古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

望んでいるのは      鶴岡 卓哉

2020-07-31 05:49:31 | ポエム
僕は何を望んでいるのか

爆発なのか、炎上なのか、終焉なのか

僕自身をまな板にのせ千切りにすることなのか

君が唐突に僕を抱きしめて濃密なキスをすることを

まるで僕は奇蹟の船に乗り、虚構の魚を獲る漁師なのか

あるいは、僕は空想のダイヤを盗む盗賊で

君の大事なその魂を盗むことを

望んでいるのか
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破滅      鶴岡 卓哉

2020-07-29 07:04:22 | ポエム
朝五時に僕は破滅を迎える

それは突然、青天の霹靂のように訪れ、僕をかっさらっていく

地の底へと引きずり下ろされて

僕は為す術もなくその奇態な状況に抗うこともできずに

僕はこの世から消え去るような悶絶の苦痛の中で

絶叫する

この世で僕は何者でもなかったということを

思い知らされたのだ












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あやしい探検隊 海で笑う  文・椎名誠 写真・中村征夫

2020-07-28 06:20:48 | 本の紹介
情報センター出版局   1988年

全編海の話である。といっても、ボクは生まれて一度も

海の男になりたい、と思ったことのない男である。それ

に群れるのも嫌いである。

ボクはそういう男で、インドア派かといったら、そうでもな

く、都会派といったらいいのか、街を歩かせたら、目をラ

ンランと輝かせ、のっしのっしと歩いてしまうというところ

があるが、ハイキングなどといわれると、困っちゃったなあ、

などとつぶやきつつ、行きもしないのだった。

それでも、文学としてのシーナ作品で、そういう話をよむの

は好きで、ボクはシーナ文学をこよなく愛する男なのだった。

1988年、シーナ氏の文学は燦然と輝いていた、神がかって

いたといっても過言ではない……合掌。































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アントニオ猪木自伝    猪木寛至

2020-07-27 07:46:19 | 本の紹介
新潮文庫     1998年

なぜこのタイミングで猪木さんなのだろうか、と考えるが

、古本屋でグーゼン見つけて、即買ってみた、ということだ。

プロレスというスポーツ、ん、スポーツというか格闘技か、

な、んー、その定義にもいまだに不確定なものがあるが、

プロレスが大好きだった時期がボクにはある、94年から

08年くらいまでだ。

もちろん、リアルタイムでドン・フライと猪木さんの引退

試合もみた。グラウンド・コブラツイストで猪木さんが

仕留めたのだった。それと、DVDでホーガンとの舌だし

事件の試合もみたな、あの頃の猪木さんは糖尿で体も

ボロボロだったのだな、しかし、猪木さんはボクの中では

政治家というよりプロレスラーで伝説のヒーローであり

続けるだろう。だって、なにせアントニオ猪木なのだから

……合掌。





































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アップルの人       宮沢章夫

2020-07-26 10:21:20 | 大道珠貴
新潮文庫     2008年

ボクはパソコン雑誌がかつて好きでよく見ていた。学生の

ころだが、すごく厚くて重いマイコンとか、ハッキングに関

する改造本とかを好んでよんでいた。よんではいたが、理

解していたのか、と問われれば、うーん、まったくわかって

いなかった。その雑誌の持つ、マシン的なフンイキが好き

だっただけだ。

で、今は、ボクはMACの人ではなく、ビル・ゲイツの方を

つかっているのだが、やはり、MACにはいささかの憧れ

はある。でも、なんとなく出会わなかったんだよねぇ。

パソコンとは関係ないが、ボクは笑うのがあまり好

きでない。人と話せば、笑うこともあるが、TVや本を

よんで笑いたくない。笑うと書いてあることをすべて

忘れてしまうからイヤなのだ。この本をよんでよく笑っ

た。でも、笑ったから書いてあることはほとんど覚えて

いないおれっちだった。……合掌。

                (鶴岡  卓哉)

































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幸福論    鶴岡 卓哉

2020-07-25 09:58:31 | ポエム
幸福論    ・希木谷  瞬吉



僕の単純が時に自身を切り刻み

ゲラゲラと笑うヤツらの笑い声が僕の耳に

僕はそれを聞きたくなくて逃げ出すように走り出す

遠くへ遠くへと

ゲラゲラとヤツらは笑いながら追い掛けてきて

僕をゲラゲラと笑いながら捕まえ殴打する

それに抗うこともできないまま

僕は血塗れになって行く

全身が内出血で赤黒くなり

ヤツらはゲラゲラ笑いながら僕を人食いワニのいる川に突き落とす

僕は必死で泳ぎながら岸にたどり着くと

ヤツらはまたゲラゲラ笑いながら僕を蹴落とす

僕は悟る、ヤツらから逃げる方法なんてないんだ

僕はワニに食われ、最後の肉片になるまで

幸福になることなんてないんだって
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牛への道      宮沢章夫

2020-07-24 14:48:54 | 本の紹介
新潮文庫     1994年

ロジックだけってひとはあんまりおもしろくない。

これに、笑いのセンスだったり、ユーモアが加味され

ると、なんともいえないいいものができる、この本が

そうだ。

ともいえ、牛への道とは、よんでも分からなかったの

だが、ボクが住んでいるのは牛田なので、道案内で

もしてしんぜようか? などとほざいてみよう。

笑い、というのはむずかしい。ボクはいつも、洒落を

いわれても、しばらく考えて、あぁ、そうか、そういう

ことか、と思って、へへへ、と笑ってみたりする。たぶん、

ボクは自分がばかなんじゃあないか、と思う。いや、自

分でばかというとほんとにばかみたいだが。

これは古本カフェに買ったはいいが、売りに出していて、

ふとまた手に取って読んでみると、ううう、おもしろし、と

いって、一日で読んでしまった。なんにでもツッコミをい

れたくなってくるが、その気持ちに引っ込みがつかなく

なってちょっと困っている……合掌。




















































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詩・笑み    鶴岡 卓哉

2020-07-19 02:10:02 | ポエム
笑み     

真新しい滑稽が僕を笑わそうとする

その先にあるものと言えば錆びついた愉快だけさ

僕は混沌の中で死にもの狂いで言葉を探し

難解なワードパズルを組み立てているんだ

恋の不条理に泣きわめき、ふいに振り返ると

唐突にあの娘がギャグを言う

それで僕は吹き出しちゃったりするんだ

まるでほうき星の遺書の最後に書かれたギャグみたいに

僕は時代の最終章を読まされて愕然とするみたいに

君のギャグを楽しむんだ




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現在    鶴岡 卓哉

2020-07-17 22:08:59 | 日記、ポエム
昨日は夜にポパイに行って、ジャケ借りしてきました。
前借りて気に入った、ネリー・ファータドとか、相変
わらず九十年代のR&Bを中心に借りました。ビース
ティ・ボーイズも借りました。生音ヒップホップの先
駆け、めっちゃかっこよかったです。
というワケで、詩を紹介します。第二詩集「名もなき
詩集を君に」から


現在     鶴岡 卓哉



俺たちに昨日はなかった

昨日なんて捨て去って歩いてく

権威にしがみついている退屈な教師

暴力に明け暮れた少年時代

ぶっ倒れることが快感で死ぬことを身近に感じていた青春期

いつも背中に感じる何か不吉な感じ

拭えない沈黙から来る誤解に

ベッドの縁で絶え間なく息づいている俺の痕跡

小説の中の愚かな可哀想な大男

信じられぬ明日への期待などない

俺たちにあるのは現在だけだ


               (2014.10.18)


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詩      鶴岡  卓哉

2020-07-16 13:55:06 | ポエム
ピコピコ音楽にノッて緑色のコンピュータが踊っている

困り顔の人魚はペンをタバコ代わりに吸うまねをしている

毎日が代り映えのしない退屈なコピーみたいに続く

TVドラマはクソだけど、僕らのライフはもっとクソだ

君のスイートな願いが寝顔に現れている瞬間を見る、とか

キスを拒絶する言葉を考えてみたり、とか?

おお、恐ろしや俺は意味不明になっているし

響き渡る足音がオレを恐怖に陥れるのさ

大丈夫、丑三つ時に俺は正気になって詩でも書いてるさ

















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