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TAZUKO多鶴子

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西田幾多郎著…『善の研究』

2008-12-11 | TAZUKO多鶴子からの伝言
   <知と愛より>

 我々が物を愛するというのは、
 自己をすてて他に一致するの謂である。
 自他合一、
 その間一点の間隙なくして
 始めて真の愛情が起こるのである。
 我々が物を愛するというのは
 自分が花と一致するのである。
 月を愛するのは
 月に一致するのである。
 親が子となり子が親となり
 ここに始めて親子の愛情が起こるのである。
 親が子となるが故に
 子の一利一害は
 己の利害のように感ぜられ、
 子が親となるが故に
 親の一喜一憂は
 己の一喜一憂の如くに感ぜられるのである。
 我々が自己の私を棄てて
 純客観的
 即ち
 無私となればなる程
 愛は大きくなり深くなる。
 親子夫妻の愛より
 朋友の愛より
 人類の愛にすすむ。
 仏陀の愛は
 禽獣草木にまでも及んだのである。

  ……西田幾多郎著『善の研究』より……
  ※(発行者:山口昭男・岩波文庫)※



TAZUKO多鶴子は
西田幾多郎の見事な上記文章の結論が
永遠に変わることのない
『真の美』と確信している。