岩国遊廓跡の調査を終えた私はJR岩徳線・散畠(さんばた)第1踏切を渡った。何も貼られていない掲示板が近くにある。この辺りは新小路下自治会に所属しているらしい。


戦前の西岩国駅通りに出るやいなや、大きな音がした。何とサンダル履きの女性が万歳状態で道路中央に倒れているではないか。心配になった私は彼女に声を掛けた。
「お母さん、大丈夫?」
「あらやだ。恥ずかしいところを見られたね。すっかり足腰が弱ってしまって…でも大丈夫よ。この通り血は出てないし」
起上がった彼女は照れ笑いを浮かべた。残り時間の少なくなった私はガンチュウへの最短ルートを聞いてみた。
「ガンチュウへ行くの?勝田薬局さん分かる?」
「ええ場所は分かります。さっき見て来たから」
「じゃーねー。薬局の先を左折して暫く真っ直ぐ歩いて行くとガンチュウが見えるわ」
「ありがとう。気をつけて下さいよ」
親切なお母さんに見送られ通りを東に進む。彼女の言う通り薬局の先から小道が北方向にのびていた。



戦前の西岩国駅通りに出るやいなや、大きな音がした。何とサンダル履きの女性が万歳状態で道路中央に倒れているではないか。心配になった私は彼女に声を掛けた。
「お母さん、大丈夫?」
「あらやだ。恥ずかしいところを見られたね。すっかり足腰が弱ってしまって…でも大丈夫よ。この通り血は出てないし」
起上がった彼女は照れ笑いを浮かべた。残り時間の少なくなった私はガンチュウへの最短ルートを聞いてみた。
「ガンチュウへ行くの?勝田薬局さん分かる?」
「ええ場所は分かります。さっき見て来たから」
「じゃーねー。薬局の先を左折して暫く真っ直ぐ歩いて行くとガンチュウが見えるわ」
「ありがとう。気をつけて下さいよ」
親切なお母さんに見送られ通りを東に進む。彼女の言う通り薬局の先から小道が北方向にのびていた。

