MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向う側へ!』

2014-01-30 22:37:35 | goo映画レビュー

原題:『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』
監督:錦織敦史
脚本:錦織敦史/橋龍也
撮影:田村仁/加藤伸也
出演:中村繪里子/長谷川明子/今井麻美/仁後真耶子/浅倉杏美/平田宏美/木戸衣吹
2014年/日本

演出とリンクする物語の「ユルさ」について

 『映画けいおん!』(山田尚子監督 2011年)ほどではないにしても、765プロ所属のアイドルたちが合宿までしているのに、その成果が少女の成長としてうまく表現されていない理由は、例えば、主人公の天海春香たちが、自分の才能に対して自信を失って失踪してしまい、ストレスによる過食で太ってしまった矢吹可奈を河原沿いで見つけ、逃げる加奈を追いかけるのであるが、暫くして望遠から橋の上を右から左に移動する加奈は、やがて彼女たちの声を聞きつけた別のメンバーたちが橋の左側から現れて、挟み撃ちに遭い、逃げることを諦めるシーンに見受けられる。不思議なことにその後、右から加奈を追いかけていた天海が左のグループに紛れ込んでおり、ジブリ作品ではありえないミスを犯してしまっているのであるが、要するに「芸事」の詳細よりも努力しているアイドルの健気さこそが本作の売りなのであり、ラストの、実写ではありえないコンサートのカメラワークこそ気にして観るべきなのであろう。


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おむつのサンドラ・ブロック

2014-01-30 00:00:44 | Weblog

NASA激怒「おむつ着用が真実だ」 オスカー候補「ゼロ・グラビティ」(産経新聞) - goo ニュース
ドラマ「明日、ママがいない」が大炎上!あえてやっかいな問題に斬り込んだ日テレに「正義」はあるのか?(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

 この記事を読んで違和感が沸き起こる原因を勘案するならば、日本テレビのドラマ

「明日、ママがいない」と同様の非難が向けられているからで、フィクションとして

制作されているものに何故「リアリティー」を求めるのか理解できないからである。

例えば、『アポロ13』(ロン・ハワード監督 1995年)ならば実際に起こった

事故なのだから現実に即して描く必要はあるだろうし、マイケル・ベイ監督の

『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(2011年)ならば最初から

荒唐無稽であることがわかっているからNASAは協力したのであろうが、

『ゼロ・グラビティ』も荒唐無稽として扱えばいいものを、「現実に即していない」

という理由で非難されているのである。「明日、ママがいない」の場合ならば、

施設の子供がいじめられるという懸念が生じる可能性があるということは

理解できるが、いまだに一般人が宇宙に簡単に行けるわけではないのだから、

誤解が生じて宇宙旅行に支障が生じるという懸念は杞憂であって、この作品を

自画自賛する映画人が「内輪の人々」と形容されるならば、この作品をペテン

として非難する宇宙飛行士や宇宙科学者もいまだ「内輪の人々」でしかない。

おむつを穿いたサンドラ・ブロックという絵柄は「SM」として正しくても「SF」

として観るならば笑いがこみあげてくるはずで、共通認識が無いためにそれは現実

として正しくても作品のジャンルとして正しくなくなってしまうだろう。


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