大府市議会議員 たかばとくこ の日々

2007年、政治の素人が議会に飛び込んでみました。

【視察報告】公共施設を長期維持更新していくためのマネジメント手法と課題 その3

2011-11-23 22:34:27 | 政務活動費(政務調査費)
【その2 に引き続き、政務調査費使用報告として議長に提出したものから転載】

●神奈川県秦野市・政策部公共施設再配置推進課「公共施設白書から再配置計画へ」

 PPPセンターの提言と藤沢市の事例に加え、インフラ課題「増え続ける道路延長・汚水管延長」プラント系課題「ごみ焼却場・汚水処理場」なども課題と認識。
①公共施設の総量を維持し続けることは不可能
②必要性の高い施設機能を維持するためには、そうでない施設との選別を進め、できるだけ機能を維持しながら更新面積を削減する必要がある
③結論を先送りすることは、次世代に大きな負担を押し付けることになる 
と強く呼びかけている。
 平成20年4月から専任組織として企画総務部内に公共施設再配置計画担当を設置した。公共施設の再配置とは、ハコモノのあり方について抜本的な見直しを行い適正配置と効率的管理運営を実現し、将来にわたり真に必要とする公共施設サービスを持続可能にすることである。

白書でとりあげたもの=再配置の検討対象=施設数457、土地面積168万平米、建物面積33万平米、棟数294棟

白書の構成
①本編204ページ 
②施設別解説編292ページ

白書の特色
①道路・上下水道以外の全てを対象とし現状と課題・所管の枠を越えた横断的な比較
②人件費含め利用者一人当たりのコスト、稼働率、県下各市との比較
③委託せず職員が作成・画一的でない市独自の視点での現状分析と課題抽出
④行政に都合の悪い情報も全て掲載

更新問題の対応として 
①現在の48億円/年(40年で1920億)で今後の管理運営と更新を行う 
②全ては維持できない。更新する優先順位をつける 
③更新しない施設費用分を建替え更新費用に充てるとして、更新できる面積を目標値に設定  
を打ち出した。
基本方針として
①新規建設はしない
②優先順位付けして施設を大幅圧縮
③優先順位の低い施設は全て統廃合の対象とする 
とした。最優先は義務教育施設、子育て支援施設、行政事務スペースとし、次に優先するものはアンケートなど客観的評価を得て決定するものとした。
 これらにより、40年後には現存施設の延べ面積比で4分の3に圧縮するとしている。そのための計画と進行のフローチャートを用意し、これから公共施設再配置基金を整備していく。
 現在、庁内に幹部をメンバーとした公共施設再配置計画推進会議を設置している。推進会議に6つのグループをつなぎ、延べ50人以上の職員がメンバーとなって計画推進体制を作っている。

【その4 では、大府市への提言 について掲載します】