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マイクロソフトがYahooに買収提案

2008-02-02 08:00:40 | 三稜鏡(さんりょうきょう)
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。

マイクロソフトが、Yahooに買収提案をしたと報道されています。単に広告ビジネスの面で巨人の合併が報道されがちですが、以下の点を見落としてはいけません。

マイクロソフトのポータルサイト事業は、これまでも苦戦しています。一方Googleの登場前はYahooが抜け出ていたものの、いくつかのポータル+検索事業者が競っていました。Googleの登場後、YahooとGoogleに検索競争が収斂し、他の類似事業者は得意分野への注力を図ることになります。今後は中国の百度のように地域性のある検索事業が各言語圏で立ち上がり、特色をだしていくことになります。

マイクロソフトのYahoo買収が実現すると「MSN Yahoo!」のようなブランドができるのでしょうか。実際はYahoo!の集客力を軸に展開するでしょうから、Yahoo!ユーザには大きな変化はないでしょう。ただYahooにとっては、マイクロソフトのPCソフトウエア市場での影響力を活用することができます。基本ソフト系、インターネットエクスプローラーそしてMicrosoft Officeです。

Googleはユーザはブラウザさえあれば、インターネットのみならず、電子メールも、チャットも、ワープロも、表計算も、スケジューラーも使えるようにしようとしています。もちろんその他にも様々なサービスを開発しつつあります。

個人も、企業もGoogleに接続できれば、個人的、会社的な非公開の情報から、公開された様々な情報までシームレスにアクセス可能な環境を提供しようとしています。

Googleは既にメールや、ワープロ、エクセルなど基本的なソフトウエアを提供し、マイクロソフトの基本ソフトの上に展開しているソフトウエアの世界を、ブラウザの上に置き換えることを始めています。加えてビジネスソリューションでは、汎用ビジネスソフトはGoogleだけで完結できるツールを提供しています。Microsoft Officeとのドキュメントの互換性が高くなれば、ユーザは必ずしもMicrosoft製品を使う必要はありません。

マイクロソフトとYahooが一緒になると、ブラウザの環境にマイクロソフトOfficeの環境を密に結合するとおもいます。Microsoftはユーザのデスクトップが基本ソフトの上から、ブラウザに移行していく中で、Officeソフトが基本ソフト、すなわちWindowsから切り離され、市場を失うことになると大きな損失です。これを防ぎたいはずです。

マイクロソフトはブラウザの上のソフトの展開を見据えて、知名度が高く、ユーザ数の多いYahoo!を買収するのだと考えます。
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