古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

偶然の祝福    小川洋子

2018-01-26 10:43:54 | 小川洋子
角川文庫。


「失踪者たちの王国」では身の回りで疾走してゆく


、失われてゆく人たちを描く。「盗作」では、弟に


ついて描かれ、「エーデルワイス」でも主題は弟で



ある。「キリコさんの失敗」はお手伝いさんのキリ


コさんがツボを手違いで違うひとに渡してしまう話


しだ。川上弘美さんはこの話しが好きだという。


「蘇生」ではアナスタシアと名乗る老女が絡んでくる。


袋にたまる水によって、声を失う女性を描く、「涙腺


水晶結石症」。おれっちはこの雨に日に病気の犬と数カ月に


なる息子ととぼとぼと歩き、犬が動かなくなったところ


に颯爽と現れる獣医、というのがスゴクカッコよく思えた。


なんか感動的な趣さえある。サッと犬の病気を治してしま


うのが実にスマートに描かれているのだ。




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