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「出世花」高田郁

2011年01月22日 18時45分29秒 | 読書(小説/日本)


「出世花」高田郁

身寄りのない天涯孤独の少女・お艶が寺に引き取られるところから始まる。
ここで名前を、お艶からお縁と変える。
さらに、お縁から三昧聖・正縁へ。
出世魚、って魚がいる・・・ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ。
お艶も名前を変えながら成長していく。

作品は連作長編の形式をとっており、短編4作品収録されている。
特にその中の2作品はミステリ色の濃い内容となって読み応えがある。
お縁さんは、尼さんにして検屍官、である。
修道女フィデルマにして、ケイ・スカーペッタかジェシカ・コランか、ってなもんだ!
ぜひシリーズ化して欲しい、切に望む。

PS
「銀二貫」「出世花」共に、ニュージーランド往復、機内読書用としてザックに入れた。
だから、ハズレでは困るのである。
間違いなくおもしろい、と確信を持って「荷物」にしたし、それに十分応える内容でもあった。

【ネット上の紹介】
「不義密通を犯した妻の血を引く娘に、なにとぞ善き名前を与えてくださらぬか」幼いお艶と共に妻敵討ちの旅に出て六年、江戸近郊で無念の死を遂げた矢萩源九郎が寺の住職に遺した言葉である。しかし、源九郎の骸と魂は三昧聖によって清められ、安らかに浄土へ旅立つ。「艶」から仏縁の「縁」と改名した少女が美しく成長する姿を、透明感溢れる筆致で描く感動の時代小説。

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