古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

夜と陽炎   耳の物語2  開高健

2018-01-25 13:33:40 | 開高健
新潮文庫  昭和61年8月。


自身の体験をもう何度目かになるだろう、開高師匠の



口からきいたような錯覚に陥る。



その物語は、いつもぎりぎりのところにある自分から



語られた。そこにはいつも耳があり、耳によって触覚と



もとれる鋭敏な感覚でもって、ベトナム戦争も釣りも体験



されたようだ。戦争も釣りも闘いであるのか……平和と戦争


と対峙しているようで、極限においての経験という立脚地


にたてば、そこにはなにかしら共通点も見えてくるようで


ある。



そこには開高師匠がいて、耳があったということではないか。



たしかに、僕もそこにいたような気になってくるから、その



説得力たるや本物である。



手にやんわりと汗がにじんでいる自分が読後にいるのだった……。




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