MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『アサシンクリード』

2017-03-27 01:34:17 | goo映画レビュー

原題:『Assasin's Creed』
監督:ジャスティン・カーゼル
脚本:マイケル・レスリー/アダム・クーパー/ビル・コラージュ
撮影:アダム・アーカポー
出演:マイケル・ファスベンダー/マリオン・コティヤール/ジェレミー・アイアンズ/アリアン・ラベド
2016年/アメリカ・フランス・イギリス・香港・台湾・カナダ・マルタ

ヴィデオゲームの原案と続編の狭間に置かれた作品について

 やはりヴィデオゲームを原案としているためなのか、どうもストーリーに粗が目立つ。例えば、主人公のカラム・リンチは死刑囚だったのであるが、リンチの祖先であるアサシン教団のDNAのおかげで高度な身体能力を駆使してルネサンス期のスペインに赴きテンプル騎士団たちと「エデンの果実」を巡り死闘を繰り広げるのである。
 ところがラストでリンチの才能を開花させて「エデンの果実」の在りかを見つけたアブステルゴ財団のCEОのアラン・リッキンと娘のソフィア・リッキン博士たちは施設内で起こった反乱に乗じて、その処理を警備団に任せてヘリコプターに乗って逃げてしまうのであるが、あれほど身体能力の高いリンチを生きたまま残してしまったら復讐されることは目に見えているはずで、ストーリーに説得力が無いのである。これがヴィデオゲームを原案にしたせいなのか、続編制作を前提にした甘さなのかは微妙なところではある。
 母親を父親に殺害された過去を持つカラム・リンチの孤独な戦いに付きまとう寂寥感が、『マトリックス』(ラナ・ウォシャウスキー/リリー・ウォシャウスキー監督)を想起させるほど良かっただけに惜しいと思うのである。


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