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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

[マネジメント] 脱「なぜなぜ」

2005-06-03 | マネジメント
コンサルタントがよく行うアドバイスとして「なぜなぜを3回(5回)繰り返しましょう」というのがあります。表面に現れている問題の真因を突き止め、有効な対策をとるために必要不可欠といわれています。

しかし、私は最近この「なぜなぜ」思考法を使わないようになりました。なぜなら、「なぜ?」という質問は「とっても難しい質問」と感じるようになったからです。

「なぜなぜ」を使う場面は、たいてい問題がある=何かうまく進んでいない時です。すると、「なぜ」という質問は、「なぜ、うまくいかなかったのですか?」となります。

では、この質問を受け取った時、その人の「思考の方向」はどこを向くでしょうか?上記の質問を見ると、時系列では「過去」を向いています。さらに、上記の質問は「否定」が組み合わさっています。このため、思考がネガティブになっていきます。すると、「過去をネガティブ」に考えるわけですから、どうしても「そうなった責任」に目が行ってしまいます。そして、「上司が・・・」「部下が・・・」「お客が・・・」「景気が・・・」というように、他に責任転嫁してしまうことになりがちです。こうなるといくら「何故」を繰り返しても、他へ他へと目が行ってしまい、真の原因に行き当たることはありません。

では、どのようにすればよいのでしょうか?。その答えは、例えば「これからなにができる?」のような「未来」を「肯定」するような質問で考えるように頭を切り替えることです。

思考の切り替えは次のステップで行うことが出来ます。

  1. まず、「何が起こったんだろう?」と「過去」を「事実で確認」します。

  2. そして、いくら考えても過去は変えられませんので、過去の事実を「しゃぁないなぁ」とありのまま受け止めてしまいます。(なぜ?を考える必要はありません)

  3. その上で、「うまく進めるために『私のできること』はなんだろう?」というところから考えます。

  4. 思いついたら、「他には?他には?」と展開していき、いくつかのアイデアを出していきます。

  5. これを何度か繰り返すと、「自分がこれから出来る選択肢」がいつのまにか現れています。



上で紹介した「うまく進めるために『私のできること』はなんだろう?」は、「未来」+「肯定」、さらには「私」を向いています。すると思考の矢印は「自分で未来を拓いていく」方向になり、様々なアイデアが浮かんできやすくなります。そして、いくつか思いついたら、その中で今出来ること、良さそうだなと感じることから始めていけばよいのです。

「なぜなぜ」で考えた原因が「真因」になっているかどうかは誰にも分かりません。それよりも、大切なのは「うまくいかなかったら、少し変えてやってみる」ことだと思います。皆さんもぜひ試してみてください。