「ぶらり車イス紀行」 その423<o:p></o:p>
☆ 寒中見舞いと鬼子母神<o:p></o:p>
寒中見舞いを出すと、世の中の人から、次のような声が聞<o:p></o:p>
こえてきた。 <o:p></o:p>
「あなた達は、6人姉弟なので、1人ぐらい欠けても、残さ<o:p></o:p>
れた姉弟が5人もいるので、寂しさも少ないだろう。だから、<o:p></o:p>
気落とさんと、元気だしや」<o:p></o:p>
と言われました。<o:p></o:p>
「はい、でも……」<o:p></o:p>
と言って、後の言葉を飲み込みました。なぜかと言うと、そ<o:p></o:p>
の時、いつか聞かされた、鬼子母神の話を、ふと、思い出し<o:p></o:p>
たからです。<o:p></o:p>
『その鬼子母神と言うのは、1000人の子供を持つ母親で<o:p></o:p>
ありながら、常に人間の子供を捕まえては食べてしまうので、<o:p></o:p>
多くの人間から恐れられていました。それを見かねた仏様は、<o:p></o:p>
人間を救うと共に彼女を救うために、彼女が最も愛している<o:p></o:p>
末っ子を隠してしまいます。そうすると、彼女は、たちまち<o:p></o:p>
半狂乱となって探し回りますが見つかりません。そして、最<o:p></o:p>
後に、仏様に助けを求めてやってきます。仏様は、子を失う<o:p></o:p>
親の苦しみをコンコンと諭します。その話を聞いた鬼子母神<o:p></o:p>
は、今までの悪事を悔い改め、それ以後は、仏様の言いつけ<o:p></o:p>
を守り、子供と安産の守り神となったと言われています』<o:p></o:p>
鬼子母神ように、1000人の子供がいても、1人でもい<o:p></o:p>
なくなると寂しいように、姉弟が5人残っていると言っても、<o:p></o:p>
1人でも欠けることは、寂しいことに変わりがありません。<o:p></o:p>
ところが、よく考えてみると、10年前に70~80%の<o:p></o:p>
人がその場で命を落とし、たとえ、命を取り止めても、植物<o:p></o:p>
状態になると言われる脳幹出血を発症し、生死の境をさまよ<o:p></o:p>
った私が、今や、杖を突いてでも歩ける状態の一歩手前まで<o:p></o:p>
に回復しています。その時、70~80%の人の中に入って<o:p></o:p>
いれば、残された姉兄に、この寂しさを味合わせたと思うと、<o:p></o:p>
寂しがられるより、寂しがっている方が、まだマシかなぁと、<o:p></o:p>
思っております。<o:p></o:p>
だから、いつまでも、この寂しさを引き摺っていないで、<o:p></o:p>
生かされている命に感謝し、今まで通り前向きで明るく暮ら<o:p></o:p>
して行こうと思っております。 <o:p></o:p>
そして、昨年同様、ブログのご愛読、ブログへのコメント<o:p></o:p>
の投稿の程、よろしくお願い申し上げます。<o:p></o:p>
なお、寒さ厳しき折、お体大切にお過ごしくださいませ。<o:p></o:p>
たかし でした。