Smoke will be with me!

cigar, cigarette, pipe tobacco等、タバコと私の濃密な時間

Night Cap (Dunhill)

2005-08-06 | My tobacco reviews
 初の缶入りタバコ、そしてラタキア初体験となったのはナイトキャップ。開ける前から特有の正露丸臭がほのかに香る。缶に明記されているようにコインを入れてひねる…いや、ちっとも動かない。気をとり直して思い切り力を入れるとしゅこっという音と共に空気が入った、なるほど。その後は簡単に開き、やっとタバコとご対面。
 
 開ける前からしていた香りがぐんと強くなり、ツンとした香りが鼻を突く。その中にローストしたような焦げた香りが混ざっている。これがラタキアの香りか…第一印象は決して嫌な香りではない。よく正露丸に例えられるが私には別の、もっと高貴な香りに思える。だとしたら何だろう?つまんでみると葉はかなり湿っていて、黒っぽいものが多い。こりゃ吸いづらそうだ…そんな風に考えながらよく揉んでパイプに詰める。案の定、火はよく消えた。
 
  白状するが、最初は好きとも嫌いとも言えない味わいに感じた。嫌ではないが、両手を上げて好きと言えない、とでも言うべきか…というのも、ナイトキャップの持つ独特の風味は今までに経験したことのないものだったからだ。それがラタキアなる葉のせいであるのは間違いない。しかし、このタバコの旨さはそこにあるわけではない、と私は思う。ピリッとしたスパイシーさ、そしてチョコのような香りもある。甘味もかなり感じるが、それでいて口内がすっきり、さっぱりする。ラタキアはしっかり感じるが、あくまでもこのタバコが持つ他の風味を際立たせるためのアクセントとしてであり、時々顔をのぞかせては味わいに深みを持たせている(と言うにはかなり主張はしているが…)。なんとも表現のしようがない複雑な味わい、それがこのタバコの魅力ではないだろうか。一言で言うなら、アロマテラピーである。

 吸っている時はさほど感じないのだが、吸い終えるとフルボディなタバコだなぁと思う。ロイヤルヨットのようなストレートな強さではなく、味わいの深さと複雑さが満足感をもたらすのだ。最初は疑問符ばかりだった私も、夜になると吸いたくなる。すっかりパブロフの犬状態だ。しかし、そうなった今でも"好き"と言えない不思議なブレンドである。もっともこれは、まだ自分の嗜好がはっきりしていないからだろう。きっと時間が解決してくれるはず…そう信じている。
 
 さて、私にとってナイトキャップが初ラタキアになったわけだが、タイミングも良いので感想を述べておくことにする。私が感じるラタキアのイメージは、やはり正露丸ではない。どうもそう言い切れない、何やら高貴な香りがするのだ。果たしてそれは何だろう?私の頭に浮かんだのは二つ。一つは墨の香り。書道で使う、あの墨である。高級な墨は良い香りがする。墨を擦ることで気持ちが休まる…このアロマはまさに墨を擦っている空気感と酷似している。そしてもう一つはウィスキーだ。海の香りとも、ピートの香りとも言われるアイラモルト特有のヨード香もラタキアというタバコ葉には漂っている。これがラタキアの個性なのか、はたまたナイトキャップだからそうなのか…現時点では何とも言えない。
 
 なにやら凄いことになってきたぞ(笑)