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秋田県大館市は市職員がOSS/Atsterisk IP PBXで電話システムを構築

2010-09-07 13:49:22 | オープンソース
匠技術研究所
秋田県大館市は市職員がOSS/Atsterisk IP PBXで電話システムを構築


こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
オープンソースカンファレンス2010 Toko/Fallでは自治体とオープンソースソフトウエアにフォーカスした.Govermentトラックが開催され、自治体のオープンソースソフトウエアへの意識的な取り組みの状況を知ることができてたいへん有益なセッションでした。

自治体でのOpenOffice.org等オープンソースの利用が進んでいることがしばしば報道されるようになってきました。秋田県大館市では市役所の電話システムをオープンソースPBXとして著名なAsterisk PBXを使ったIP電話システムに置き換えています。

市役所職員さんの内部提案で導入が進んだそうで、導入コストと運用コストの大幅な削減を実現しています。「自分たちでやったから安いのは当たり前」との指摘もありますが、それは「その通り」です。大館市はAsterisk PBXの構築も、内部配線も、IP電話の手配も自前で行っており「市役所が汗をかく」を実践したのです。即ち構築した電話システムのの責任は市役所が負っています。

500台程の内線電話機と20台ほどの電話会議システムが動作しており、アクセス回線はBフレッツにNTTひかり電話ビジネスタイプ45chを収容しています。

このようにこれまでの「ベンダー丸投げ」から「自己責任」の考え方に移行することで、大幅なコス削減を実現し、外注は配線工事用の穴あけ工事程度です。「丸投げでないリスクを負う」のは市役所ですから、いささか失礼な表現ですが内部配線工事もいわゆる素人工事です。

これまでの費用計算は成り立たないモデルのなので、過去丸投げで受注してきた電話系システム系の目線で「実は工事費が要らないのであれば、費用はインテグレータに任せても同じ程度です」との評価は当たらず、比較の対象を間違っています。

秋田県大館市役所は有償のSIPサーバーも買わずDELLのサーバーにLinux + AsteriskでPBXをこさえ、SIP電話機も輸入品の安価な製品です。SIP電話のPoE機能の不良率が高く、導入にはご苦労なさったようですが、その苦労は「市役所職員」がしているので「外注費にははねかえらない」のです。

もちろん、市役所職員の稼働費を必要とする構築費に積算すべきことは理解していますが、もともと安価な機器を選択したこと、配線がLAN配線となり専門知識が必要な電話工事とは異なることから大幅な費用削減が実現したのです。併せて安定稼働後の保守費の発生もないので、運用も格安で行っています。

前の記事の「長崎県庁」と同じく「自治体職員が汗をかく」ことが、自治体システムの低コスト化に結びついていますが、共に「オープンソースソフトウエア」を利用してシステム費用を抑えています。

オープンソースソフトウエアは決して万能ではありませんが、自己責任で利用をすることで、これまでにない費用削減効果を得ることができます。それこそ利益を追求しない自治体などにふさわしいものです。

次回は、福島県会津若松市を紹介します。

Asteriskで秋田県大館市のIP電話導入(PDF)
資料:大館市役所総務部総務課 主任主事 中村 芳樹様
提供:オープンソースカンファレンス2010 Tokyo/Fall

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