一雨/ひとさめと読もう

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09月19日(火)
故きを温めて新しきを知る (13)
40年間温めてきた読み
 前稿で,温故知新という言葉を使ってひとつのカテゴリーにしていると書いたが,この読み方に関して世間ではあまり使われない読み方を他の2つとともに40年以上温めてきている。
温故知新(ふるきをあたためてあたらしきをしる。)
子音(しおん)
一雨(ひとさめ)
 
 

 温故知新:温という漢字はあたたかい,あたためるの意味を持つ。そしてあたためるは大切にするという意味が含まれる。故きは古きに通じ,古きものが価値がなくなったのではなく,便利とか経済性とかの何らかの原因であたらしきものに移り変わってきた。しかし,新しきものに人命にかかわる問題がでてきたとき,原因究明にはかなりの時間がかかることもある。思い切って古人の生活形態に戻して過ごしたとき,問題が徐々に緩和されてきたならば,それこそあたらしきものが発見されたと見ていい。たずねる程度では通り過ぎてしまって発見に結びつかないかもしれない。じっくり温め,大切にしての方に軍配があがることが多いのではないか。
 子音:昔受験のため予備校に通っていたことがある。英語には相当通じた学者で創立者の老先生から受けた講義では,aiueoは母音(ぼいん)である。力強い発音の因子でこれはぼいんでよい。しかし,それ以外の,おんは柔らかく発音するもので,「しおん」という。しおんというひびきがいい。しおんと読みなさい。こんな調子で洗脳された。

 一雨:ラジオでもテレビでも天気の話題ではアナウンサーもひとあめと発音される。「西の空が暗くなった。こりゃひとさめくるわ。干しもん取り込まなきゃいかん」「ひとさめくれば涼しなるに」こんな言葉が母の口からいつも聞いて私は育った。ひとあめでは涼しくならない。春雨,氷雨などをあめと読んだのでは歌にならない。
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