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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

[オボエガキ] お客様の期待

2005-06-08 | オボエガキ
今日は某お客様の所へ営業に出掛けました。このお客様は、某他社との競合となっていることから、以前の提案ではまだ満足できない点があるとのことで、その点を加えた再提案を持っていきました。今日の提案自体は気に入っていただいたのですが、提案書の内容をみて、先方責任者である専務から「コンサルティングへの期待」について次のような話がありました。

専務の考える「コンサルティングへの期待」とは
(1)まず、従業員の士気を高める
(2)その上で、従業員の行動を変える
の2点だそうです。まず、一人一人の従業員の気持ちを呼び起こさなければ、どのように仕組みを変えたり、教育をしたりしても、その効果は限定的なものであるというお考えでした。

その上で、専務は当社の提案について「(2)は強いが、(1)は弱く感じる」、一方、競合している某他社については「(1)が強くて、(2)は弱い」と感じているとのことでした。
経営者である専務の目からすれば、(1)が先で、(2)はその後に行うことで最大限の効果を発揮すると考えているとのことでした。これは、「熱い鉄を打つ(=2)」ためには、まず「鉄を熱くする(=1)」ことが必要であるという、ごく自然な考え方だと感じました。

今回の提案内容はこれまでの経緯上どうしても(2)中心でした。このため、今回は残念ながら、競合の某他社が先にコンサルに入る形になりそうな見通しです。しかし、専務から(1)が終わった段階で再びお声がけいただけるお話を頂きましたので、営業としてのある程度の成果は得られたのではと思います。あとは、先方の専務と人間関係を切らさないような工夫をしていくことが大切になります。

先に述べたコンサルティングへの期待は、いわゆるオーナーカンパニーの経営者が共通して持っているものであると感じました。そうとすれば、今までの提案に加え、今後は「鉄を熱くする」ことも兼ね備えた提案に変えることで、きっとこれまで以上の成果が得られるでしょう。経営者の思いに少し近づけたと感じた今日の営業でした。