Smoke will be with me!

cigar, cigarette, pipe tobacco等、タバコと私の濃密な時間

Amphora Full Aroma ~パイプ初体験

2005-06-25 | pipe
 なんと私のパイプデビューにメシャムさんがお付き合いしてくださるとのこと。こんなにも嬉しく、心強いことはない。日本に帰国した翌日、錦糸町のラ・ピエールへ向かった…
 
 錦糸町に到着し、店に入るとパイプを銜えた二人の男性客が目に入った。どちらかがメシャムさんだろうか?いや、もしかしたら違うかもしれない。メールでのやり取りはあったものの会うのは初めてなのだ。なんと声を掛ければいいものやら…不安になり店を出て電話をすると、男性客の一人がメシャムさん、もう一人がひでらさんだと判明。早速ビギナーズセットを購入し、その場で吸うことに…
 
 タバコはアンホーラフルアロマ。パッケージを開けると甘い香りがする…メシャムさんの指導の元、まずはタバコ葉を揉み解す。ドキドキして手が震えた。詰めた時の固さをメシャムさんのパイプで確認する。思っていたよりも固く詰めていた。「マッチで着けてみましょう」といよいよ着火。一度目の着火で表面をしっかり灰にするようだ。そして二度目…火が着いた。「気負わず、意識しないで」そう言われながら三人でぷかぷか。
 
 こ、これがパイプか、これがパイプタバコなのか!という感動は無かった。どれが味なのかがはっきりしないというのが正直な感想だ。シガレットでもなければシガーでもない。煙、味、香り…その全てがじんわりして、優しい感じなのだ。「吹き戻しの方が多いぐらいですよ」そうメシャムさんは言った。吸って吹いて…その繰り返しを静かにやってみた。時々甘い味、香りがしたかと思えば焦げているような匂いの時もある。もちろん何度も火が消えた。何度も着け直し、吸って吹いて…繰り返した。二人のパイプを観察すると、煙がほとんど出ていない。いつ吸っているか、いつ吹いているのかわからないほど煙が少ないのだ。そしてボウルの温度だ。メシャムさんのパイプを触らせてもらうとほんのりと暖かい。こんなに冷たくていいのか…タンパーもいつ使えば良いのかまるでわからない。見様見まねで使ってみるが、どうも間違った使い方をしているようだ。うむむ、これは難しい。
 
 何よりも気になるのはパイプの重さだった。
口から真っすぐに伸びたビリヤードはとても重い。なかなか安定する位置が見つからず、姿勢を変えると動いてしまう。唾液を飲み込むために何度もパイプを口から外す。そうか碓井さんが言っていたのはこのことか…これに慣れなくてはいけないのだな。いろいろな要素が頭の中をぐるぐると駆け巡り、とてもじゃないが無意識に吸うことなんて出来ない(笑)

 40分ほど経っただろうか?残りは後で吸うことにしてここでひでらさんと別れ、メシャムさんと銀座へ移動。老舗の菊水で美しいパイプ、高価なパイプをたくさん見せていただき、触らせていただいた。しかし世の中にはたくさんのパイプがあるものだ。どれが良いパイプなのかさっぱりわからなかった。いつの日か私もこれらのパイプを欲しがるようになるのだろうか?モールとマッチを買い、菊水を後にした。
 
 メシャムさんと握手で別れた後、空き時間に続きを吸ってみた。
車の中という密閉された空間だからなのか、さっきよりも味がはっきりとわかる。アンホーラフルアロマ…チェリーとバニラの香りが着いているので気付かないが、タバコ葉の味はしっかりとある。もしかしたらタバコとしては結構強めなのではないだろうか?

 相変わらずパイプは安定しないし火も消える。しかしこの日の私はビギナーの仲間入りをしたのだ。味はわからずともそれだけで大満足の一日だった。初対面にも関わらず、手取り足取り教えてくださったメシャムさん、ひでらさん、そして店頭での喫煙を見守ってくださったラ・ピエール店主・石黒裕朗氏にもこの場を借りて…お礼を申し上げます、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

 パイプもある、タバコもある。タバコの詰め方も吸い方も手ほどきを受けた。あとは楽しみながら、試行錯誤しながら吸っていくだけである。「10ボウル目辺りから味が変わりますよ」そうメシャムさんは言っていた。これはパイプに慣れるということと、パイプが育ってくるという二つの意味だと思われる。何しろ、まだどういう吸い方をすれば美味しく感じられるのかがわかっていないのだ。タバコは体調やメンタリティ、そして時間帯などで味わいが大きく変わる嗜好品。ここでパイプを変えたり、違う銘柄を吸ってしまっては自分自身を混乱させるだけだ。日に2ボウルを目安にしばらくの間、アンホーラフルアロマだけを吸っていくことに決めた…

近所にパイプタバコはあるのか?Part2

2005-06-23 | パイプに興味津々
 バンクーバーのダウンタウンにある店でパイプタバコを見かけたことを思い出し、ついでの時に寄ってみた。店があるのはイェールタウンと言う古くは倉庫街だった地域。今では再開発が進み、お洒落な店やクリエーター達が集まるスポット。今回の目的である店はVancouver Cigar Company。その名が示す通りシガーショップである。数年前にシガーカッターを買って以来、何も買い物はしていないが、前を通れば冷やかし程度に寄ることにしている(笑)
 
 パイプタバコは店の中央にあった。大きなガラスジャーに入ったそれは店のオリジナルブレンドらしい。葉はどれも黒く、粗い。それぞれのジャーにはラベルが貼られ、どんな葉がブレンドされているのかがわかるようになっていた。フタを取って香りを確かめてみると…甘い、甘い香り。シガレットでもシガーでもなく、お菓子のような甘い香りがした。そして、今まで何度も来ていたにも関わらず気付かなかったのは、ジャーが並ぶ隣、ショーケースの中にパイプが並んでいたことだ。数はそれほど多くない、せいぜい7、8本。シャコムやらスタンウェルやら、覚えたてのブランドを確認出来た。店員は皆若く、パイプなど銜えている姿は見たことがない。このハウスブレンドを試すことはあっても、この店でパイプを買うことは無いだろう。
 
 この店はシガレットも豊富に扱っていて、その全ては見えるようにディスプレイされている。もしパウチや缶入りのパイプタバコがあるのなら並べておくはず。確かめたわけではないが、ハウスブレンド以外パイプタバコを扱っている可能性は低い。ぐるりと一回りして店を出た。
 
 とにかくタバコはあったのだ。これだけでも収穫はあった、そう思っていたのだが、もっと身近なところで売られているのを発見した。London Dragという店だ。ここは日用品を中心に、化粧品や薬局、パソコンなどの電化製品、CDやDVD、1 hour photoなどが入ったコンビニを大きくしたような店。街中至るところにあり、お買い得商品が出ることもある。別の用事で行った時、別カウンターになっているタバコ売り場を何気なく見ると…な、なんと、アンホーラと書かれたパウチが並んでいるではないか。その隣には白地に黒…キャプテンブラックだ。灯台下暗しとはこのことだった。
 
 ここだけではなかった。スーパーのタバコ売り場にもいくつかのパイプタバコを見つけた。やはり今まで気にしていなかったから気付かなかったのだ。ならばあそこにもあるはずだ。そう思って行ったのは最寄りのショッピングモールにある一つの店。そこは新聞や雑貨などを扱う韓国系カナダ人が経営するキオスクを大きくしたようなチェーン店。豊富とは言わないまでもシガーもかなりの量を扱っている。シガレットはレジの後ろに並んでいて、その並びに…あった。ここにも5種類ほどのパイプタバコ(パウチ入り)があった。主人に缶入りはあるかと聞いてみたが、そこにあるだけとつれない返事(笑)
 
 カナダのタバコは定価法ではない。そのため店によって価格が違うが、だいたい50g入りのパウチが$18から$25。これに国の消費税7%がかかる。1カナダドルは約90円だから、日本の二倍以上か…まあ仕方がないか。手に入ることはわかったのだ。それだけでも良しとしなければ。

DavidoffとDunhill

2005-06-19 | pipe
 知っている人には馬鹿にされそうだが、私は長い間ダンヒルとダビドフの区別がつかなかった。いや、違うブランドだということはもちろんわかってはいたが、似たような名前で("ダ"しか同じじゃねぇって突っ込みは無しで…)タバコを作り、紳士のアクセサリーも作っている。どちらかと言えばダンヒルの方が有名、そんな認識しかなかった。だから呼ぶ順番は"ダンヒルとダビドフ"、ダンヒルが必ず先でダビドフが後、そう決まっていた。
 
 ところがシガーを覚えてからその順番が逆転する。
ダビドフというブランドを作ったジーノ・ダビドフがキューバシガーにもたらした功績。品質維持の為にキューバを捨ててドミニカでの生産に踏み切ったプライド。それが原因となって、高値で取引されるキューバンダビドフへの憧れ。"その一本が人生最後のシガーだと思い、慈しんで吸うこと"という彼の言葉…逸話の全てが私を魅了した。ダビドフシガーは私の口に合わないものが多いのが残念だが、シガーにおけるトップブランドであることは明白である。そして私のダビドフに対する尊敬の念、憧れの気持ちは今も変わらない。

 さぁ、今度はパイプだ。
シガーも作ってはいるものの、シガースモーカーの中でダンヒルシガーが語られることは少ない。なぜこれだけ有名なブランドなのに…そう思ってきたが、パイプに興味を持った今、私はやっとダンヒルがどんなブランドなのかが見えてきた。ダンヒルの始まりはパイプだったのだ。今の私にはいったい何が違うのか皆目見当もつかないが、パイプは他メーカーと一線を画す正札がぶら下がり、それが60年代や70年代のものになれば驚くべき価格で取引される。一方パイプタバコは庶民に優しい価格設定、種類が豊富。パイプタバコ未経験の私にとってはファンが多いことも充分期待が持てる材料だ。
 
 話しをダビドフに戻そう。
シガーブランドのダビドフもパイプやパイプタバコを作っている。価格はどちらも高目。特にタバコは(日本では)ダンヒルの倍以上するものがある。価格に関しては、ダビドフらしいと言えばダビドフらしい。ウチは安売りしないよ、という姿勢が表れているような気もする(笑)

 さて、ここで気になるのはパイプである。タバコがパイプスモーカーの間で話題になることはあるようだが、ことパイプに関しては何も噂を聞かない。まあ天下のダビドフがいい加減な物を売るわけはないと思うが、良い噂も悪い噂も聞かないというのはなんとも不思議な気分である。
 
 尚、タイトルはアルファベット順。
これならどちらのファンからも文句は出まい。

葉巻愛好者

2005-06-12 | cigar
 書店で購入出来る唯一のCigar雑誌は言わずもがなのcigar aficionadoである。隔月発行されるこの雑誌の発行人はMarvin R. Shankenという人物。一般には全く知られていないがCigar Smokerでこの男のことを知らない者はいないだろう。

 話しは変わるが、米国第35代大統領John F KennedyはCuban Cigarが大好きだった。中でも常喫していた銘柄はH. UpmannというブランドのPetite Upmannという小さなハバナシガー。

 1962年のCuba封鎖前、秘書のPierre Salinger(彼はつい先頃亡くなった)に命じてPetite Upmannを集めさせた。その数は1,000本とも1,200本とも言われ、自分のCigarを確保するとCubaに対する経済政策を開始した。自分のタバコはしっかり確保しておいてその仕打ちは無いだろうと思うが、この政策が今も引き続き行われているせいでCuba製品は一切アメリカに持ち込むことは出来ない。

 その政策から一年後、Kennedyは何者かに暗殺される。この時の調査結果、その資料の公開は2039年にその封印が解かれることになっていて、それもまた楽しみではあるが…結局Kennedyは確保したCigarを吸い切る前に亡くなった。

 前置きが長くなったが、KennedyのCigarを保管していたHumidor(ヒュミドール、当然残りのCigarも含まれる)これをオークションで落札したのがMarvin R. Shankenという男なのだ。価格は当時のレートで約6,000万円と言われている。もちろん全米の注目を浴びた。彼は確信犯である。なぜならオークションはCigar Aficionadoの創刊に合わせるかのように行われたからだ。もちろん彼自身もaficionado(愛好者)ではあるが、それと同時に商売人なのだ。

 雑誌の内容については別に機会を設けるつもりだが… 現在書店に並んでいる最新号の表紙を飾るのは俳優のJimmy Smits。これまた馴染みの無い名前だが、StarWars Episode3で重要な役を演じている。彼もまた、cigar aficionadoである。

ビギナーズセット

2005-06-05 | パイプに興味津々
 "高価なハンドカット等要りません。先ず最初はビリヤードから初めて下さい"
 
 どこからともなくありがたい声が聞こえてきた(笑)
そう、タバコもそうだがパイプも要る。

 きっとパイプ未経験者は皆そうだと思うが、私も"パイプは高価な物"だと思っていた。高価な物だからこそ、気に入った一本を選び、それを大事にずっと使う…そう思っていた。ところが違った。もちろん高い物はいくらでもある。しかし逆に、安い物だってあるのだ。そしてまた天の声が聞こえた。
 
 "まずパイプを買う事やね。パイプは高いのは要らん。一番安いヤツでええ。使わん内にああじゃこうじゃ考えてたら喫む前に嫌に成るで。それに初パイプは、幾ら信頼出来るメーカーの作り込みがええパイプを買うたとしても、初心者には解らんからね。パイプ買うて、兎に角火を点ける。それで壊す積もりで使て下さい。大いに失敗して下さい。そこから多くの事が学べる筈です。無難にやる必要は無い。大失敗して下さい"
 
 なぜか天の声は関西弁だ。
そう、パイプメーカーは星の数ほどあり、シェイプの違いサイズの違い…初心者、未経験者はどれを選べばいいのか全くわからない。何しろ最初はビリヤードという真っすぐなパイプがいいらしい。喫煙方法を身に付ける為にそのシェイプがいいと言う。良かった、私も真っすぐなパイプが好きだ。これでシェイプは決まった。では、どれを、どこで買うか?私に必要なのは信頼出来る人間と言ったが、これはタバコ屋の主人のことだ。経験豊かな主人のいる店、しかも日本に帰った時に立ち寄れる店がいい。

 オンラインショップを見てみると、どこもビギナーズセットというのが用意されている。価格はどれも良心的、これを買うのが一番良さそうだ。ところが店によってはビリヤード以外のシェイプのセットもあるし、付属のタバコも違う。中にはタバコの銘柄が記されていない物もある。そこで私は店を絞ることにした。ビリヤードだけでセットを組んでいる、タバコの銘柄がはっきりしている、そして私が立ち寄れるという三つの条件で店を探した。そして浮上した店に早速メールを出し、質問をぶつけてみた。なぜこのパイプを選んだのか?なぜこのタバコなのか?
 
 メールの返事はすぐに来た。答えは簡潔、且つ明確だった。実家に届けてもらうことも考えたが、私の帰国はひと月ほど先になりそうである。となるとパイプはともかくタバコが心配だ。再びメールを送ると…
 
 「6月末ごろまでの在庫は十分ございますので、ご安心ください。セットは少量ずつ当店で組んでいますので、たばこは新しいものが入っています。ご来店をお待ちしております。」

 どうやらこの店、信頼して良さそうだ。
これでタバコもパイプも店も決まった。あとは実際店に行くだけだ。ちなみにタバコはアンホーラフルアロマ、パイプは深代製作所製ベストメイクビリヤード、である。