


タイトルの言葉を説明しよう。
『韜晦(とうかい)』
自分の本当の姿・能力などを包み隠すこと
(さりげなく、したたかに主張する知恵)
就活生には難しいかも?
高度な大人の技術だよ。
昨日のブログで紹介した白洲次郎が
「終戦連絡事務局」参与としてGHQとの交渉に当たったのは
彼が43歳の時です。
★★★
GHQ民生局長のホイットニーから
「あなたの英語は、大変立派な英語ですね」
と言われて白洲が答えた。
「あなたも〝もうすこし勉強すれば〟立派な英語をしゃべれますよ」
(おまえの英語と一緒にするな!)
★★★
ケンブリッジ出身の白洲が身につけた英語力もさることながら
こういう大人の切り返しから、ちょっと学んでみよう。
~~
普通のレベルの受け答えならばストレートに
〝私はケンブリッジで英語を学びましたので〟
また文句をいうならば感情的に
〝そんなことを言って人をおだてるな!〟
~~
こういう言い方と、何が違うのか考えてみよう。
◆私には予定があります。
以前読んだ、アメリカ人が解説したマナー本で
『相手から〝よい一日をお過ごしください!〟と挨拶されたときの返事』
というのがあります。
そこには〝イギリス流の返事〟というのが紹介されていました。
★★★
イギリス人を気取るならこういう返事をしてみよう。
〝あなたも良い一日を!でも私には別の予定がありますので〟
解説:さりげなく、したたかなイギリス式の自己主張
(あなたが考えている良い一日の過ごし方と、私の過ごし方は違うのだ)
(だから私には今日、あなたと別の予定で過ごすのだよ)
(つまり、あなたと私は生活レベルの〝階級〟が違うんですということ)
★★★
※
アメリカ人にとってイギリス流の返事の技術は
〝勉強しないと身につかない〟ものらしい。
〝イギリス独自の階級社会の差別〟という微妙な問題は置いて
ここでは
『自分は自分であり、他人とは違うものなのだ』
という自分の個性や自己主張の表現技術として
アメリカ式のストレートな自己主張よりも高度な
イギリス式『控えめで婉曲な自己主張』を学んでみるのも
いいかもしれない。
こういう表現は学ばないと難しい。
だから少し高度な大人の韜晦術です。
◆面接の自己PR
面接の自己PRというと
・何か変わった特技・特徴で注目されるもの
・うまくしゃべれること
という認識の人も多いと思います。
ここはもう少し大人の見方を学ぼう。
会社の仕事は組織で動くもの。
そして会社における個人の個性は
職場や顧客との関係性で推し量られるものだから
組織の中で控えめに自己主張できることが
実は一番大切な自己PRのポイントなのだと理解しよう。
★★白洲次郎〝イギリス流・大人の韜晦術〟★★
彼が43歳の時
ただの反骨精神だけではなく
イギリス流のさりげない自己主張で
自分の誇りを見せつけたように
私も
さりげなく自己主張してみせよう。
よい週末を。
ただし私には別の予定があります。
(就活生とは、確かに違う社会人の忙しさ!)

大人の流儀をこなす年齢なのだなと感じているこのごろです。
↓
『もし一人しか採用されない場合には、そういう控えめな態度では逆効果なのでは?』
回答します。
モデルやタレントのオーディションの場合と、就活の採用とは『採用スタンス』が違うという認識でいてください。
たしかに一人しか選ばれないオーディションの場合は自己PRでの差別化は欠かせません。
その場合は積極的な個性PRが効果的でしょう。
ところが
たとえ厳選採用といっても『一定の複数人員』をする新卒採用では
『集団の中での個性・自己主張が適性かどうか』という視点から自己PRを見ることが多い。
したがって自己PRのあり方が違ってくる。
ここをきちんと認識しておこう。
現実の話をしておくと
内定者はよく『自分は会社から徹底的に選別されて認められたのだ』と思い込んでいても
採用側から見たら『複数の内定者の一人にすぎず、採用基準を満たしただけのこと』という醒めた意識でいます。
こういう認識ギャップが入社後に
〝自分が会社から認められていない・思った仕事・希望した仕事に配置してもらえない〟
という温床にもなっています。
特に優秀な学生にこのギャップは多いです。
最初から全部を認められて、すぐに仕事ができる世の中は少ない。
案外に不条理な部分もあるという現実を知って、なおそこからうまく乗り越えていくのが大人なのだと思うよ。
応援しています!
韜晦術について調べているんですが、ここがHIT。中々情報が無いんですよね韜晦は。支那語でないとないんですかね?
韜晦には八種あるそうですが、管理人さん日本語の文献でこんな本があってわかりやすく書いてあるよ^^ なんてのあったら教えて頂けませんか?
2011年のブログ記事ですが、2013年でもまだまだコメント頂けて光栄です。
なんとか調べてみますので宿題にさせてください。分かり次第こちらで回答してみたいと思います。
※※※2013.4.3現在のリサーチ結果です※※※
sssさんの「八種類ある」という件は・・たぶん中国語で書かれた「韜晦術」というタイトルの、この本のことなのではないかと思われます。
↓↓↓
商品名: 韜晦術-天下无謀之密巻八書
価格: 2290円(税込.送料無料)
商品コード: THS0341229
編著者: (明)楊慎 著 楊明剛 訳
出版社: 黄山書社
・楊慎(1488-1559:明代の文人)の書いた本を現代語に訳して解説した本らしい?
・翻訳ソフトを使っても内容がよくわからず><
・一般的に韜晦術という言葉を使う場合、ある種の「自己演出の技術」を指していることが多いので、そういう内容だろうと思うんですが。
・日本語版は無いらしい。
・韜晦に関する日本語の文献、・・ありそうな気がするので探します☆
自分が見つけた八種と言うのはここのURLのページで
ttp://www.tianhuaculture.net/gb/xinxifabu_922g.html
やっぱ日本語ではありませんでしたか。手強い。。。(アマゾンには無かった)
※※2013.4.6手がかりです※※
『韜晦術』では検索が難しいので・・韜晦という言葉と内容に関してヒントを見つけてみました☆
『韜晦無露圭角』
韜晦して圭角を露(あらわ)す無かれ
才能は包み隠したほうが良い、という意味の言葉で出典は「宋名臣言行録」
この言葉と「宋名臣言行録」で検索すると、日本語の本や解説がたくさん出版されていました☆
「楊慎の韜晦術8種類」という本を理解しようとするとき、「宋名臣言行録」の解説本がヒントになれば幸いです☆☆
この件は今後も調べたいと思いますので中国語専攻の人や、中国古典に詳しい人、からの情報お待ちしています。
韜晦の件、さらに追記です。
(ずっと調べてます^^)
よく調べてみたらtarebonがご質問の意味を少し取り違えていたようです><
文芸評論の世界で使われている「韜晦」という言葉と、ご質問の“「韜晦術」の「韜晦」”は同じ漢字ですが意味が少し違うようです。
※※※4月7日のご報告※※※
以下のサイトを見つけました。
ttp://inchworm.jp/notes/2182/
サイトより
~・~・~
現在の中国では、小平による「韜光養晦トウコウヨウカイ」路線(自分の才能をひけらかすことはなく、アメリカと協力しなければならない)は現実に合わないと考えられている。「韜光養晦」は、英語の原文ではhide your light under a bushel, co-operate with the United Statesとなっていて却って理解しやすい。
(中略)
小平の路線を示す言葉は「韜光養晦、有所作為」である。その意味は「能力を包み隠して力を蓄え、力に応じて少しばかりのことをする」であり、通常韜晦の2文字で表される。韜とは、弓や剣を入れておく袋のことで、晦は人目に立たず隠れた状態を意味する。
~・~・~・~・~
“韜光養晦”を略した、戦略用語としての“韜晦”の意味なら、有名な孫子の兵法のように何種類かの“韜晦戦術”があるということになります。
この意味の韜晦術という表現で、具体的な兵法パターンがあることを解説した日本語の本がありますか?ということなのだと分かりました。
tarebonのブログ過去記事では文芸評論的な使い方で「韜晦術」という言葉で“就活の自己PRでは、才能をあえて隠すという「大人の知恵」を身につけてみてはどうかな”ということを書きました。
「韜光養晦の省略として使われる中国のマキャベリスム的な韜晦術」とはちょっと違う使い方をしています。
ということで、「中国のマキャベリスム的な韜晦術」の日本語文献ですが・・。
本屋さんの国際政治のコーナーにありそうですよね!?
国際政治や戦略の専門家からの情報お待ちしています☆
後はイギリス流のを勉強見てみます。
どっちの韜晦も面白そうで為になりそうですね。
少し時間が経ってしまいましたが・・・韜晦術に関する日本語の文献を見つけました♪
ということで追記レポートです。
(もしかしたらブログ記事で掲載するかも?)
↓↓
加来耕三「交渉学」~相手を読み切る戦術~
時事通信社1999年初版
たとえばこのような記述がありました。
※※※
いわゆる韜晦
これこそが最もポピュラーな、処世術といえるかも知れない。
韜晦ノ術は、とりわけ難しい「縦横学」の技法である点を肝に銘じ、よほどの度胸や自信、演技力がなければ、用いぬほうが無難であるかもしれない。
加えて、もう一つ、韜晦術には大切なことがある
(以下略)
※※※前掲書から
諸子百家の異端とも言われる鬼谷子(きこくし)の縦横学について主に書かれた本です。
この本のなかに、韜晦ノ術についての古典事例がいくらか紹介されています。
tarebonもこの本を見つけて読み始めたばかりなので、まずは取り急ぎ紹介まで☆☆
2013.5.7