新専貨回想

平成の世を駈けたヤード系輸送の末裔

石油元売りのタンク車(番外編2)しかし…

2009-04-11 22:36:18 | 東海道線

 これが連結されているのを見た時は、それは大変な驚きでした。恐らく最後の目撃情報が4年以上前の1993年正月、汐見町に出現した時でした。以後は全く情報も無く、製油所内で朽ち果てているか、据置タンク代用、構内輸送用、最悪もう現車はこの世に存在しないかもしれない、どれにせよ現車を見る事は叶えられることは無いと、私有貨車両数表の当該欄を恨めしそうに眺めるのみでした。

 その「夢の」車輛がこの目の前にある、信じ難い気持でした。他に類例を見ないドームレス構造の石油系2軸タンク車、その特異な形態に見入り、あれこれ写真に撮り、清水まで追い掛けて、発車時刻まで眺め回したものです。

 しかし…この車輛が再び日の目を見たことの意味するところは…

修繕票差しに差さっているのは、「命に依り臨時検査済 半田埠頭に回送 平成9年6月27日 千葉区」、そう、二度と帰らぬ旅立ちであったのでした。永年北袖の富士石油構内に留置されていたのであろうか。標記類はかすれ、全体的に白っぽく褪色し、錆も浮いたやつれた姿で、かつては潤滑油を積んで通い慣れた路を、今日ばかりは空荷で西を目指し去って行きました…

 3363レと対になる上り3362レ、この日は今は貨物鉄道博物館に収蔵されているタム2920が、タム9200とは対照的に全検上がりの美しい姿を見せてくれました。この列車も、これまた見事な編成ですね。

(1997年7月19日 3362レ/清水、沼津駅で記録)
機:EF651064(新)
1:タキ35646 銘なし NRS/神栖
2:タキ23501 S55富士重 保土谷化学/郡山
3:タキ9839 ? JOT/四日市
4:タキ16502 ? 昭和電工/扇町
5:コタキ27777 銘なし 東亞合成/伏木
6:コタキ47780 S50富士重 保土谷化学/郡山
7:コタキ10736 S49三菱 JOT/郡山
8:コタキ8144 銘なし 日産化学/速星
9:タキ35203 S42川車 日本石油/根岸
10:タム2920 S33日車支 JOT/沼垂
11:タキ42768 S39新三菱(S56日車改)JOT/沼垂