予約席

君、たのむ、死んではならぬ。自ら称して盲目的愛情。君が死ねば、

君の空席が、いつまでも私の傍にあるだろう。君が生前、腰掛けた

ままに柔らかく窪みを持ったクッションが、いつまでも私の傍に残る

だろう。この人影の無い冷たい椅子は、永遠に、君の椅子として、空

席のままに存続する。神も、また、この空席をふさいで呉れることが

できないのである。～太宰治「思案の敗北」


別に死ぬわけじゃないけれども、私の席は、あそこで、空席のまま残

るのだろうか？

そしてまた、私は、新しい席を作って、そこに座ることになるんだ。



席は、どこにあるんだろう？

あなたの、私のココロの中に？

あなたの席は、私のココロの中にいつでもご用意しております。

気が向いたら、いらしてください。

座り心地は、保証できませんが精一杯の饗応をさせていただきますよ。

んー、でもどうだろう。

自信がない。

なんだかぎこちない接待で、あなたを困惑させてしまいそうで、恐い。

とにかく、あなたがここにいらっしゃることを心待ちにしております。

なにかを待つココロは、切なくも幸せなことでありますね。