遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(459) 小説 いつか来た道 また行く道(19) 他 責任

2023-08-06 12:28:09 | つぶやき
             
  
           責任(2023.7.30日作)


 
 
 人にはそれぞれ
 その立場に於ける 責任 というものがある その
 責任を全うし得た時 人は
 人としての役割り 務めを果たし得た
 尊敬に値する人 となる
 地位 職業 職種 等によって
 人の価値 名誉は 決定されるものではない
 世俗的に高い地位 職種にあっても その
 役割り 務め 責任を全う出来ない人間は
 世俗的に低いと見られている職種 地位の  
 責任を全うし得た人より 人としての価値 評価は
 劣るものとなる
 何気ない事柄 仕事に於ける責任の全う
 人に於いては最も大切 重要な事




            ーーーーーーーーーーーーーーーーー




           いつか来た道 また行く道(19)

  

 

 わたしは中沢の手からシャワーの器具を取ると、すぐに彼の髪に水の細い糸を浴びせ掛けた。
 中沢は耳を押さえ、前屈みになったままで不平も言わなかった。
「眼をつぶっていてよ」
 わたしは中沢と戯れでもするかのように弾んだ声で言って、すぐにシャンプーをふり掛けた。
 そのまま髪に指を入れ、力を込めて洗い始めた。
 わざと大量にふり撒いたシャンプーはたちまち泡立って中沢の頬を流れ落ちた。
「なんだ、そんなにいい匂いでもないよ」
 中沢はうつむいた姿勢のままで期待に反したかのように言った。
「これで洗ってリンスをするといい匂いがするのよ。だから珍しいのよ」
 わたしは言って委細かまわず、なおも中沢の髪を洗いながらわたしの行為実行の機会を探った。
 シャンプーの泡はさらに中沢の頭から盛り上がって、顔の側面を流れ落ちた。
 中沢はそれが眼に入ったのか、手で拭った。瞬間、この機会だ、とわたしは思った。
「ちっょと待って。そのままでいてよ。今、乾いたタオルを持って来るから」 
 わたしは中沢のうつむいた姿勢を見守りながら素早く立ち上がった。
 急いで浴室の入口に戻り、先程、用意して置いたタオルにくるんだ鉄亜鈴を手にした。
 中沢を振り返るとそのままの姿勢でいた。
 わたしは声も掛けなかった。中沢の背後に忍び寄るとタオルにくるんだままの鉄亜鈴を両手で握り、そのまま一気にうつむいたままでいる中沢の後頭部めがけて振り下ろした。
 狙いは違(たが)わなかった。両手に伝わる感触は鈍かったが、それでもタオルに包まれたままの鉄亜鈴は芯に堅さを残していて、その重さが中沢の頭部に決定的な打撃を与えていた。
 中沢は声を上げる事もなかった。僅かに息を呑むようなうめき声を上げただけで一瞬、体を硬直させ手足を小さく震わせたが、次の瞬間には腰掛けていた台を跳ね飛ばしてタイルの上に崩れ落ちていった。
 崩れ落ちた後は身をもがく事もなかった。
 わたしはそんな中沢を見つめたまま、呆然と立っていた。
 自分が何をしたのかさえ、その瞬間には分かっていないようだった。
 やがて、浴室のタイルにうつむいた姿勢で横たわり、もはや身動き一つしなくなった中沢の首の辺りから少しずつ、白いタイルを伝わって広がって来る血の色がわたしの眼に飛び込んで来た。
 その血の鮮明な赤色(せきしょく)を認識した時、わたしは初めて我に返って自分のした事の重大さに思い至った。
 だが、わたしに後悔への思いはなかった。これは、わたしが綿密に計算し、計画した事だ、この後の始末をどうするのか、これからまだ、大切な仕事が残っている。
 自分に言い聞かせてすぐに次の行動に移った。
 まず、タイルの上に顔を横に向けて白目を剥き出し、横たわっている中沢の口元に手のひらをかざして呼吸を確かめた。
 呼吸はなかった。
 微かな満足感 さえ覚えて、これで良し ! と呟いた。
 そのままタオルに包まれた鉄亜鈴を持ってトレーニングルームへ行った。
 タオルから鉄亜鈴を取り出すと元の場所に戻した。
 タオルは証拠品となるのが怖いので、中沢と一緒に埋めてしまおう。
 浴室に戻ると改めて横たわる中沢の傍に立ち、わたしより五センチ近くも背の高いこの肉体をどうして運び出したらいいんだろう ? と思案にくれた。
 取り敢えず、裸のまま引きずって広間へ運び出す事を考えた。
 それから後は ?
 どうやってこの広い敷地の中の人目に付かない白樺の林の一番奥まで運んで行くのだ !
 長い思案の果てにソファーに座らせ、それから中沢の肉体を背負い、運び出そうと考えた。
 中沢の口から流れ出した鮮血はもう止まっていた。
 横たわった中沢の体を少しずらし、シャワーで血の跡を流した。
 乾き切っていなかった血はそれで流れ落ちた。
 次に横たわる死体の両足首を持って広間のソファーへ運んで行く・・・・その時わたしは、大きめのバスタオルを敷いてその上に中沢を載せる事を考え付いた。
 裸の肉体を運ぶよりは幾分でも床の上を滑りやすくなるのでは。
 それに床自体も汚さなくて済む。
 わたしは更衣室へ戻ると大型のタオルを一枚引き出した。
 それを手に浴室へ戻ると入口にタオルを敷いて早速、仕事に掛かった。
 一メートル七十センチを少し超える中沢の肉体は思いの外、重量感を感じさせなかった。
 もともとやせ型だった上に、なお、やせたように思えるのは麻薬のせいかなのだろうか ?
 皮膚にも肉体にもわたしが知り合った当初よりは大分、衰えが見えるような気がした。
 タオルに載せて引きずった肉体を居間にある一番近くのソファーまで運ぶ仕事は順調に進んだ。
 次にはこの血の通わない肉体をソファーに座らせる作業だった。
 まだ、柔らかさも暖かみも残しているとは言え、死んだ人間を直に自分の胸に抱え込む作業には少しのためらいを覚えた。
 でも、ためらってなどいられる場合ではない、と自分に言った。夜が明けるまでには一切の仕事を片付けてしまはなければならないのだ。
 気持ちを奮い立たせて横たわる中沢の死体を抱え起こし、そのまま抱き上げた。 
 よろめきながらもどうにかソファーに座らせる事が出来た。
 座らせると同時に中沢の肉体は力なく片側へ崩れてソファーの肘掛けで支えられた。




             ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




               takeziisan様


                有難う御座います
               美しい自然の数々 今回も満喫させて戴きました
               それにしても山の写真 随分 撮っていますね
               富良野の自然 うっとりしながら拝見していました
               日本のこの狭い国土の中 こんな場所もある
               まるで外国の景色を見ているようですが やはりそれでも何処か違う
               あの広大な国土の国 アメリカ辺りの景色とも違う
               日本独特の潤いを帯びた景色ですね 富良野美瑛は           
               最も訪れてみたい場所の一つですが それも今では夢の中の事です
               百日草は前回も拝見しましたが懐かしい花です 
               子供の頃 友達と種を分け合って栽培した
               最初の思い出の花です 丈夫で 栽培し易いですよね  
                朝食前の収穫 その気力に感嘆です 
               まだまだこれからだ これから峠の七曲り という唄がありますが
               この暑さの中 熱中症には御注意下さい
               それにしても扇風機で涼を取る  当地では無理です
               まるで蒸し風呂の中です 気持ちが悪くなってきます
               やはり 自然が豊かなんですね 雑木林の公園 蝉の声
               当地では蝉の声も聞こえなくなりました 大きな道路一つ隔てて           
               それなりの公園もあるのですが 蝉の声も聞こえませんし
               ツバメの姿を見る事も無くなりました 以前は
               それなりに見たり 聞いたりしたものですが
                この暑さの中 どうぞお体にお気をつけ下さい
               有難う御座いました 楽しいひと時でした
 

コメントを投稿