古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

江戸言葉       出久根達郎

2023-01-05 02:51:46 | 出久根達郎

「死ぬのによい日だ」所収。

 

この09年版ベストエッセイ集によせられた小品を見てゆく。

 

中学生が床屋で黙って切ってもらった、黙って帰っていく、という

 

のだが、ぼくが小学生の時、床屋の人が良くしゃべる人で行くのが

 

すごくイヤだった。中学になると、姉がバイトをしていたJUNという

 

美容院に行くようになって、JUNさんは喋らないし、仕事も早く、15

 

分くらいで済んでしまうので、高かったが、行っていた。そのころは

 

髪もたくさんあった。

 

「ざっさけない」という江戸語、これは粗野である、という意で、「

 

あたじけない」は「かたじけない」ではなく、「ケチというほどのこと」

 

らしい。最後に江戸語のラップのライムのような調子のよい言葉で締めて

 

いる。

 

「へい毎度ありぃ 恐れ入り豆はじけ豆 ごきんとさんでございます」と

 

つづく、がなんともいいねえ。

 

           (読了日 2022年12・10 0:55)

 

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本のお口よごしですが   出久根達郎

2021-06-29 10:28:21 | 出久根達郎

講談社文庫     1991

 

ぼくは言ってみれば、出久根氏と同業者である。

 

古本屋に本をいっぱい読めるという理由からな

 

ったという。

 

ぼくもなんちゃって古本屋であるから、毎日、

 

古本に囲まれて過ごしている。

 

古本屋は儲からない。うちのやり方がまずいの

 

だろうか、と思っていたが、そうでもないらしい。

 

人は来ないし、全くもってだめだめである。

 

古本にこよりのように、イチョウの葉が挟まっている

 

ことがよくあるらしい。ぼくはあったことがないが、

 

これには黄葉した葉の色と、防虫効果も狙ったもの

 

らしい、とある。

 

うんちく、に富んだ、小ネタがふんだんに盛り込まれて

 

いて、読んでいて飽きない。短いので、テンポがいい、

 

一冊、出久根氏のを読んで、出久根氏また読みたいと

 

思っていたが、やっと読めた。

 

ぼくも古本大学出身といっていいだろう。中身まで古く

 

ならないようにしたいが、古本好きに悪い人はいない、

 

と信じる。古本お引き取りします。

 

 

古本にねぎっこ焼きとまめっこぷりん。最強やな。と大阪人でもないくせに大阪弁になってまう。そこんとこがねぎっこ焼きのいいとこや。君もねぎっこ焼きを食わないかい? 夏の昼下がりに夢中で食うのが乙なのね。

 

 

 

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漱石を売る    出久根達郎

2019-01-12 13:52:25 | 出久根達郎
文春文庫    1992年


文章の巧い人だな、と思って読んでいて、調べたらこの作品を


書かれた十年ほど後に直木賞をとられていた。


古本屋の主人(ってことは先輩だな)が、古書の周辺について


描いている。


ボクも気づいたら古本屋の主人になっていた。


まあ、うちはコーヒーを出すので、毛色は違うが。


小僧にでて、古本修行をされたということだが、ボクなんて、も


ってきてくれる本にテキトーに値をつけてるだけだからなア。


この本を書かれた頃は、バブルの後味のようなものがあったらし


く、億という文字が躍る。


それと同時に、一冊十円で売っている、とも。


うちの古本屋の最低価格は三十円です………合掌。
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