古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

そして、こうなった 我が老後4  佐藤愛子

2016-03-28 21:27:02 | 小説の紹介
2001年九月



父・佐藤紅緑をもつ愛子さんが身近なことから




TVのこと、政治について、放言する、そこ




には必ずユーモアがあり、時に、笑ってしま




う。目が白内障手術して、直ぐ酷使したので、



目がシジミみたいになってしまった、という



のを読み、バカだな、と笑い、初夢勝負では、



娘さんの面白い夢に負けて、あきらめて、昔



の夢を語っている。とにかく娘さんとはいい



コンビだ。親子なのだから当然と云えば当然



か……と孫が良いアクセントになっている。



”我が老後シリーズ””第四弾。
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パリのカフェをつくった人々    玉村豊男

2016-03-25 12:53:57 | 小説の紹介
中公文庫。



その国、フランスにはお国事情により、カフェや



ブラッサリーが形成され、繁盛したり、衰退して



ゆく。洒落乙な国だから、その戦いは熾烈だろう。



フランスのカフェは衰退の一途らしいので、他人



ごとではありません。うちのカフェはどうなるの



だろう?と不安がよぎりつつ……。



その業界のひとの話しも載っているので、その心




意気、情熱が分かります。
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黒蜥蜴    江戸川乱歩

2016-03-18 16:04:00 | 小説の紹介
創元推理文庫。


云わずと知れた江戸川乱歩の代表作。



やはり頭の徹底的にいい人の文章はうまい、ということ




に尽きる。映像的に徹し、頭の中では黒蜥蜴の女賊が妖




艶に踊りだす。明智小五郎は機知に富んでいる、それが



小説を読めば自分だけのものとなる、読書体験とはこう



いうことを言うのだろう。恋愛劇もそれに加えられてい



るのだから、大人も楽しめる活劇だ。



エログロもの、人間椅子も素晴らしいが、転身してから



のこの作品も傑作です。
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人間そっくり    安倍公房

2016-03-13 11:17:11 | 小説の紹介
新潮文庫   昭和42年1月



ロジックとしての展開が瞬く間に




変転してゆくので、読んでいて飽



きが来ない。文學として、読む楽


しさと言うのがあるのは大切なこ



とである。文体は凛として存在す


る。果たして狂気は狂気を生むの



か?というテーゼを生むと思うが




果たしてその答えは如何に?。この



小説を読む限り、狂気は新たな狂気


を生むと思わざるを得ないが……。
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美味放浪記   檀一雄

2016-03-12 11:27:15 | 小説の紹介
中公文庫。




世界には数限りない料理が存在する。日本に始まり





世界へ。例えば高知ではさわち料理を食し、「ニロ





ギ」を山のように食し、札幌、函館では太宰と共に





毛ガニを買い、歩きながらしゃぶりつき、食らう。




そこには、しなを作って、グルメでございます、と




いうような感じは一つもなく、豪快そのもの、男、



無頼派、酒を喰らって、肉を喰らうである。



その土地土地の知恵を喰らう旅に僕も出てみたいも




のである。
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開口一番         開高健

2016-03-10 13:05:18 | 小説の紹介
セックス・ポルノグラフィーを論じ……ゲテモノを



どうってことないと言い、日本酒の現状(当時)の




甘ったるさを嘆き、ワインをほめ、東京に檄を送り




、忘れ物にレクイエムを送り、こいとりまあ




しゃんに吃驚する……世界のあらゆることをし尽し




て、若くして(59歳)で亡くなった開高氏の哲学を




堪能できる。
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楽文(がくもん)カフェのお知らせ!

2016-03-05 11:04:02 | カフェ、ギャラリー
明日は月に一度の楽文カフェの日です。




ベベさんは来られないので、皆さんで



作っていく回です。



ヲシテ文字に少しでも興味のある方は



参加されてはいかがでしょうか?



ヲシテ以外にも、様々な方が来られる



ので、いろいろな情報の交換ができ



ます。自由闊達な議論の場です。議



論が嫌いだという方は聴いておられ



るだけでもいいと思いますよ。




学習の場としてご活用ください。
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知的経験のすすめ  開高健

2016-03-04 14:38:37 | 小説の紹介
知的経験のすすめ なんでも逆説にして考えよ



開高氏が中学の、戦争末期の頃のことがよく



わかる。一番なるほど、と思ったのは、男の


大人で野垂れ死んでるのはいるのに、女でそ



うなっているのはいないということだ。い


つの時代も女は強く、したたかだ、という



ことだ。そして、ムダなことはないという



こと。ナースロッジのようにいつかそれは



肥沃な土地を作るために必要なものだとい


うことだ。教育は経験だという言葉も自身


の釣り体験からきた言葉だろう。逆説にし


て考えれば、経験こそ自分を育ててくれる



ものだということだろうと思う。
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デンドロカカリヤ    安倍公房

2016-03-03 11:21:42 | 小説の紹介
新潮文庫。



顔の皮膚がひっくり返り植物になってしまう。不条理



なことが起こると人はそれに理屈をつけたがる。ある


いは、正当化するためにあれやこれや考える。この場



合、神話にその救いを求めたコモン君だった。しかし、



現象は現象に過ぎない、という真実があり、結局、デ



ンドロカカリヤという植物になってしまう。



やはり安倍先生は、僕なんかが改めて言うまでもなく



短編の名手であるのだろう。
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もっと広く   上・下  開高健

2016-03-01 20:37:21 | 小説の紹介
九カ月にわたるクルマでの北米・南米の走破。NYルポアリ




・・・…色男の浮気アリ……その辛苦の旅の模様をこっちとし



ては数日で味わえるのだから、何だか申し訳なくなってし



まう。妄想のフィッシングに興じ、焼き肉を喰った気にな


り、社会主義とはなんぞや、に想いを馳せる。世界は広い




ということを実感する……。その世界を実際に見、体験し



た男がいたんだということは、スゴイことに思えてくる…



…。
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