出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

全国紙で本の紹介!

2005年08月02日 | 宣伝
先週トーハンの新しい「返品センター」説明会に行ったので、それについても書きたいのだが、返本の話ばかりじゃ暗いので後日にする。

本日は明るい話題。

以前、全国紙の記者から著者への取材依頼が来たといって、興奮してブログに書いた。気の早い話で乾杯なんぞもしちゃったんだが、なんと本日記事で出た!

著者への取材というのは本当に取材で、記者の方には書きたいテーマがあった。要するに、「本だけの話じゃない」ときちんと最初に断りがあったのだ。でも、いろいろ頼みたいところをグッと我慢して、取材に立会い、その後もあまりうるさくコンタクトとかしないで待っていた。取材をもとにした記事は7月の頭に掲載されていた。

待つという行為が正しいかというと、おそらく営業やPRの人なんかには怒られちゃうんだろうと思う。でも、非常に礼儀正しい記者だったので黙ってた。

先週の頭に、本の紹介を近いうちに載せますと連絡があった。おそらく2週間後くらいで、前もってハッキリ掲載日がわかるというので、ワクワクして待っていた。よし、連絡が来たら書店営業だ、取次にも行こう!

・・・と、なんと先週の金曜日に「来週出ます」と電話がかかってきた。

社会面の記者だったので書評にねじ込むことは無理で、取材の礼はとりあえず自分が載せられるところに急いで…ってことらしい。「くらし」面。

えっ、準備期間が…と思って「ずいぶん急ですね」と言うと、「お待たせしちゃったので」という返事がきた。取材から本の記事が出るまでが長かったので…ってことらしい。

金曜日の夕方に連絡が来て、本日火曜日の掲載。

こんな大チャンスの活かし方なんかもよくわからないし、なにしろ日数がなさ過ぎるが、とりあえず書店向けにファックスした。近いところは「直納可」と書いて送った。

土曜日の午後、書店営業に行ったがすごく反応が悪くて、めげてしまった。

「昔は朝日なんかに出たらスゴク売れたけど…」なんて話をよく聞くが、やっぱり新聞に出たって売れないと思われてるんだろうか。(朝日じゃなくて読売なんだが)

そんなこと言ったってうちレベルじゃ、「スゴク売れ」なくても「1冊でも多く」売れてくれれば嬉しい。だけど、扱ってもらえなかったら、本当にお客さんの取寄せ注文しか期待できない。

「いいんだ、金かけずに全国紙に出るんだから!」とか「10冊は売れるだろう」とか「でも書店になければ諦められちゃうよな~」とか、頭の中はいろんな考えがぐるぐる。

期待するようなしないような変な気分で、本日を迎えた。なんと朝9時に電話が鳴る! 大阪から問い合わせ。

ファックス営業で来た注文と「おみくじ」分を持って納品に行って帰ってきたら、他にも問い合わせ電話があったとのこと。午後も、ちょろちょろ「直接買いたい」という電話が入った。

微妙である。

わけわからない商品と違って本は本屋で買える物だから、うちに電話なんかせず書店へ行ってくれたと考えるべきか。それでもやっぱり「じゃんじゃん電話が鳴らない」のは、よろしくないと考えるべきか。なにしろ初めての経験なのでわからない。とりあえず、今後の動きを期待することにする。

ところで新聞見て電話するような人って、「新聞見て投書するような人」と同じグループっぽい気がする。アナログというかアナクロというか、「アマゾンでパッと注文する人」じゃない人たちだ。

でも、実はそういうのが嬉しい。「これからの出版はどうあるべきか」なんて全然考えない「棚ぼた取次口座」のうちとしては、この「本に関する情報の、昔ながらの伝わり方」みたいのが、なぜかじわじわと嬉しい。

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