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「日本語の大疑問」国立国語研究所

2022年06月28日 06時35分17秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「日本語の大疑問」国立国語研究所

省略のされ方
P47
2拍 ロケ(ーション)、スト(ライキ)、コネ(クション)
3拍 パンフ(レット)、マイク(ロホン)、アルミ(ニウム)
4拍 イラスト(レーション)、リハビリ(テーション)
5拍 コンタクト(レンズ)、ステンレス(スチール)

4拍にまとめるもの
リモートコントロール→リモコン
通信販売→通販
原子力発電所→原発
うなぎどんぶり→うなどん
学生割引→学割
サラリーマン金融→サラ金

P83
他人に身内のことを話す場合にも尊敬語を用いる地域が多くあります。例えば、関西では、軽い尊敬を表す〈ハル〉を使って
 おとうさんはもうすぐ帰らはります/帰りはります
(中略)
父親や赤ちゃんの行動について「ハル」を使う人は、大阪より京都の方がかなり多くなっています。また、京都の女性は男性よりも「ハル」を多く使う傾向にあるようです。

さらに京都では、子供が友達の意地悪をうったえて
 けんちゃん、いけずしはんねん。 たたきはんねん。
と言ったり、親が自分の子供のことを
 この子、よー泣かはりまっしゃろ
と言ったりすることがあります。 また、
 雨、よー降らはりますなあ。
のように、天気や、時には動物の行動など、ふつう敬語を使わないものにまで「ハル」をつけるという特徴があります。(以前も書いたが、大文字山の山頂で、小学校低学年くらいの女の子が虫を見つけて、「あっ、虫さん、いてはる」、と父親に言っていたシーンを思い出す。その時、横にいた私は、「自分は京都の山に登っているなぁ」、と強く感じた次第だ)

P113-114
伝統的に親指を立てるジェスチャーは「男、旦那」を表し、小指を立てるジェスチャーは「女、愛人」を表してきたからです。
しかし、この手話は外国人には通じません。世界の多くの国では、親指を立てるジェスチャーは「良い」「OK」の意味です。
また、小指を立てるジェスチャーは欧米では見られず、少数派ですが、シンガポールのジェスチャーでは「一番あと」の意、中国・香港のジェスチャーでは「悪い」の意、韓国のジェスチャーでは「つまらない」の意、タイのジェスチャーでは「友情」の意、インドのジェスチャーでは「トイレに行きたい」の意で使われることがあります
(中略)
そのほか、日本の伝統的なジェスチャーで「泥棒」は人さし指をかぎ状に曲げて表します。これを日本の手話にも取り入れて「盗む」「泥棒」の意味で使います。しかし、人さし指をかぎ状に曲げる形は中国のジェスチャーでは「9」を意味し、またメキシコのジェスチャーでは「お金」を意味するので通じません。

P213
赤ちゃん言葉はマンマ、オンブ、ダッコ、クック、バーバ、ジージのような長短(強弱強)と語と、ポンポンやブーブー、ハイハイ、ナイナイのような長長(強弱強)の語に二分されます。[強弱強]は出てきても、[強強弱]は出てこないのが赤ちゃん言葉の際だった特徴です。たとえば赤ちゃん言葉にバーバはありますが、ババーはありません。

P241
もともと犬は「トラ」「クマ」「クロ」といった毛の色や大きさなど、見た目からついた名前で呼ばれていました。つまり、毛が黒ければどの犬も「クロ」と呼ばれていたのです。当時は個人で犬を飼う習慣がなかったため、誰が見てもわかるような名前で呼ぶのはとても自然なことであったと思われます。
ところが、明治6年に「畜犬規則」が制定されると、飼い主の名札がついていない犬は野犬として殺処分されるようになってしまいました。このことがきっかけとなって各家庭で犬を飼うようになったのですが、その犬に多かったのが和犬ではなく、当時ステイタスとされていた「カメ(洋犬)」でした。そして、西洋式に「カメ」らしい名前をということで、「ポチ」や「ジョン」などといった名前が個別につけられるようになったということです。(つまり、「ポチ」は伝統的な犬の名前でなく、明治維新以降の「新しい」名前ということになる)

【ネット上の紹介】
毎日あたりまえに使っている日本語。だが、ふと疑問に思うことはないだろうか。そもそも漢字はいつから日本にあるのか?「シミュレーション」を「シュミレーション」とつい発音してしまうのはなぜだろう?「確認させていただいてもよろしいですか」は乱れた日本語なのか?これまでの絵文字・顔文字とLINEのスタンプでは何が違う?ことばのスペシャリストが集う国立国語研究所が、国民の抱く素朴だが奥深い疑問に呻吟しながら出した名回答を厳選。日本語の教養をこの一冊でアップデート!
第1章 どうも気になる最近の日本語
第2章 過剰か無礼か?敬語と接客ことばの謎
第3章 世界のことばと日本のことば
第4章 どちらを選ぶ?迷う日本語
第5章 便利で奇妙な外来語
第6章 歴史で読み解く日本語のフシギ

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