岩切天平の甍

親愛なる友へ

反戦デモ

2003年02月15日 | Weblog

2/15/03
マンハッタン1st Avenue/51st Streetに会場が設けられ、米国によるイラク攻撃に反対するデモ集会が開かれた。
主催者発表で20万人の参加者があった。
今日は東京を含めた世界中で同じような集会が開かれ、ロンドンでは主催者発表で200万人、警察発表で75万人の参加者が、米国内でも120都市で集会があったそうである。
参加者の語る言葉は私の言い尽くせぬ不満を共有し、大変心強く感じ、そして
米国人にそういった考えはとうてい期待できぬと思っていた不明を改めた。
ここがニューヨークだからということもあるかもしれないが、米メディアによる世論の傾向や支持率などの数字も実際街で感じる空気と大きな隔たりがあるように感じる。自分もまた米政府によるプロパガンダに騙された一人かもしれない。
多くの場合、政治を行う者の動機や論理がその批判者の論点と根本的に次元を異にすることが殆どの為、こういったデモ行為が実質的にどれほどの効果をあげうるのか疑問をもっていたのだが、おそらく個人の小さな勇気から始められたこの運動が、ここまで大きく育ち、どうにもならないと思っていた戦争を止めようとしているのを見て、ただ論じるだけで何もしようとしなかった自分の狭い考えを恥じ、かつ嬉しくおもった。そう、何もしないよりはずっとましだ。
人はすばらしくもなりえるものだ。
それにしてもかつてのジョンレノンは、ボブディランはどこへ行ってしまったのだろう。日頃社会に疑問を投げ掛けているラップのヒーロー達は何をしているのか。ダイアナ妃が死んだときには歌ったエルトンジョンはこういう時には歌わないのか?ミスターニューヨークのデニーロは?芸術家とは基本的に反体制でなければならないと考えている私には人々に大きな影響力を持ちうる彼等の沈黙は不思議な事だ。
日本に関しては言わずもがなである。サムライは何処へ。

パウエル演説

2003年02月06日 | Weblog

2/6/03
国連でパウエル国務長官によるイラクの大量破壊兵器査察に関する違反の証拠の提示と演説が行われた。
米国による盗聴テープと衛星写真がその主なもので、これらのものはここ数週間の分析により証拠とされたということである。
どれも信頼するに足りず、説得力に欠ける。
捏造といえばその可能性も否定できない。
それにもかかわらず、メディアは演説の成功をうたい、世論は動く、
得意のパフォーマンスである。
翌朝のニューヨークタイムスはまるで米政府の広告のようだ。
イラク代表のいかにも困惑したような表情の写真の掲載は、編集者の悪意による意図的な選択があまりにもあからさまで、見る者を苦笑させる。

国連の査察団が活動している時に兵器を隠していた活動をつかんでいた
と言うが、仮にそれが事実であったにしても、なぜ米国はそれらの情報をもっていながら査察団に協力して、査察活動の効果を上げようとしなかったのか?
提示されたような情報を収集する能力があるのなら、隠された兵器の移動された場所もわかるはずである。査察がうまくいって戦争が回避されては困る事でもあるのか?これでは米国による査察の妨害も同じことである。いったい米国は本当にイラクを武装解除したいのか、それともただ戦争がしたいだけなのか? 何故誰もこの重大な犯罪とも言えることについて疑問をもって米国を追求しないのか?