古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

運転士     藤原智美

2018-09-29 14:05:19 | 藤原智美
講談社文庫     1992年


こんなサイコパスな運転士の電車には乗りたくないな、と思った。


鞄に女が入っているらしいのだが、そこはよくわからない。


とにかく、この運転士が几帳面なサイコ野郎ってことだけしかわ


からなかった。


同時所収されている、「王を撃て」の世界観は独特のようで、ボクは


ついてゆけず、、途中下車してしまった。


わざとわかんないように書いてんのか、頭の中がグチャグチャなのか、


とにかく、人にわかるようには書かれてはいないようだった。


第107回芥川賞受賞。
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君は永遠にそいつらより若い   津村記久子

2018-09-28 07:25:41 | 小説の紹介
筑摩書房    2005年  第21回太宰治賞受賞


冒頭、なにやら穴を掘っているところから始まる。十年前に


イノギさんのなくした鍵を探しているというのだが、なんの


必要があって穴を掘るのか一向にわかりかねる。


十年経つと、鍵は埋まるものなのか、とも考えにくい。


主人公のホリガイさんは百七十五センチあって、大学をその


年卒業で、処女。部屋は汚部屋。処女なのは、汚部屋が原因


では、と、結婚もできないボクが助言するのもナンだけど、


で、処女を捧げたのは、イノギさんという女性。


捧げたらしいのだが、それはなんで? とツッコミをいれた


くなってくる。指? ペニパン? なにで? と。


処女だが、結婚を申し込んだホミネくんは自殺をしてしまっ


たらしい。


その上の階に住んでいる子供を気にしているのを知っていて、


不法侵入よろしく部屋に侵入し、子供を救出。


元々の題名は「マンイーター」、「君は永遠にそいつらより若い」


の方が確かに良いタイトルだね。読んでいると、時々、タイトルが


効いてくるカ所がある。


二足のわらじを履いている津村女史。ボクは二足のわらじはあんまり


良くないと思うけど、本人次第だから仕方ないね。余計なお世話だな……。
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モラル     

2018-09-26 03:38:43 | ポエム
古い館に男が一人


酒を浴びるように飲む


それでも生きようともがいていた


なぜ?………回帰を望んでいた


誰にも迷惑かけたわけじゃあないが、それでも


好きにしていいというわけでもない


油断したら死んでしまうこの世界


誰が悪で、誰が善なのかさえ、簡単には


わからない……ただ虚ろな答えのみが


風に揺れながら、僕の来るのを


待っている……
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それなりに生きている    群ようこ

2018-09-24 04:43:06 | 群ようこ
ちくま文庫   2010年5月


四天王寺のカメの描写に始まり、自身の汚部屋について言及し、


「おしゃべり」という、おしゃべりなネコについて書いている


のだが、本書では、この「おしゃべり」が大活躍する。


もちろん、しいちゃんもでてくるし、亡きビーの話も出てくる。


なんだか群ファミリーなるものを見ているようで、しいちゃんが


でてくるだけで、「待ってました!」となってくる。


最後は蛇の話しでしめている。群さんは蛇は嫌いだったらしいが。


まあ、暇つぶしにはぴったりな本です。いや、メインにもなりえま


すねえ。


捨て猫の「トンちゃん」の話しも好きでしたね。
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苦い記憶

2018-09-22 14:41:02 | ポエム
僕はいつまでも縛られている


忘れたはずの想いが今も蘇って


憶えているのは僕の方だけ?


君の部屋はいつも冷たく凍えていた


僕も凍り付いていた……太陽の出ている日でも


僕の中の想いはエンプティのランプが付いてても


君のしでかしたことが痛く僕を苦しめるんだ……
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きれいなシワの作り方~淑女の思春期病   村田沙耶香

2018-09-21 14:45:01 | 村田沙耶香
マガジンハウス   2015年8月


こういう女性向けの本がボクはけっこう好きで読んだりすること


が多い。


この村田女史が三十五歳前後に書かれていて、その年頃に陥りや


すい悩みについて書かれている。


ボクが読んだとて、共感できるわけじゃないが、顔だけげっそり


していって、腹ばかり出てくる、とか、そうなんだよな、と思い


ながら読んだ。


村田女史は歌舞伎町のコンビニで働いたことがあるそうである。


村田女史は、「サマーぶってるスプリング」なんだそうである。


その意味についてはよくわからんのだが、そういうのが似合うら


しい。


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別人「群ようこ」のできるまで   群ようこ

2018-09-20 06:48:45 | 群ようこ
文春文庫  昭和60年12月


今で言うブラックの走りのような代官山の広告代理店に勤めたことを


描き、椎名誠氏と目黒考二氏の「本の雑誌」社に就職したいきさつ、


その仕事を明かす。


三十年以上前のことなのに、いかに、リアルに描ききったことで、現


代でも通じてしまう普遍性のある作品となったようである。


僕は古本屋でこの本と出会ったが、こういう至上の出会いがあるから、


古本屋通いはやめられないのだ。


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授乳     村田沙耶香

2018-09-19 05:14:08 | 村田沙耶香
講談社文庫    2005年2月



「授乳」は第46回群像新人賞を受賞した、デビュー作である。


無機質な赤ちゃんプレイをするって話しである。


中学生にして、プレイ好きとは………やはり、沙耶香嬢の描くデビュー作に


ふさわしい題材である。


「コイビト」は、ギンイロノウタに続くようなもの、ものへの愛を描いたもの


だと思うが、それは人ではなく、人形は人形として描かれているように思う。


最後を飾るのが、「御伽の部屋」と題された、女子大生と同じ22才のいっけん


きちんとして見える男に、世界を依託するのだが、それを裏切られるといった


ストーリーである。


この作品で一番良かったのは、冷蔵庫を開けて、ゆきが自分の頭にケチャップを


かけるという場面である。世界を拒絶する表現にこういう手段があるとは、クレイ


ジーさんは天才だ、といいたくなる。


ヘンタイ要素満載で、ボクらはこういうのが読みたくて、こういう作家を待っ


ていたのだ、とこの後に続く、天才的作品を読んで思うおれっちなのだった。
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9/18(火)について

2018-09-17 20:40:29 | カフェ、ギャラリー
平素よりお引き立て下さりありがとうございます。


明日、9/18(火)は臨時休業とさせていただきます。


またのお越しを心よりお待ち申し上げております。


9/19(水)より平常通りの営業をいたして参りたいと


思っています、どうぞよろしくお願いいたします。
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パンチパーマの猫   群ようこ

2018-09-16 09:53:02 | 群ようこ
文春文庫    二〇〇二年3月


おもしろいエッセイを書く女流作家は必ず掃除が苦手だ、という


法則があるみたいだ。三浦しをん女史しかり、川上弘美女史しかり


向田邦子女史しかり。


ボクの女流作家遍歴も、これは肉体関係ならぬ、紙体関係といい


たくなる、武田百合子女史に始まり、小川洋子女史、小説では、津



村記久子女史、青山七恵女史、綿矢りさ女史、と。


ボクは女と付き合うのは苦手なので、紙の上でそれらの優れた作家と


付き合っている気になっているのかもしれない。非常にコミュニケー


ションとしては不完全で、一方通行だが、面倒くさくなくて、スゴ


く良いのである。まあ、女流作家としたら、はた迷惑かもしれないけ


ど、それが仕事っていやいえるわけで。


本書は二〇〇二年群女史が47才の時のエッセイ。ことわざに絡ませて


日常の出来事をおもしろおかしく描いてみせるエッセイ集である。

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