録二日目。

このショーは来年日本をツアーする予定。
で、我々はそのプロモーション・ビデオを撮影しているわけだ。
日本人シンガーのリンコさんもメンバーで、ソロも取る。
黒人音楽の好きな人にはなかなか楽しめそう。


Sing, Harlem, Sing!

2007年10月26日 | Weblog

ハーレムのアポロ・シアターでカメラ四台使ってのライブ録画。
“Sing,Harlem,Sing!”ゴスペル・コーラスをバックにチャック・ベリー、アリサ・フランクリン、マービン・ゲイのメドレーにスタンド・バイ・ミー、At Last、When A Man Loves Woman 等、黒人音楽のヒット・パレード、さながら“ハーレム公民館、演歌の花道”。

アポロに身をよじるハモンドB3がたまらない。若いドラマーが手がつけられない程いきがいい。リハーサルの合間にちょっと声をかけてみる。
「ごきげんなプレイだね、普段、どの辺りで演奏してるの?」
「ありがとう、いつも百十五丁目の教会でやってるよ。日曜日に来なよ。」
ジョシュア君はクラブの名前を言うのかと思っていたら教会の場所を教えてくれた。ほんの一瞬だけ、サム・クックの頃にいるような錯覚を楽しんだ。



サツマティック

2007年10月25日 | Weblog

 コーイチが教えてくれた、コンピュータメディア・ファッション・ 絵本の世界で活躍する、3人の鹿児島出身イラストレーター の展覧会、“サツマティック”を覗いてみた。
なんと我が故郷、入来町にある田苑という焼酎会社がスポンサーなのだそうだ。田んぼに囲まれた焼酎くさい工場の横を毎日学校に通ったっけ。

ミート・パッキングと呼ばれる、以前は精肉業者しかなかったけど、今はクラブやブティック(って言うのかな?)、レストランだらけのトレンド最先端エリアにあるギャラリー、オープニングでも最終日でもなかったので作家はいない様子。
静かなギャラリーで個性のまったく違う三人の作品にそれぞれ刺激されて楽しい時間を過ごした。

何らかの作品に触れると、必ずいつも予想していなかった何かがスパークする感じが嬉しい。
刺激を受けるって言うのか、想像が次から次へとあらぬ方向へ勝手に走り出す。申し訳ないけど、たぶん作者の意図とまったく関係ない方向へ、 自分勝手におもしろがって来た。
このスパークが消えないうちにどこかに形にできないものかな。



ホット!

2007年10月24日 | Weblog

 スポーツ番組用の高飛び選手のハイスピード(スローモーション)撮影。今日はカメラマンではなく、以前所属していた会社所有のクレーンのテクニシャン?として参加させて貰った。ま、人足ですな。

専用のカメラなど使用機材が特殊で、全て日本から運び込まれた。スタッフも日本から。秒五千コマだったか七千だったか・・・とにかく普通のビデオが秒三十コマだから一秒をだいたい三分くらい?に引き延ばして見せる。選手が飛ぶ瞬間が例えば五分の一秒とするとだいたい四十秒くらいかけて見せられる、のかな。

恐ろしく光量を必要とするので、これ三灯あれば野球場全部をライティングできるというでっかいライト(ソフト・サンという50キロワットHMI)が二台持ち込まれた。まぶしくて正視できない。何もかもが珍しい。

珍しいと言えば、お昼の時間にみんなでファミレスに入った。
飲み物を注文する時に、日本からいらしていた照明技師さんが、ウェイトレスのおねえさんに「ホット!」と注文していた。
おお、懐かしい“ホット”! 二十年振りくらいに聞いたなー。今でも日本じゃそう言うのかな、ブレンド・コーヒーの事。「ホット、ワン、つごう、ツー」なんて言ってたっけな。



レストラン通り

2007年10月23日 | Weblog

 カリフォルニアの山火事の勢いが止まらないらしい。
たいへん痛ましいことだが、そこの避難所について変わった話を聞いた。

富裕層の住む被災地の避難所に、レストラン街が出来ていて、こちらはイタリアン、こちらはフレンチ、こちらはスシと言った具合に案内が出ていると言うのだ。

それを聞いたアフリカン・アメリカンの人たちが不愉快な思いをしているとの事。
「ニューオーリンズにカトリーナが来た時とは随分違うんだな。」と。

地獄の沙汰もなんとやら。



キャブストライキ2

2007年10月22日 | Weblog

  イエローキャブのストライキ第二弾が決行された。
ニューヨーク市が発表した、GPS装備の義務付けに反対するものだ。

ニューヨークのタクシーはどこを走ったかの記録を市に報告することが義務付けられている。ドライバーは用紙に書き込んで、終業時に提出する。この事務処理を自動化し、能率を高めるために車にGPSを積んで、情報を直接コンピュータ処理しようと言う事らしい。

問題は取り付けの費用、車両の所有者が負担するのだが、これはたいがいがタクシー会社で、その費用は結局ドライバーへの車のレンタル料金に転嫁される事になる。

乗り合わせたドライバー氏にきくと、一日のレンタル代はおよそ百ドル。ガソリンは自分持ちで、一日最低十時間は運転して(たいていはもっと長い時間)良い日でだいたい百五十ドル残る(しか残らない)。ストレスのせいで精神に障害をきたす人が後を絶たない、「ヒドイ仕事だよ。」と、半ばあきらめたような口調で話してくれた。

最近、後部座席にテレビが取り付けてあるタクシーが目に付く。コマーシャルがガァガァ流れていて不快なことこの上ない。「一体コレは何なの?」と聞くとクレジット・カードのマシンと一緒につけられたとの事。そのクレジット・カード決算も、カードを通した後でマシンがうまく動かないと言って現金を要求し、小金をだまし取るドライバーがいるらしい。小額の事なので、客も面倒くさい手続きを嫌がってあきらめるのがほとんどだと言う。

いやはや・・・。