古民家ギャラリーうした・古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣の古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

脳震盪    鶴岡 卓哉

2020-11-01 10:20:22 | 詩・ポエム


太陽の中心に飛び込んでいく


ボクはコンガリ焼けて、黒いダイヤモンド


下の先に真珠の輝き、味に精彩


混迷のビルの谷間にヌーの群れ


タバコの煙りに神経質なヒップスター


知らないうちに狂っている深夜二時の蜥蜴

雷鳴に怯えるボクの恋人

音の先端にとまっている鷲の嘴


完全なる文章に打ちひしがれるボクの飼い猫



閉鎖したスーパーマーケットに侵入し、トイレを借りた


運動体を拒絶し、地蔵に敬礼


回転してゆく、メリーゴーラウンドの馬に鞭打つ


ジュースの砂糖を抽出、そして珈琲に入れる


ボクは走りながら、くるくるくるくる回るのだ


君の指の間から、蜂蜜の甘さ


ものまね鳥の精緻な森進一のものまね


死んでいる……死んでいるのだ


ボクの器官はすべて死に絶えて


新しい脳と共に生まれ変わるのだ!

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帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。   高山みなみ 

2020-10-31 10:01:59 | 本の紹介

文春文庫    2001年

 

フランス映画のようなタイトルに思わず手に

 

とって、買ってしまった。

 

この前、テレビでご自分の台所を紹介していて

 

、その喋り方が妙に心地よく響いたのだ。

 

まだ料理家、文筆家として、デビューする以前の

 

不安でたまらない、どうしようもない日々を日記

 

形式で綴っている。

 

ボクもやたらと下積みが長く、未だに下積んじゃ

 

ってるんで呆れるばかりだが、世に出ていく人は

 

出ていくものなのだな。

 

おいしそうな料理やドリンクが巻末にカラーでのっ

 

ている。

 

ボクはいつでも腹をすかせている、そして、食うた

 

びに、どんなことがあっても生きていこう、と思う

 

おれっちだった。……合掌。

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セブンティーン     鶴岡 卓哉

2020-10-30 11:20:22 | ポエム

雷雨にうたれたボクの血走った目玉

 

避雷針のような感覚のボクの魂

 

舌の先に浮かぶヘーゼルナッツの粒

 

音の中に隠されたキーワードに踊るボクのまつ毛

 

最近、ボクの心臓は打つたびに死を呼び込む

 

あの頃のようなボクのステップが雨の中に浮かぶ

 

多分、明日は来ない、という確信……ボクにはわかる

 

硬くなるこんにゃく状のボクの血液の跡

 

海に行く、と言い残して、公園で死んだ、ボクの友人

 

ただ冷たいものが飲みたかったセブンティーン

 

色濃く残る虹の跡にボクの思想を描く

 

壊れたICチップにボクの文字が投射

 

打ち寄せる波頭にコインのようなキラキラ

 

ボクは沈みがちな頭でボーっとして

 

ボクは狂ってしまった……と呟いた

 

それから二十年ボクは彷徨し続け

 

トランキライザーでラリった頭で

 

君に手紙を書くんだ……

 

愛している、と……

 

 

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むらさきのスカートの女   今村夏子

2020-10-29 09:44:45 | 小説の紹介

朝日新聞出版   2019年

 

何年かたっていると思ったが、まだ一年前の

 

話しだった。第161回芥川賞を受賞した作

 

品がこれである。

 

文学ってものの懐の深さがわかる。文学では

 

いかようにも受け手によって作品が違ってく

 

るし、評価も違ってくる。それでいいだろう。

 

それこそが文学なのだ。

 

読んでいる途中は、どうもこれは、と思って

 

いたが、読後感はおもしろいにかわっていた。

 

読みやすいし(実際、改行が多い)、文章に

 

リズムがあるので、とんとんとんという感じ

 

で読み進めてしまい、気づいたら読み終わっ

 

ていた。といっても、古本で手に入れたのだ

 

が、読まれてはいなかった事実がイタイが。

 

買うことはするが、読むには至らなかった

 

本ということか、でも、僕はおもしろかっ

 

たけどね、僕はね、ぐわし……合掌。 

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ルアー投擲     鶴岡 卓哉

2020-10-28 12:40:50 | ポエム

ケツのイボが痛むんだ

 

全く下品な奴らだ、と呟き

 

澄み渡った青空の下でビールを呷るとき、地獄のような音がして稲光が落ちた

 

女には傷跡のような妊娠線があった

 

それでも止まらない沸き起こる欲望と尽きることない情愛

 

死んでその恩に報おうとしたが叶わなかった

 

タバコは吸いすぎてはならないが、僕は吸いすぎている

 

自動筆記を習おうと思ったが、既にやっていた

 

狂った滅茶苦茶なダンスで女を昇天させた

 

人に優しくすることで酷く傷つけられた

 

ラリっていると、階段から転げ落ちた

 

鎖骨を折ってしまったが、死ななかっただけマシだ

 

パンツの中でパンダがバナナを食う

 

緑色の欲望が今日も僕を急襲する

 

そしてBBQ恐怖症の僕を連れ出し

 

ルアーを投げながら、釣れん、という言葉を

 

投げかけるんだ

 

それが、どうしたっていうんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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