Smoke will be with me!

cigar, cigarette, pipe tobacco等、タバコと私の濃密な時間

Amphora Full Aroma~ part2

2006-08-28 | My tobacco reviews
 初心に帰り、ベストメイクビリヤードでAmphora Full Aromaを吸う。この組み合わせでなければ儀式の意味は薄れてしまう。葉を加湿している一週間、パイプも休ませた。これまでパイプを一週間も休ませた事は一度もない。なぜなら、私が持っているパイプは2本しかなく、そこまで休ませる事が出来なかったのだ。(この休憩のしわ寄せは当然もう1本のパイプへ…フル稼働となった・笑)この一週間で葉はしっとりと湿度を帯び、パイプの内側はカチカチに固まった。さぁ、準備は整った。
 
 まずは葉を揉む。揉んでよく解すのだが…最初の頃はこんなに揉まなかった。刻みが大きくてパイプに入れ辛いなぁなどと思っていた記憶がある。解し終えたところでパイプに詰め、着火…うーん、何やら懐かしい香り。
 
 心地よいバニラの香りと程よいバージニアの味わい…とてもいいバランスだ。そして、自分の記憶よりもその香りが持続していた。前は時間と供に香りが無くなっていたのだが、今回は持ちがいい。満足感時々パイプに触れて温度を確かめてみたが、ボウルほんのりと温かい程度。どうやら少しは技術も身に付いたようだ。
 
 感想としては…なんだ、旨いじゃないか!である。(休ませたことで)乾いたパイプ内のカーボンが助けてくれたことも関係あると思うが記憶よりも遥かに旨い、旨く感じた。香りも非常に穏やかで、フルーツ系とバニラが入り混じって心地よい。それほど強くないので吸い終えたあとの満足感、重さは感じない。なので朝一にも向いているし時間を選ばない。この香りなら周囲に嫌な思いをさせることもないだろう。よく考えてみればいつでもどこでも、という万能ブレンドだ。ただし自分には軽い。欲を言えば、もう少し重さが欲しいところである。
 
 しかし、"焦げに強い"という評判にはちょっと疑問が残る。初心者向け銘柄と位置づけられているAmphora Full Aromaだが、この心地よい感じを維持するのは結構難しいと思う。濃い目の味が欲しいと思う余り、つい吹かし過ぎてしまうことも影響しているとは思うが…

 1年に1パウチ、今後も続けてみたいと思う。なかなか面白い。初心忘れるべからず、である。

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Amphora Full Aroma (Amphora)~ part1

2006-08-26 | My tobacco reviews
 去年始めたpipe smokingも1年が過ぎた。2年目を迎えるにあたり、記念になるような何かをしたい。そこで思いついたのが、自分にとって初めての銘柄を吸おうということだった。初心者用のpipeとセットになっていたAmphora Full Aromaである。
 
 何を隠そうこのAmphora、cigarettを扱っている店ならば必ず置いてあると言ってもいいほどポピュラーな銘柄で、Full Aromaをはじめ、OriginalやMellow Blendなどという日本ではお目にかかれない様々なAmphoraが手に入る。

 もっとも1,000円でお釣りが来る(50g入りのパウチ)と違い、お値段は2倍以上。更にGST(国の消費税)6%まで取られてしまうという悲しい状況。そんな状況だから、出来れば試した事のないブレンドを…という気持ちも大いにあったが、そこは記念的意味合いが大きいのだからと泣きながらも敢えてFull Aromaを購入。
 
 パッケージは基本的に日本のそれと同じ。違うのは表示が英語とフランス語の二カ国語になっているところぐらい。cigarettと比べると、警告文も比較的目立たない位置にあってなかなか宜しい。
 
 パウチを開けてみるとイイ香りがする。そうそう、これだよこれ、この香り。1年前の記憶が蘇る。バニラ、チョコ、レーズン…酸味のある微かな発酵臭も感じる。初めての時はパイプ初体験ということで興奮していて気がつかなかったが、これはフレーク。フレークを解した物だったんだな。少し乾燥気味だったのでジャーに移して加湿した。これは予想していたので早めに購入したのだ。そして一週間後、自分だけの儀式を始めた…

artisan & artist~ part2

2006-08-21 | cigar
 職人は綺麗な瞳をしていた、そして若かった。
どこかで会ったことがあるような気がしたのだが、Cuba人に友人はいないし、ましてトルセドールに知り合いはいない。どこにでもいそうなラテンの兄ちゃんという雰囲気だったから、そんな気がしたのだろうと家に帰った。そして2時間後…
 
 しまった!やっちまった…
思い出したのだ、あそこでcigarを巻いていた男のことを。あのトルセドールはただの葉巻職人じゃない、あの男はマスタートルセドール。職人になってわずか3年で葉巻職人の最高位・9段になったHamlet Jaime Paredes氏その人だ。何を隠そう私がRomeo Y Julieta工場に行ったのも彼に会うためだった。あの時彼はアジア各国を回っていて香港から戻ったばかり、休みを取っていて会えなかったのだ。彼が目の前で巻いたcigarに火を着けるのが私の目的の一つだったのだが、その彼がまさかあんな小さなショッピングモールにいるとは…

 しかし無情にも時計の針はすでに6時、モールは終わっていた。そしてあのデモはこの日だけ。いくつか気がつくチャンスはあったはずだが…思い出せなかった自分を悔やんだ。どこで間違ったのか…間違った場所の代わりに思い出したのは年配の女性が彼に話しかけた時のことだ。

「あんたもsmokerなの?」
「そうですよ」
「まーbad boyね」
「…(苦笑)」
「そんな葉っぱいじってると体が変になっちゃうわよ」

 彼は社会主義国・Cubaが海外に派遣するほどの人間、国の代表だ。誇りもあるだろうし、国に戻れば結構な地位だろう。もちろんそれなりのcigar shopならば、あんな会話は有り得ない。cigar smokerの間では邪険に扱われる事など決してない。しかし、あの小さなモールではこんな会話が交わされていたのだ。そのギャップを思うと笑える。
 
 それにしても、これで二回目だ。
一度は会いに行き、彼もHavanaにいたにも関わらず会えず仕舞い。今回は向こうからやって来てくれたのに私が気付かなかった…これは間違いなく縁が、いや”煙”がある。きっと三度目は一緒に煙を燻らせることが出来るはず、そう信じている。

artisan & artist~ part1

2006-08-16 | cigar
 近所のショッピングモールに買い物に行った。少し前に買ったケーブルが短かったのでそれを返品し、長い物を買い直すためだ。目指す物も目的もはっきりしていたので用事は10分ほどで済んだのだが、車まで戻ろうと出口へ向かう途中、小さな机に向かって作業をしている男が目に入った。
 
 ちょうどSamの店の前。
そこは私がcigarを始めた頃時々顔を出していたキオスクのような店で、当時その店の主人はSamと言う名の韓国人だった。Samの店というのは私が勝手に付けた名前である。しばらくしてSamはリタイア、オーナーは別の韓国人に代わった。

 そのSamの店はcigarを扱っている。スナックや雑誌、新聞やらコーラやら…そんな店にしては珍しくcigarの品揃えが豊富だ。オーナーが変わってからはヒュミドールになっている棚をチェックする事も無くなったが、それほど回転がいいとは思えない。特にCuba産は高くて売れないだろうから、モノによってはビンテージになっているものもあるんじゃないか?通る度にそんなことを思ったりして…
 
 そう、その店先に置かれた小さな机…いや驚いた。なんとcigarを作っていた。そこに腰掛けていたのは葉巻職人・Torcedor(トルセドール)だったのだ。横に控えていたのはSamの店のオーナー、の息子が(決してSamの息子ではないのでご注意を←わかる人にはわかる、わからない場合はそのままで結構というシャレです、はい)、CubaのRomeo Y Julieta工場で働いている職人だと紹介してくれた。そう言えばCuba旅行の時、Romeo Y Julieta工場併設の店に行ったっけ…Cubaの葉巻職人は自国の葉巻宣伝の為に世界各国を訪れデモを行っている。「トーキョーにも行ったことがあるよ」スペイン語訛りの残る英語で職人は言った。
 
 それにしても見事だった。
普通、cigarを作る時は葉を固めるために木型を使う。固めた後、バインダーと呼ばれる葉で巻き、最後に大外の葉・ラッパーで巻くのだが、この時はデモということもあって木型を使わず全て手で巻いていた。基本的に質問などは、そのオーナーの息子が受け付けていたのだが、それでも道行く人はお構い無しに直接職人に話しかける。そんなわけで彼自身が質問に答えなければいけない場面が結構あったのだが、その時も手は止まらなかった。目は手元から離れているのに、である。速い、そして正確。指先の感覚で作業をしていた。私がCubaで見た職人とは明らかにレベルが違う。まるで指先に目が付いているようだった。