古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

砂をつかんで立ち上がれ   中島らも

2022-04-20 14:36:27 | 中島らも

集英社文庫   2003年

 

らも氏がジャイアント馬場フリークであったように、ぼくもらも

 

フリークである。今も、たまに未読のものがでてくると読んでい

 

る。

 

お笑いは差別から生まれる、という。そうか、ぼくがお笑い芸人

 

が嫌いな理由はそこいらへんにあるのだな、と分かった。テレビは

 

差別の宝庫であるという。ぼくは差別がほんとに嫌いだ。おまけに

 

笑うことがあまり好きではない。おしゃべりな人も基本嫌いである。

 

という理由から、ほんとに芸人は嫌いなのだ。

 

本人はシュールレアリストだ、といっているし、シュールな作品や

 

作家をたくさん知っていて、読まれていたらしい。さすが灘高、岩高

 

出身のぼくとは違うな、と恐れ入る。

 

同じだな、と思ったのは読んだはしから忘れていくところ。ぼくも最近は

 

けっこう読んだら忘れてしまうかも。インパクトのある作品は数十年た

 

っても忘れないけど。大抵、忘却の彼方へ。この本はいい本でしたよ。

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もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵    椎名誠

2022-04-18 22:34:26 | 小説の紹介

本の雑誌社   1979年

 

20年くらいまえにレンタルビデオ屋でこの「もだえ~」の映画を

 

みたことがある。シーナ氏がどれくらい関与していたのかしらない

 

が、そのころみた多くの作品をわすれてしまっているのに、この

 

作品をおぼえているということは、インパクトはあったってこと

 

だろう。その当時、ぼくはその作品がシーナ氏が原作だとしらな

 

かった。めぐろ・こおじにいたい目にあわされ、そのしかえしに

 

活字中毒者のめぐろ・こおじを味噌蔵に一か月くらいとじこめて

 

しまう、というはなしだ。はじめ、毛なめ、という風土虫の描写

 

がうんこの山だとおもった。ちなみに、この本の活字は小っこす

 

ぎて、としのわしにはちっとばかしつらかったので、はんぶんく

 

らいしか読めなかった。「もだえ~」はけっこう短めの短編であ

 

った。

 

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魯山人味道   北大路魯山人

2022-04-17 19:57:23 | 本の紹介

平野雅章・編     中公文庫

 

料理はばかじゃできないらしい。料理で生きていこうっってひとには

 

かっこうのテキストになるかもしれない。

 

新鮮な魚、いい素材をつかわないと、どんな料理人をもってしても、

 

おいしいものはつくれない、そりゃそうだろう。いい、とおもったのは、

 

戦前のひとにあるような欧米至上主義ではない点だ。調味料や出汁の

 

とりかたが多のは、素材がだめだからだ、という。日本は素材が一級品

 

であるから、素材の味をいかせばいいのだ、という。

 

昔、つとめていた広島駅弁は大きな会社ではあったが、だめな会社で

 

あった。つぶれそうな店の一生懸命原価計算ばかりして、一向に味を

 

よくしようという向上心がなかった。米もまずかったし、お惣菜は

 

三流品で、人もよくなかった。まあ、そこにつとめていたんだから、

 

なんともはや、ですな、チーン。

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超私小説の冒険        赤瀬川原平

2022-04-15 02:13:54 | 本の紹介

岩波書店        1989年

 

私小説とは、自分のことを書いているが、故、思いがけない

 

ことが起こり、それが小説のような置きにいっている球と違

 

い、荒れ球でおもしろいのだ、という。

 

まあ、とんでもなくむずかしいこと、という程のことでもない

 

のだけれど、文字にするとどうしてもむずかしくなってしまう

 

もののようだ。

 

トマソン的思考についても、考現学として、一章分で説明している。

 

不忍池のボートの男女比率を書いた図にえらく感動したりしている。

 

おもしろい、と。ある病院の下駄箱の中身というものを紹介している

 

ぼくもこういう私小説の原石的なものは面白いと思いますね。

 

最小限という話もおもしろかった。最大限というと宇宙の果てだが、

 

最小限は自分の中の中だというんだね。すき間が人間にはいっぱい

 

あって、押し潰すと髪の毛くらいになるんだそうだ。ほんとだろうか

 

いやいや、信じるのは甘いよ、この本自体がフェイクってことも

 

あり得る。......合掌。

 

ある病院

 

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宿六・色川武大      色川孝子

2022-04-14 00:47:23 | 本の紹介

文春文庫    1990年

 

いとこ同士で結婚した奥さんの孝子女史の武大氏との日々を

 

描いたエッセイ。

 

引っ越し魔らしくて10回はしたという。それも武大氏は一切

 

手伝わないらしい。武大氏はナルコレプシーって奇病で幻覚とか

 

突然眠ってしまったり、すごい疲れたりするらしい。

 

「狂人日記」は拝読したけど、それは恐ろしい幻覚をみるらしい。

 

辺りではけっこうへんなことが頻繁に起こっていたらしい。特に

 

奇妙だと思ったのは、日に四回、大便が流されずにあって、それが

 

孝子さんでも武大氏のでもない、という話。考えてみると、こんなに

 

怖い話もない。いや、やっぱり武大氏は色んな意味で天才だったん

 

だろうよ。......合掌。 

 

 

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本をつんだ小舟        宮本輝

2022-04-12 01:02:59 | 本の紹介

文春文庫     1993年

 

他の宮本作品は読んではみたものの、ことごとく挫折して

 

しまって、この本はどうか、と思ったのだが、最後まで興味

 

深く拝読した。輝氏という人は苦労人で人生というものを

 

知っている。読書がただのたのしいだけではないこともしっ

 

ている。ぼくとはえらい違いだ。ぼくはつらいと読むのをやめ

 

るが、輝氏はそこにおもしろさを見出すらしい。うーん、

 

人生とは? 文學とは? なんぞや、という問いに簡潔には

 

答えられやしない。そのために人生があり、長い長い文学の

 

本があるのだから。

 

ぼくの読書人生も小五のころに始まった。あのころは横溝正史氏

 

新田次郎氏、星新一氏などの原点ともいえる本を読んでいた。

 

井上靖氏の蒼き狼などを読んでいたが、今では読破も難しい。あの

 

ころのほうがよっぽど頭がよかったとみえる。ゆるーいゆるーい

 

方へと流れていくわけですね、人生というものは、チーン。......

 

合掌。

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くじらの朝がえり       椎名誠

2022-04-09 04:21:56 | 本の紹介

文春文庫       1999年

 

これで「赤マントシリーズ」も第11弾だという。10年つづいたらしい。

 

1999年の作品。相変わらずのうどん人生を歩んでいたシーナ氏。本を

 

よく読み、旅に明け暮れる人生。うーん、うらやましい。ん? うらやましい

 

のか? いや、よく考えてみるとぼくは旅はあんまり好きじゃなかったよ。

 

うどんも一時期、食い過ぎて高脂血症になったので、やめたら、血液も正常値

 

になった。

 

後半にでてくる「知らないほうがいい」は、そうだよなあ、と思う。たまに、

 

コロナ前だが、テレビでマスクも付けないで、料理を前にしてくっちゃべるお

 

とっつぁんがいたが、ほんとに気色悪い。それをけっこうキレイめのおねーさ

 

んが、おいしいですね、とノー天気に笑っているのを見ると吐きそうになってくる。

 

そうだよ、知らないほうが身のためだよ、と思うことも人生を長く生きているとし

 

ばしばあることだ。......合掌。 

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イフリートの復讐      倉橋由美子

2022-04-08 12:59:19 | 小説の紹介

Chapter20

 

いよいよ最後です。だいぶおもしろくなってきたと思っていたのに、

 

あっという間にラスト! 「アラビアン・ナイト」の第十二夜と

 

第十三夜を模したストーリ-らしいが、ぼくは「アラビアン・

 

ナイト」というのを読んだことがない。有名な本だが読む機会に

 

恵まれなかった。囲った女をつまみ食いした男と女の悲劇といった

 

感じなのだが、すごく暴力的だ。手首を刀で切ったり、いや、ラス

 

トを飾るのにいい話じゃないか、と思いますね。なんかだいぶ怖く

 

なってきましたよ。やっぱりこういうのは夏に読んだ方がいいよねッ。

 

......合掌。

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カボチャ奇譚      倉橋由美子

2022-04-08 11:22:07 | 小説の紹介

Chapter19

 

どこの国かはわからないが元宰相のボーブラ氏は現役のとき

 

から陰で「カボチャ」と呼ばれていた。そのうち、「カボチャ

 

宰相」は死にあの世で裁判にかけられる。結局、カボチャに

 

なることになるのであるが、これはなにかのジョークなのだろ

 

うか。

 

カボチャ尽くしのカボチャがテーマの話であった。プーチン

 

大統領はカボチャに顔が似ていると思うのだが、どうだろうか?

 

......合掌。

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無鬼論      倉橋由美子

2022-04-07 20:05:53 | 小説の紹介

幽霊などいないとする考えを無鬼論というそうだ。十組20人

 

の男女が怖い話をして、暗闇の中でなにするんだろう、と思っ

 

たらやはりスワッピングなるものだった。でも、それだけで終

 

わらないのが、倉橋女史。次々に病院に収容された異形となった

 

男女18人、この中に鬼が混じっていたらしい。鬼は精気を吸い

 

取り、男は口もきけない有様。女は......うーん、罰が当たったってい

 

うことかな。セックスして罰は当たらんか。セックスはいいが、乱交

 

はだめってことかな。ぼくはそういうことをしたことがないので、よく

 

わかりませんが、いや、失敬。......合掌。

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