霊界の門 ・見えないものの力

霊界や因縁から、現在の自分をみつめ、「見えないものの力」を味方にしましょう。

最初で最後の出会い(K氏の場合)

2012年10月28日 | 心霊現象
今もあるのだろうか?
今から14年前の話になるから、きっとそんな「雑誌」はもう出ていないかもしれない。
その本の名は「ジャマール」。
占いや霊能者がよく宣伝を載せる雑誌の一つである。
ひところ霊能者K氏も、その雑誌に宣伝を出したこともある、がすぐに止めた。
100パーセントと言っていいほど、ほとんどの相談が「恋愛問題」だったからだ。
それも、答えはもう自分の中にある。
「わたしー、幸せになれるでしょうかぁ~」。
このままでは、「だめ!」という第一声で「もう、いいですぅー」と玄関へ走る「相談者」。

何でも「きっかけ」というのは必要である、がそれが続くと「自分がダメになりそう」といって、しばらく相談を止めたK氏だった。
雑誌の宣伝を中止してしばらくたったある日、「その彼女」から連絡がきた。
とりあえず会う、ということで日を重ねて待った。
守護霊を降霊するまでになるなど、ほとんど諦めた日々だったから、「またか~」という思いだけが
強かったようだ。
彼女は27歳。仕事はパソコンを中心としたIT関係のプロらしい。
付き合っている男性との関係を相談したいとの事、「またか~」と顔を曇らせるK氏を私は見逃さなかった。
話が進むにしたがって、K氏が熱心に説得を続けている。
「無駄なのに・・・」と、私はむしろあきれて見ていたくらいだ。
「では後日」ということで、彼女は守護霊降霊を約束して帰っていった。

「なんで又、説得してまで?」と聞く私に、K氏はこう言う。
「縁者かもしれない」と。
後日、彼女の守護霊降霊が実施された。
女には女、とばかりに最初は私がお相手をと、しゃしゃり出て待つ。
しかし違った。
『つるさん!海野のじじいじゃ!
 この場にて、是非にも伝えなければならない事がある!
 許してくれ!つるさん・・・』
私なんかどうでもいい、私に目もくれずに守護霊ではない「海野のじじい」が「彼女」に両手をついて、話はじめる。
「あっ、私お呼びじゃない・・・」ってすぐに気付くと、座った位置から離れた。
しかし部屋を出たわけではない。しっかりとメモをとった。

400年という月日が経ちながら、このようにして相まみえた幸せを、心から感謝する、として
始まったK氏守護霊の「海野宗家」の懐述は、私達の知らない「歴史」の一コマであり、この二人
(K氏と、彼女)が会わなければ解けない恨みの内容であった。

海野宗家は真田幸村の祖にあたる。
海野宗家の子供が「幸隆」、その子が「昌幸」、そしてその子が長男・信之、次男幸村となる。
いずれも歴史に名をはせた猛将でもある。
その幸隆の婚姻に、長野一族の娘(姫)「つる」が嫁として選ばれた。
婚姻後、幸隆は「武田」の軍門に降る決意をする。
海野宗家は、「つる姫」をことのほか可愛がった。つる姫も義父を慕って尽くした。
いつもつるが縫った「こそで」を着ないで大切にして脇に置いてながめた。
その「こそで」が、まさかこんな事に使うハメになるとは・・・、誰も思わない。
一通の手紙を残して、「つる」が長野家へ走り去った。その後すぐさま自害をしたという連絡が
海野家に入る。
馬を駆けさせ、やっとの思いで長野家へ着いた海野宗家が見たものは、布団に横たわり「死化粧
」をした「つる」だった。
「何があった!」、つるの脇で絶叫した海野宗家が見たものとは・・・。
死化粧をして横たわる「つるの付き人の女」だった。
つるからもらった「こそで」を持って駆け付けた海野宗家は、わけが分からぬままその「こそで」を
死体に掛けた。

何があった? その後どのようにして生き延びたのだ・・・。
これが是非にも聞きたかった「海野のじじい」の切なる叫びだった。
その後、彼女の守護霊「つる」さんの降霊が行われたのは言うまでもない。
内容は後日として・・・。

『あの時の恩とわび、とりわけ「自分」と「せがれ」がかけたその苦労、罪深さをこれからのあなた
の人生を守り、導くことで許してほしい』と語る。
その内容とは、『さしあったて、あなたの後ろに滋野三家、海野・禰津・望月から一人一人を選りすぐり配置する。その三者は「三人よれば文殊の知恵」というがごときものでもあるが、もしそれでも
力及ばなければ、わしが立つ! 必ず必ず、全身全霊で守る!』・・・と。


彼女は内心驚きはしたであろうが、「自分」が分かった分その気になった。
自分の才能を存分に使ってください、となった。
平成10年と私のメモにはあるから、パソコンや携帯つまりIT時代のはしりである。
そんな時代(今から14年前)、その道のプロがメンバーに入る。
夢はふくらんでいった。もうジャマールの読者を相手にしなくてもいい。
「身内」でがんばれば、一挙に全国版で広がっていく。
彼女の技量がここで生きる。インターネットの妙味を知り尽くす彼女は、話をふくらませ、先へ先へと走り始めた。
例えば、講演会、座談会でもいい。隣に畳の部屋があったほうがいいでしょ、とばかりに高い値段の
会場の下見に走る。
「会」の名前を私に考えておいて、と言い残して下準備にまた走って行く。
「お金、儲けましょうね!」と、彼女の元気さには押され気味だ。
だが、待てよ・・・、K氏の暗い顔は何だ?
それにこの私の胸騒ぎは、どこから来る?

原因はあった。
K氏の霊界はまた、違うところで動いていた。
「今彼女が付き合っている人ね、ずっと年上の男だ。自分の父親みたいなね。
それだけならまだいい。これまでの間、彼女は中絶を繰り返している。一回や二回じゃないよ。
これからの我々の作業に、その男が必ず絡んでくる。金儲け?その男はきっと、よだれをたらして加わってくるだろう。そんなことは許されない。だから彼女にはその男をとるか、それとも自分の
これからの使命をとるか・・・。問い正す必要がある。
守護霊のいう、つまり海野宗家と、つるさんの二人の切望こそ、彼女も我々も果たすべき今後の生き方であり、課題だ。そこんとこをはっきりさせる最後の砦がある」と。

そうか、そうだったのか。このドンドン進む「金儲けの道」は、考えようには危険極まりない道でも
あったのか、と私は不吉な予感の意味を知って、むしろホットした。
我々には、そこそこの金しか与えてもらえない運命にある・・・。
身分相応の立場こそ、安心の土台となる・・・。


話がふくらまないうちに、彼女が暴走しないうちに決着をつけなければならない。
三者会談。楽しい、希望に満ちた話かと目を輝かす彼女の前に突き付けられた「課題」。
結果、彼女は「男」をとった。
またもや「男か!」、私はあの時の苦い思いをダブらせながら、ため息をつく。
あの時?そう、守護霊が上杉謙信のご母堂の彼女の事です。

こうしてK氏も、多分守護霊が最も会いたかった人であっただろう「再開」を「水のあわ」とした。
金を掴み損なったか? いや、さにあらず。
もし掴んだとして、そのようなお金は必ず何かのきっかけで、霧のように消えるに決まっている。
これでいいのだ。
ただ、彼女のこれからがうらめしい。
あれだけの霊的背景を約束されながら、それを棒に振り、「その男」とこれからも生きていくのか・・・。

「幸せになれるのかしら~?」とつぶやく私にK氏は。
「いいことはない。最後は刺し違いになるよ。でも本人には言ってあるから。脅しじゃないけど、
こうなるから充分気を付けて暮らせと、言うだけは言った。
結局は自分の人生は、自分が決めるんだから・・・。
あと一つ気がかりは、彼女のお母さん。彼女はね『エホバの証人』(ものみの塔)の強烈な信者だからね、そっちの今後も心配だね。だってお母さん、何にも知らされてないもの・・・」


その後すごく淋しそうなK氏の姿が見られたが、日々忙殺されて次第に忘れていきました。
14年という月日は、やはり「忘却の彼方」へと我々を誘(いざな)うようです。
私もメモを見ながら、次第に忘れつつあります。
ただなぜ今このように思い出し、ブログに書いているのか・・・。
実は部屋の整理中に、前から探していた「メモ」が、ようやく出てきたということと、このメモが
丁度10月の出来事だったという「偶然」でしょうか?
「あの男」はもうとうに高齢者もいいとこ、75歳をはるかにこえている。

私も「かすみ」を喰って今を生きている。
人の出会いは「一期一会」。しみじみ感じながら思う。
霊界のみなさん!一期一会を生かせなくって、ごめんね~・・・。