原題:『Runner Runner』
監督:ブラッド・ファーマン
脚本:ブライアン・コペルマン/デイヴィッド・レヴィーン
撮影:マウロ・フィオーレ
出演:ジャスティン・ティンバーレイク/ベン・アフレック/オリバー・クーパー
2013年/アメリカ
既にタイトルに負けてしまっているギャンブル映画について
タイトルになっている「ランナーランナー(Runner Runner)」とはプレイヤーが何の役も持っていない状況からターンでドローになってリバーで役を引き当てることで、要するに非常に確率が低い「一発逆転」のポーカーの手法なのであるが、本作のオチがタイトルほど見事とは言えない理由は、主人公のリッチー・ファーストがビジネスパートナーとして組んだオンライ・カジノの運営会社のトップであるイバン・ブロックが、地元コスタリカの有力者に対する見かじめ料をケチって、納めに行ったリッチーが暴行を受けることも予想できたほどの確信犯として利益に対して細かかったはずなのであるが、何故かリッチーがその「裏金」を自由に使えてしまうからタイトルに見合うことなくストーリーが緩くなってしまっており、特別リッチーが全力疾走することもなく、映像が弾むこともない残念な結果に終わっている。
作品の中盤、リッチーが自分たちのビジネスに取り込もうとして、高額の配当を吹っかけてきた投資家のシェッキーに対して、罠を仕掛けて身ごもっている妻を持つシェッキーを騙して仲間に加えるのであるが、ヨットの中でシェッキーが頭を抱えて後悔している意味が最初によく分からない原因は、証拠となっている隠しカメラの映像にモザイクがかけてあったからで、もちろんこれは監督の問題ではなく、日本の映倫の問題である。