映画技法

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10月25日(水)
IT・マルチメディア関連のカタカナ語と略語ABC (35)
ショット・アングル・キー
 業界用語というのはその道に生きている人は毎日使っている言葉であるが,ときにそれを素人に向かって発せられると,こちらは聞き返したり,定義をあらためて聞かざるを得ない。ショット・アングル・キーなど聞いても,普段,別の意味で使っているからあきらめるかしっかり勉強しなおすかの選択に迫られる。例えば,カメラのアングルすなわち角度と聞くと,どこに角という図形ができるのだろうと考えてしまう。「角とは1点から引いた2本の半直線でできる図形」と定義され,私にはこれが当たり前の使い方なのだ。普通の人には答えられない定義である。メディア講習会ではこれらの言葉を説明できるように課題が出された。答をノートに書いてもいつかは埋もれてしまうので,データベースとしてのブログに簡潔に書いてみた。

ショットとその種類 ショットはカメラと被写体の距離に関係する言葉である。望遠レンズを使うとこの限りでない。
1 超ロングショット 叙事詩映画に使われる
2 ロングショット 劇場の舞台と観客の距離
3 フルショット 人の頭から足まで入る
4 ミディアムショット 人の膝から上が入る
5 クローズアップ 顔だけ入る
6 超クローズアップ 目や口だけ入る

アングルとその種類 アングルとは被写体の目の高さから見てカメラの高低位置を表す言葉である。
1 俯瞰ふかん視点 頭の真上
2 ハイアングル クレーンか高台の位置
3 アイレベル 登場人物の目の高さ
4 ローアングル 低い位置
5 斜角 カメラを傾けて撮影

キーとその種類 証明のスタイルで基準になる明るさをキーという
1 ハイキー コメディーやミュージカルなどに明るく
2 ローキー ミステリーやスリラーなどにぼんやりした光
3 ハイコントラスト 悲劇やドラマなどに明暗くっきり
4 ハロ効果 頭上から照明
5 逆光照明 シルエットをおぼろげに浮かびあがらせる
 
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相似関係

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09月14日(木)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (33)
ディスプレーの解像度
 
 パソコンのディスプレーに名前がついてることは素人の私には知る由もなかった。1ヶ月前頃にそれを知った。XGAをWebで調べてみても面倒な数字ついていて,諺「目の不自由な方のグループが像を撫でる」感を免れない。それぞれ適当な大きさに仕上げたんだと思っていた。今の私の知識に至るまでにこんなのがあれば一瞬のうちにディスプレー事情を知れた。

名称横(ピクセル)縦(ピクセル)横縦比
VGA6404804:3
SVGA8006004:3
XGA10247684:3
SXGA128010245:4
UXGA160012004:3
WUXGA192012008:5
 ・ディスプレーには6種類があって,画素数の異なるごとに違う名前がついている。(普通の品ならSMLの区別程度なのに何とおおげさなことをするのだろう)
・横縦比が4:3を標準として,一部異なるものがある。(こういう原理であったのか。数字に親近感を抱くようになったのがこのときである。しかし,テレビで見るディスプレーの中に縦長のがあってあれは何に使うのだろうと思うとき,素人は知らなくてもいいという疎外感を抱いてしまう。)
 私のパソコンはXGAディスプレー(横1024ピクセル)であるが,字が小さいので設定変更して,横800ピクセルにして使っている。ところが,ディスプレーの知識を得てから,画素は一定であって,1024が800に減るのは変であると思い続けている。先生に尋ねても問題視されず,1個の画素を2個で表せば可能と答えていただけたが,後で思い返してみると,2:1の縮小ならばそれでもいいが,1024と800ではそんな単純に解決できないとまた悩み続けていた。

 1024で表示されたアイコンが800ではでかくなっている。そこでいろいろ考えた。 1024の画素があるのに800しかないという嘘のいいわけはどこでやってるのだろう。
1024:800を簡単にすると
1024=210=25・25
800=23・102=25・52
よって,1024:800=25:52=32:25
つまり,右の図のようなことであろう。こんな解答を考えてみた。
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救命技能をもらう

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09月09日(土)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (32)
バイスタンダーの責任
 
 消防署内の消防本部に119番でつながる。救急車お願いします。携帯電話では地域の特定ができないらしく,あわてて伝えるべく場所を言わないまま電話が切れてしまって一命を落としたこともあったらしい。しかし,携帯が便利になれば固定は解約してしまうことは必至であるし,救急が必要な場合は固定電話から遠い所のことが多い。こんな話が応急手当講習会であった。

 講習の内容は心肺蘇生法の実習と電気ショックを与える機械の使い方を経験してみることであった。心肺蘇生法の手順が長いのではじめての場合は各ステップを見てても覚えられない。2,3度目の経験のある方はスマートに進むのであるが私はマニュアルを見ながら,アドバイスを受けながらやるのであるが,それが全体の中のどの位置づけかもわからず,真似事で終わった。これでは本番で,助かる人もこんなバイスタンダー(居合わせた人)では助からない。
 電気ショックを与える機械は最近公共の施設で設置されるようになった。AEDという名前がついている(写真手前)。これは覚えておく必要がある。実物に触ってみると名前を覚えられる。これは心臓をはさんで2箇所にパッドを貼ると,コンピュータが心臓のリズムを調べ,停止のときは使うに及ばずという使用不要の音声アナウンスが初めから終わりまである。これが製作者のうたい文句であろうが,あわてているときは聞き取れず,初めてのときは”専門用語”が出てきてわからない。これが実感である。たとえば,テキストに書いてある。AED音声「ショックが必要です!充電中です。患者から離れてください。」充電とはどういうことなのか。常識ではこの文章がわからない。

 コンピュータが判断して電気ショックを行うか行わないか判断する。しかし講習では人形の実験体だからショックを行わないに決まっている。だから,上の音声は出てこない。だから尋ねるチャンスもない。実際は「循環のサインがありません。」という指示が出る。音声で”ジュンカン”と聞いて,すぐに血液の流れとわかる人は医療の専門家でないと何をいってるかこれもわからない。こういうギャップを埋めるのが講師なのだが,何回もやってる方だから,かえって説明不足になる。この歳になるとそういう足りない所がよくわかりるのはどうしてか。わかるべき事がわからず,わからなくてもいいことがわかる。帰りにもらった終了証には「救命技能を有することを認定します」と書いてある。えらいものをもらってしまった。
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類語辞典は必要です

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09月08日(金)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (31)
インターネット博物館
 
 データベースの話をして,シソーラスの使いみちはあるのかないのかという疑問に答えず4稿目を終えたが,これは必要ということを証明したい。インターネット上の博物館や美術館を訪ねると背景に美しい画像や写真が動いたりする。どこに文化財や美術品があるのかわからない。大抵,催し物の案内やら交通アクセスが目立つだけである。

 よくよく調べてメニューをクリックして探して歩くと,研究という項目にぶつかる。その中にデータベースという言葉がでてきた。やっと目的地に着いた。その中の検索画面という案内をクリックして出てきたものが以下の画面である。これは「国立歴史民俗博物館」の検索画面である。

 何ともいい難い砂を噛むような気持ち。無味乾燥。我慢して見ていくと,順に「フリーワード検索」ボックス内に検索語をいれ検索ボタンを押してください。その下も同じく,資料名称,コレクション名称をいれ,検索ボタンを押してください。しかし入れるものがわからない。
 唯一の頼みは「検索語例」である。開いてみると,ひとつの資料のページのフィールド(項目)の言葉が出ている。
	【資料番号】        A-24
	【資料名称(漢字)】    朱印状
	【資料名称(カナ)】    フクゲンモケイ
	【コレクション名称(漢字)】中国古鏡
	【コレクション名称(カナ)】モノガタリ
	【指定】          国宝
	【数量】          27
	【法量】          13.30
	【材質】          土
	【実物・模造】       模造
	【尺度】          模1 : 1原
	【製作年代】        弥生時代
	【使用地】         村上遺跡
	【備考】          差出
ここから得られる助けは「朱印状」「古鏡」「弥生時代」「村上遺跡」の4語くらいである。これだけではイメージに合う「宝物」は発見できそうにない。

 シソーラスというのは同義語を集めたものである。普段その道に通じていなければ出てこない言葉の集大成である。博物館を見学するには言葉を用意して出かけなければ収穫はない。美術館もしかり。それぞれに合う用語の辞典がシソーラスである。必要性を感じている。 
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こんな辞書誰が使うの

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09月06日(水)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (30)
シソーラスという言葉辞典
 データベースから検索するとき使うキーワードは頭の中で探さなければならない。例えば,Webサイトという超膨大なデータベースから可愛い犬を見つけたいとするとき,キーワードに「犬」を使っても出てくるサイトの数は何千万もある。猫でも同じように多い。こんなとき,始めの方に出てくるページを参照することになるが,犬にはいろいろな犬を含んでいるので「ペット」としての犬に絞って検索してみる。あるいは猫と一緒に出ている犬を検索してみる。

 こういう風に関連語を思いついてはキーワードにするとき,ペットや猫は犬に対して関連語,哺乳動物は広義語,小犬は狭義語という。上の数字はGoogleの検索結果のヒット数であるが,これだけの数のページが出てくるようなデータベースは全文検索といって,本文に出てくる用語を全部見つけ出し,その数を示しているだけであって,実際のページ数ではないし,目的の情報の数を示しているわけではない。犬の例は言葉の関係を説明するために示したもので,実際の博物館のデータベースから必要な資料が欲しいといった場合,多くは1件も見つからないといった方が当たっている。そのために,関連語,広義語,狭義語というものを使って検索する必要が出てくる。
 文化財のように現代にはない,どのように使っていたかわからないものを以前見たけれども思い出せない。イメージだけは覚えているといった場合,関連語などの言葉の一覧表があればキーワードを思い出せるかも知れない。あるいは,江戸時代の商人の帳場で使っていたノートのようなものがこの博物館にあるか調べたいとき,「ノート」以外の言葉で登録されているかもしれない。そんな時,ノートと関連する言葉が分かれば,検索できる。実は「あるんです」そういうものが作られています。これを「シソーラス」といって,データベース検索に便利なものが内外でできています。

 
 シソーラスとはひとつのディスクリプタに対して,英語,広義語(BT),狭義語(NT),関連語(RT)をならべ,さらにその用語がどのような枠組みをもっているか説明したもので,探したい概念を表すキーワードを簡単に見つけられるように工夫されている。出版数は少ないので15,000円はする。
犬 
  dog 
  BT 哺乳動物 
  NT 小犬 
  NT 子犬 
  NT 野良犬 
  NT 野犬 
  NT 山犬 
  NT 盲導犬 
  RT ペット 
  RT 猫 
  RT 小動物 
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キーワードのつけかた

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09月05日(火)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (29)
共通語を使わせる音頭とり
 
 データベースから検索するとき使うキーワードとはメタデータに使った各名前であるが,1年もたてば,表題の名称や提示資料名を忘れてしまうかもしれない。また自分ではこの表題が適当と思っても他の人は別の言葉で表現する可能性がある。他の言葉でも探し出せるようにしておくために,さらに言葉を用意してつけておく気配りが索引語といわれるものである。

 索引語は本の末尾につけあるあれであるが,安い新書本にはついてないので,その本を参考書や種本として,後で使おうとしてもできない。そんな本にはポストイット(付箋)を始めに読むときつけておかねば後の祭りである。読む前に索引があるかどうか確かめておくのが本の読み方の技術のひとつである。索引語はそれくらい重要な役割を担っている。
 索引語を自分で選んでつけるにも問題がある。他の人には役に立たないかもしれない。そのため,専門家の間では統制されたものと,地名や物品名のように自由なものと2種類を使うことになっている。前者をディスクリプタ(descriptor),後者をアイデンティファイヤ(identifyer)と呼んでいる。しかし,ディスクリプタをどこかで配布しているかというとそうではなく,その道の研究者が作ったものが出回っているというのが現状である。インターネット上で手に入れることはできない。実際に見てみると,特に変わったルールなどなく,常識的に選んであるから,言葉に長けた人ならば思いつく言葉ばかりである。この写真の属するカテゴリーを「郷土・歴史」とすれば,それを実際に以下に書き出してみるので納得いただけるものと思われる。

(グループ) 索引語
歴史資料 公文書,私文書,古文書,手紙,記録,古地図,資料保存,武器,本
年中行事 占い,祝詞,進行,歌,子守唄,民謡,花火,神酒
史跡 城,水路,用水,窯跡,遺跡,古墳,池,旧役所,家屋,田跡,堀,伽藍,梵鐘,庫裏,筏,運河,筧,宿場,街並み,輪中,戦場,寺神跡,碑,鉱山,鉄道,水道,郵便,考古
遺物 宝物,寺宝,神宝,神仏像,武器,民具
寺社 伽藍,塔,神事,社寺,民間行事,名刹
街道 巡礼街道,住還道,運搬道,塩の道,薬の道,道場道,道標
文化財 重文,国宝,古典,仏像,神像,県市町村指定,寺社宝,宝物庫,記念施設,民俗資料,茶華用具,石造物
産物 郷土料理,名物,刀,焼き物,水産物,地物,作物
偉人 造像,偉人,武人,文人,僧,神人,指導者
風習 民間風俗,迷信,タブー,呪い,御守り,地搗,魔除け
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データベースも恐くない

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09月04日(月)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (28)
メタデータ化のいざない
 
 もともとコンピュータはデータを入力して,内部で計算処理した後出力させる機械である。これがメインフレームとして大成し,この機能が小さなパソコンでもできるようになると,われわれ一般人は既存のソフトでアルバムの整理もするようになった。しかし,新たに写真を撮って保存するならば,活用を考えてデータベースの基本技術は身につけておくことが必要と考えるようになった。

 保存しておきたいものを原資料と呼ぶならば,それを紹介する二次資料をメタデータという。これを作ることがデータベースを構築することなのだ。前稿でも載せたこの写真のあるがままの状態(風景)が原資料ならば,メタデータはこれを説明する「奈良県橿原市」という場所,「歴史」という分類上の内容分類,「1940年」という駅が建築された時代または年,「教育」という利用分野,「畝傍駅」という表題名称,「プラットフォーム」という提示資料名。そして簡単な説明文をつけたものとこの写真のファイル名である。
 さてここで気になることは原資料とは何か。この駅のプラットフォームそのものなのか撮った写真なのかということである。たいていの方は前者をさして言うのであるが,われわれの目的は現在を保存するということだ。この駅舎がなくなればこの写真は重要な資料であり,原資料になる。だからこの写真のことをデジタルアーカイブという。

 こうしてたくさんのメタデータが集まると,今度はそれを取り出すためには,キーワードを使って検索できるようにしなくてはならない。たいていわれわれの今までの書類整理やアルバム整理というのは捨てるか残すかの整理で終わっていた。活用がいまいちであった。データベースの構築はこの活用までできる一連の作業が伴う。キーワードとはメタデータに使った各名前であるが,1年もたてば,表題の名称や提示資料名を忘れてしまうかもしれない。他の言葉でも探し出せるようにしておくために,さらに言葉を用意してつけておくところまでする。詳しいことは次回に書こうと思う。
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カメラを遊ばせている人へ

上段:投稿日 中段:カテゴリ 下段:サブテーマ ブログナンバー: 91
    
09月03日(日)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (27)
データベース化のいざない
 
 時の流れは人を待たずに物をすたれさせ新しいものを生み出していく。ものの売れ行きはへの字型に推移し,への字を書き終える前に企業は再び新製品を開発する。人々の作る環境も年々変わり,気がついたときには再び見ることはできなくなっている。最近アーカイブ化が叫ばれるようになった。文化財のアーカイブ化はすでに進んでるが,「現在」にはまだ手がつけられていない。

 昔と同様に現在もアーカイブの対象であるという価値基準が生まれてきた。例えば,風景,街並み,人々の生活スタイルさらに放送番組からWebページに至るまで,これらを保存し,後世に残すというフィールドワークが生まれてきた。国内外でWebページの古いものをきちんと保存する業務をもつ企業・団体もある。
 われわれ市民はどうすることがその動きに乗っていくことができるのか。やたらと写真を撮ればいいわけでもない。撮ったものを整理整頓する技術を少し勉強しなくてはならない。勉強は今日ではあたりまえで,何をするにも勉強してから着手するものである。株を買うにも勉強が必要であるが,金銭に余裕がないので株の勉強はする気がない。現在を対象とする勉強はあまり金はかからないので皆さんにもお勧めできる。

 整理整頓の技術とは,教育・文化・産業等での活用のためにひとつの写真を撮ったとき,場所,内容分類,資料名,撮影日,登録者,索引語,説明などをつけて保存しておくことが基本技術である。これだけなら簡単と思われるが,内容分類ひとつとっても初めのうちは大変である。何通りに分類したらいいのか,それは全国基準なのか,ローカルな基準なのかという疑問が出てくる。索引語となると何を当てたら良いか。これもしっかり勉強しなくてはできない。今日はこれくらいにして次回に具体化して書こうと思う。
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1+1=10が困り者

上段:投稿日 中段:カテゴリ 下段:サブテーマ ブログナンバー: 79
    
08月21日(月)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (26)
コンピュータは桁あふれをどうするか
 
 コンピュータを考えた人も大変な問題に直面しただろう。人間ができないどんな計算もできると思ったら,意外にも人間ならできるがコンピュータにはできないものがある。電卓でおわかりのように8桁電卓なら答が9桁になる”たかが足し算”ができないのだ。人間なら紙に書いて10桁の足し算くらいは1分以内にできてしまう。

 1バイトは8桁で表せるから,表現できる負でない整数は途中飛ばしであるが,こんな風になる。 00000000,00000001,00000011,00000111,00001111,00011111,00111111,01111111,11111111
十進数では, 0,1,3,7,15,31,63,127,255
これらに1を加えるとどれも桁数はひとつ増える。
00000001,00000010,00000100,00001000,00010000,00100000,01000000,10000000,00000000
十進数では, 1,2,4,8,16,32,64,128,0
255は256にはなれず0になる。
今度は10をかけるとどうなるか。
00000010,00000100,00001000,00010000,00100000,01000000,10000000,00000000,00000000
十進数では, 2,4,8,16,32,64,128,0,0
かけた10は十進数でいえば2を意味する。10をかけると何進法でも数字の位置がひとつ左へ移動する。このことを左へひとつシフトするというらしい。逆に10で割れば右へ1だけシフトする。
 マイナスの数はどうするのだろう。-1010101は見たことがない。コンピュータは0か1しか記号を持たないから,プラスを0,マイナスを1と決めたらどうか。8桁しか使えない整数を負の整数まで広げると,桁をひとつ減らさなければならない。-1を表すのに,11ではおかしい。1をつければいいわけではない。1をつける桁位置を決めておけば負の数であることがわかる。11111111は最初の1がマイナスを表す数で7桁の数と考えればいい。するとこれは十進数で-127ということになる。すると11111110は-126,順に減らしていくと10000001は-1,10000000は-0で+0と同じとなる。しかしコンピュータにとって,10000000と00000000とが同じとは面白くない。計算を間違えそうだ。なんとかして欲しいと叫びが聞こえてくる。

 コンピュータは11111111に1を加えると容赦なく00000000にしてしまう。1を加えて0になる数? これは-1ではないか。同じように,11111110に10を加えるとやはりコンピュータは0にしてしまう。読みかえれば2を加えてる0になる数は-2であるといえるから,8桁で考えたとしても,11111110は11111111より1だけ小さいすなわち-2としよう。これで辻褄が合う。こうして,コンピュータは,-2,-1,0,1,2の整数を 11111110,11111111,00000000,00000001,00000010
の如く理解し,桁あふれの部分が-1から0になるという形で解決したのである。最小の7桁の整数はー128(10000000)で最大の整数は127(01111111)となる。10000000は8けたでは128を表し,符合つき7けたでは-128を表す。話がうまくできすぎていると思う。
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11×11=11は合ってますか

上段:投稿日 中段:カテゴリ 下段:サブテーマ ブログナンバー: 78
    
08月20日(日)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (25)
サブネットマスクの役割を知るべきか
 
 前にIPアドレスのことを書いて,サブネットマスクのことは触れられなかったが,この技術というよりアイディアは日常でも使えそうな原理である。例えば受験参考書の重要語句には赤インクが使ってあって,そのままでは赤く見えるが,赤い透明シートを乗せると赤が消えてしまう。このシートがサブネットマスクである。

 IPアドレスはLANの中のホストにつけた名前であった。例えば一二三三六ひふみさんろくという名前があったとする。このとき苗字と名前の境界線は書いてないから,”いちにささむ”と読んでもよい。IPアドレスもホストの苗字と名前をあわせつけたものであって,苗字にあたる桁と,名前にあたる桁が並んでいるが境界はわからない。32個数字がならんでいて,最初の28個を苗字とすれば残りの4個は名前を表す。これを人が見てわかるように改良した書き方が,
202.219.10.0/28
である。しかしコンピュータやルーターたちはこの式を理解できない。彼らには単純な原理で複雑なことをさせなければならない。単純とは,0と1が合計何個という決まった個数ずつで処理させることであり,複雑とは短時間にたくさんの処理をさせることである。
 ルーターで処理をすることのひとつに,パケットのあて先からネットワークアドレスを読み取らせることである。どうすべきか。わかってることは,ユーザーが指定したあて先IPアドレスとルーティングテーブルに書かれたネットワークアドレスとそのサブネットマスクである。このネットワークアドレスとは各LANに割り当てられた複数のIPアドレスの最初の番号のことで,LANを代表するアドレスである。これがルーティングテーブルに並んでいる。パケットが来たら,パケットのIPアドレスにサブネットマスクをかけて(掛け算)ネットワークアドレスを割り出す。
例:10101010×11111111=10101010
例:10101010×00000000=00000000
表にあるネットワークアドレスと一致するまで参照し続ける。

 これを実際に数字で示すと次のようになる。202.219.10.0はこのLANに与えられた最初のアドレスすなわちネットワークアドレスである。この下に左から28個1を並べ,4個は0を並べる。これがサブネットマスクである。4けたずつ区切って10進数に直すと,255.255.255.240となる。
Aさんの結果は始めのネットワークアドレスに一致し,Bさんの結果は一致しない。一致するネットワークアドレスがひとつだけ見つかったときパケットは次のルーターを発見する。そしてまた旅が始まる。サブネットマスクはコンピュータにとっては虎の巻である。
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