岩切天平の甍

親愛なる友へ

それでも私は反対します

2003年03月20日 | Weblog

アメリカが攻撃を始め、反戦の雰囲気が急速に弱くなりつつあるのを感じています。始まってしまったのだから、もうやめることは出来ないだろうし、それならできるだけ早く終わって、犠牲者が少ないほうがいい。自国の兵士達が命を賭けて戦っているのに反対するのははばかれる。といったような理由から、反対する意義を失いつつあるようです。依然としていくつもの集会が予定されていますが、次第にその規模は小さくなり、一部の心無い支持派による嫌がらせも増えるかもしれない。

そんな事を考えながら、今日僕は同僚達と22日の土曜日に行われるデモに参加するための旗を作っていました。なぜ僕はデモに行くんだろう。

昨夜、攻撃が始まった直後、僕らはタイムズスクエアでスクリーンに映し出されたニュースを見ている人たちにインタビューするために出掛けました。
会社を出るとき、少し恐かった。開戦と同時に国内でもテロが起きるかもしれない、タイムズスクエアはいかにも狙われそうな場所に思えました。が、行ってみると、ブロードウェイショウを観たあとの観光客でにぎわって、誰もそんな心配などしていない様子でした。インタビューですが、この戦争を支持するという人が半数からそれ以上といった印象で、その理由としては米政府の主張そのままか、中には「ブッシュ氏を信じているから。」といったようなものもあり、こんなことを言うと、頭から彼等が間違っていると決めつけるようでどうかとも思いますが、考える習慣の欠如か力の不足、あるいは考える事自体の放棄が少なからぬ問題としてあるのではないかと思いました。

デモはそういった人たちに疑問を持ってもらう機会になるのではないか。
結論を共有することにならなくても、せめて「何故だろう?」と思ってもらえるんじゃないか。
それに少なくともこの明らかに間違った戦争が、力によってねじ伏せられ、いつのまにか正しかったんだということに摺り替えられてしまうことは許したくない。

ということで土曜日はまた出かけることにします。
臆病な僕は、行く途中なぐられたくないので、旗はしまっておいて、みんなが集まって来たら取り出す事にします。そしてまたコッソリと帰って来ましょう。



開戦前夜

2003年03月18日 | Weblog

3/18
開戦前夜

親愛なる皆様へ、
まいど、またしても岩切でございます。
訂正です。
Stupid white men という本の邦題を「バカでマヌケなアメリカ白人」と言いましたが、正しくは「アホでマヌケなアメリカ白人」でした。本国でもベストセラーを続けております。映画「Bowling for Columbine」もアメリカのジャーナリズムから無視されていましたが、カンヌでの受賞と、ここのところのロングランとでしぶしぶアカデミー賞(これも日本レコード大賞並みかそれ以下だと思っていますが、)のドキュメンタリー部門で受賞しそうです。この本が売れていると言う事で、アメリカ人の未来にわずかな希望をみいだせると思うのは甘いでしょうかねぇ。

僕は明日の夜は開戦をにらんで支局に泊まり込みです。
アメリカが国連を振り切って、世の中が突然まるでこの戦争を認めたかのような雰囲気になってしまっています。メディアは、世論操作にやっきになっている政府の道具となって、イラクがいかにひどいことをやろうとしているかとか、世界の45カ国がこの戦争を支持しているなどという当局の一方的な発表をたれながしています。どこかで聞いたような話しですね。このまま短期決戦でアメリカのシナリオ通りにことが運んで(圧倒的な力の差があるのですから、おそらくそうなるでしょうが)ブッシュが結局は正しかったんだということになりかねない。
日本はかつて戦争に負けたからこそ学ぶこともできたけれどもアメリカは強いが故にいつまでも学ぶことができないとは皮肉なことです。小津安次郎の「東京物語」に、笠智衆の「でも、(戦争に)負けて良かったじゃないか。」というセリフがありましたね。

それにしてもCNNにでていた国防総省の「今回の戦争に『砂漠の自由作戦』か『イラクの自由作戦』という名前の候補があったが、『イラクの自由作戦』に決めた。」という話しには、あまりの無神経さに震えるようないきどおりを感じます。いったい人の命をなんだと思っているのか。

戦争が始まったら、もしできるなら、テロリストが一番ねらう時間帯だと思われる、朝8時半から9時半と、夕方5時から6時の時間帯の電車、バスは避けるようにしましょう。これは日本に住んでいる方も例外ではありません。なにせ、われわれ日本は始めから無条件でこの戦争を支持している珍しい国ですから。そんなこと国民の意志じゃないと言う人もいるでしょうが、イラクの人々は同じ事を言いながら殺されるのだからたまったものではないでしょうね。いったいどれほどの日本人が自分達の罪を自覚しているのでしょうか?
他人の命に優先する我々の「都合」とは、アメリカ人が自分のバカでかいハンバーガーが3分の2の大きさになるのがいやで他人を殺すようなものではないでしょうか。しかも3分の1は食べずに捨ててしまうのに。しかもハンバーガーだ。 ちょっと違いますかね?
はなぢが出そうなのでこのへんでやめます。
どうも失礼しました。

開戦に備えて

2003年03月17日 | Weblog
3月17日

親愛なる皆様、
こんにちは、岩切天平です。
先日、遅まきながら「Bowling for Columbine」を観ました。ついでにと申しますか
、その監督の著書、「Stupid White man」(日本でも出版されています。邦題は「バ
カでマヌケなアメリカ白人」)も読みました。
まだでしたら是非お試しください。とてもおすすめであります。
ニューヨークではサンシャインシネマと42丁目の映画館でやってます。

今日は国連でアナン氏の残念な報告を撮影していました。
大変残念ではありますが、これはかねてから予想されていた事でもあります。
アナン氏の言葉にもありましたように、この戦争は違法、つまり犯罪であります。
犯罪は行われる前に予防する努力を、始まった場合には中止させる努力を、たとえ終わったとしても、追求され、断罪されるべきだと考えます。開戦は終わりではありません。日々、正義の名において、罪のない人々の命がうばわれていくことです。これは起こってもいない危機とか国益などということを持ち出して論じるような次元の問題ではなく、はるかに重要なことです。ただの一人として殺させてはならないのです。自分の身にふりかかったらどうでしょうか。

戦争が始まった場合、いくつかの活動が予定されています。

・イラク攻撃が始まった日の午後5時
タイムズスクエアで平和行進
(夜だったら翌日)

・平和と民主主義のための行進
MARCH FOR PEACE AND DEMOCRACY
3月22日(土曜日)12時集合 平和行進
ブロードウェイ、38と42の交差点

http://www.unitedforpeace.org/article.php?list=sub⊂=31
http://www.internationalanswer.org/campaigns/emerg/index.html

開戦後のテロの可能性に備えて、
緊急時の避難経路および避難先、電話などが断たれた場合の連絡方法、非常持ち出し等について御家族やお友達と相談されることをお勧めします。

米政府はイラク人だけでなく自国民も殺そうとしているのです。