「日本人の英語はなぜ間違うのか?」マーク・ピーターセン
教科書の不備と誤りを指摘した作品。
タイトル「日本人の英語はなぜ間違うのか?」への答えは、
「教科書が間違っているから」、となる。
熟読すべき「教科書」に、これほど誤りがあるとは知らなかった。
文科省しっかり検定しろ、と言いたい。
P53
(誤)On Sunday, I have dinner with my family in Ibaraki.
これは「私は、今度の日曜日に、茨城の家族と一緒に夕食をとる予定だ」のつもりで書かれたのか、それとも「私は、たいてい毎週日曜日に、茨城の家族と一緒に夕食をとる」のつもりで書かれたのか、分からないのです。
前者なら、
On Sunday, I am going to have dinner with my family in Ibaraki.
後者なら、
On Sundays, I have dinner with my family in Ibaraki.
と、複数形の Sundays, を使って直します。
P92
She wouldn't go out with me.
と言ったら「誘ってもどうせイエスと言ってくれないから、誘うつもりはない」というニュアンスがあるのに対して、仮定法を使わず、
She won't go out with me.
と言ったら「誘って見るかもしれないが、どうせイエスと言ってくれないはずだ」という含みがあるのです。こうした違いは実生活においては大きな問題です。
P149
2005年に、当時Apple社のCEOだったスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で有名な演説を行ったのですが、その前に学長が彼を次のように紹介しました。
It now gives me great pleasure to intoroduce this year's commencement speaker, Steave Jobs.
この”Steave Jobs”という呼び方は、英語の感覚ではごくふつうで何でもありません。
(この「感覚」がよく分からない。私なら、 "Mr." をつけて、”Mr. Steave Jobs” と敬称をつけて紹介するでしょうね。公式の場所だし)
【ネット上の紹介】
わたしたちが英語下手なのは、教科書のせいだった!?“I’m from Shizuoka.So I live alone in an apartment.”東京の学生が書いたこの英文はなぜヘンなのか。英語教科書と、日本人が書いてしまいがちな英文に共通する特徴と問題点を指摘し、修正方法を教える。相づちから時制や動詞の使い方まで、ネイティブ・スピーカーの英語感覚が身につくヒントがいっぱい!全レベルの英語学習者、必読の一冊。
第1章 英語教科書が抱える問題
第2章 時制が足りない日本人の英語
第3章 冠詞theと数への無関心
第4章 基本動詞・助動詞を使いこなす
第5章 仮定法の基本を理解する
第6章 人気者“so”の用法に関する誤解
第7章 itとthatを使い分ける
第8章 単語の無意味な「繰り返し」を防ぐには?
第9章 「論理の飛躍」が多すぎる
第10章 自然な英語を書くために