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新専貨回想

平成の世を駈けたヤード系輸送の末裔

信越4380レの名優たち(その32) タキ9255

2011-10-18 21:30:32 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 当初は伊藤忠所有の1輌を除き独占所有だったのに、大半が後年ダイセルに移籍してしまい、晩年は青海-新井と、日本海側の短距離輸送限定だったので影が薄かった電化のタキ9250です。こうやって見ると、高圧ガスタンク車に近い造りを実感します。細長いタンク体にスポーク車輪を履いたTR41C台車が良くマッチしていますね。

 日曹のタキ19700と並び、現役時代もなかなか見られない車輛の一つでした。これはダイセル新井ケミカル工場前ヤードで4381レに継送待ち、一回は糸魚川貨車区で交検入場の時、もう一回はこの約1年後、仙台港で9254-56の3輌揃って解体待ちの姿でした…

(2002年10月12日 信越本線 新井駅)


信越4380レの名優たち(その31) タキ11255

2011-10-16 15:25:59 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 暫く酢酸タキばかり続いたので、たまには違う車輛と言う事で、今度は酢酸の素?アセトアルデヒドです。と言っても、工業的には近年はアセトアルデヒドの酸化による酢酸の製造はほとんど行われておらず、より原料コストの安いメタノールと一酸化炭素の反応で製造されているので、これは主に酢酸エチルの合成に用いられる模様です。酢エチは高価なアセトアルデヒドを原料とするよりも、酢酸とエタノールからエステル化で造った方が手っ取り早そうですが、原料のエタノールに酒税が課せられるのを回避するためなそうな…(因みに税制の違う海外ではエステル化法の方が主流だそうで)

 さて、そんなアセトアルデヒドを輸送するタンク車、低沸点で低比重の積荷の為、巨大な保冷キセ付きタンク体でファンには人気の高い車種でしたが、反面車輛コストも高そうです。低沸点で非常に引火しやすいので、高圧ガスタンク車に近い耐圧構造を要求され、当然重くなり、車輛価格も相まって輸送コストを押し上げる要因になりそうです。かつては臨海部の石油化学コンビナートから内陸、山間部にある新井や八木原、鹿瀬の酢酸系プラントに大量輸送されていましたが、臨海コンビナート内で完結する方向に転換し、そう言った輸送自体が無くなるのも経済原理上致し方ないのでしょうね。

 貨物扱い晩年の新井へは、椎津(住友化学)、青海(電化)から細々と輸送が続けられ、青海ルートでは電化のタキ9250で、椎津からはダイセルのタキ9250と、末期の平成3年になって増備されたタキ11250形2輌が運用されていました。更に新南陽~焼島(後に新崎→藤寄に取扱駅移転)で運用されていたNRSのタキ11250も追加されました。個人的にはまだ新製後間もない綺麗な姿を京葉臨鉄村田で目にしたのが印象深い形式です。

(2001年10月15日 信越本線 黒井駅)


信越4380レの名優たち(その30) タキ3769

2011-10-15 20:28:53 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 雨天時のホームからの適当な写真で失礼。

 電化青海からの酢酸輸送が終結した晩年はクラレ中条へ貸し出されていた電化のタキ3700。最後にはその実態に合わせる様にクラレに移籍してしまいましたが、30年以上経年の私有貨車の全検費用が所有者負担になった関係の様です。電化青海には旧昭和電工の銀キセ3700もいましたが、これは中条に移ることも無く消え、結局見られず仕舞いでした。青海のカセイソーダやセメントの貨車はどれも手入れが良かったのに、中条貸出の酢酸タキはどれもウエザリングがきつい印象がありました。

(2001年3月29日 信越貨物線 新潟貨物ターミナル駅)


信越4380レの名優たち(その27) タキ3713

2011-10-07 22:34:51 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 ダイセルの無水酢酸専用車は、既に3702を紹介していますが、これはまたドームの形状が違いますね。台車はこれもTR225に振り替え済みです。ここ黒井は4380レ引き出しの時間帯のホームからの光線状態が最高で、私の好きな撮影地の一つでした。

4380レに組成され発車を待つズラリと並んだ酢酸タンク車の列。もう見る事は出来ない見事な眺め…

(2001年10月15日 信越本線 黒井駅)


信越4380レの名優たち(その26) タキ3717

2011-10-05 20:07:36 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 今度はダイセルの純アルミタンク体を持つ酢酸専用車、無水酢酸専用車と違って保温キセ付きです。製造は同じ三菱なので、基本的な形態は内外輸送のと同じですが、後天的改造で液出し管が撤去されているのが違います。運用は、安治川口と中条の両駅から新井に酢酸を輸送するのに使われていた模様です。

(2001年3月28日 信越本線 黒井駅)


信越4380レの名優たち(その25) タキ3758

2011-10-02 23:02:44 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 もう一つ内外輸送のタキ3700です。先程の3730とほとんど同じに見えますが、当形式唯一の帝國車輛製です。やはり同一所有者でほぼ同時期に富士重で製作された3733もほぼ同じ形態で(但しこちらはデッドコピーじゃ無くて微妙に違う)製作されたので、ユーザーである日本合成化学の意向で競作された三菱と同じ設計になった様ですね。

 検査上がりでピカピカの黒光り…の筈が、塗料の光沢のせいで逆に傷んだ薄鋼板製のキセが痘痕の様にボコボコなのが露わになっています。台枠も永年受け続けた衝撃のせいで反り返って痛々しい姿が印象に残りました。

(2001年10月15日 信越本線 黒井駅)


信越4380レの名優たち(その24) タキ3730

2011-10-02 07:59:31 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 内外輸送のタキ3700と言うと、こちらのタイプの方がお馴染みでしょうか。旧日本合成化学工業の純アルミ車で、大きな受台とキセが特徴的なグループです。ダイセルの酢酸専用車とはメーカーが同じ三菱なので似たようなものですが、ただ一つ、こちらの方が踏み板が雪国のユーザーが賞用することの多いメッシュタイプです。豪雪地帯にある新井のユーザーの車が普通の滑り止め鋼板なのに、それ程積雪が多いとは言えない西大垣や東水島に常備の車が雪国装備なのが不思議です。

(2001年6月28日 信越本線 黒井駅)


信越4380レの名優たち(その23) タキ3723

2011-10-01 20:38:30 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 今度はクラレ中条→ダイセル新井間で運用される内外輸送の酢酸タンク車です。内外のタキ3700形では1輌だけのステンレス車、タキ3723は当形式唯一の日車製で、以前は三菱瓦斯化学の所有する唯一の酢酸タンク車でした。タム7900形をボギーに引き伸ばした様な形態ですが、それもそのはず、一説によるとメチルメタアクリレート専用車として計画されたそうです。

 ところでこの車、SUS316タンク体なので「連結注意」標記は不要の筈ですが…化成品標記も「侵燃38」だし、突込みどころありありなのが…

(2001年6月28日 信越本線 黒井駅)