Smoke will be with me!

cigar, cigarette, pipe tobacco等、タバコと私の濃密な時間

WBC~ Semi Final Dominican Rep. vs. Cuba

2006-03-22 | cigar
 アメリカで行われている野球の世界一を決めるWBC。日本は宿敵韓国を破り決勝へ進んだ。その前に行われたもう一つの準決勝はDominican Rep. vs. Cubaだった。cigar smokerならば、この対戦カードにニヤリとしたはずだ。

 戦いの舞台であるアメリカはKennedy大統領が60年代に始めた輸入禁止措置により、今もCuba製品が持ち込めない。Cubaに対し経済制裁が始まる時、多くのcigar生産者はMiamiや近隣諸国に逃げた、タバコの種を持って逃げたのだ。そうしたCuba難民がCuba以外の国で、Cuba産と同じブランド名を付けて自分たちのcigarを作り始めた。その結果、モノが違うにも関わらず、同じ名前のcigarが存在すると言う非常に複雑な事態を招いた。

 CubaのPartagasとCuba以外のPartagas…Cubaにあるほとんどのブランドは他の国にもある。アメリカで売られているH. UpmannやRomeo Y JulietaなどはもちろんCuba産ではない。きっと種もブレンドもCubaと同じなのだろうがタバコ葉は農作物だ。それがたとえ似た気候であっても味わいは違う。cigarを始めるとまずそこで混乱する。名前こそ同じだが、似て非なる物なのだ。

 公式にCuban cigarを輸入する事が出来なくなったことも手伝い、今では世界最大のcigar生産量を誇るまでに成長した。需要と供給のバランスだ、Dominicaはアメリカの大きな資本をバックに生産量を増やし続け、最大の顧客であるアメリカの要求に応えたわけだ。

 野球の話に戻ろう。 Majorの選手をずらりと並べたDominicaに対し、アマチュア野球最高峰と言われ、こうした国際大会でなければ選手を海外に派遣しないCuba。何を隠そう私の予想ではDominicaが優勝することになっていたからCubaの勝利には少し驚いた。やっぱりCubaは強いの?と聞く妻に私は答えた…

 「うん、やっぱり土が違うからな」

 一番大切なのは大地である。
たとえそれが野球であろうがcigarであろうが…
かくして葉巻大国同士の戦いは赤い土のCubaに軍配が上がった。

Camacho Corojo Churchill

2006-03-18 | cigar
 cigarに使われる葉巻葉にcorojo(コロジョ、スペイン語ではコロホ)という種類がある。かつてCubaではwrapperにこのcorojo葉を使っていた。

 wrapperとはcigarを作る時に最後に巻かれる一枚葉のこと。cigarにおいて、人の目に触れるのはこの葉だけであるから、葉脈が少なく見た目に美しい選りすぐられた葉が使われる。

 ところがこのcorojoというタバコ葉は育てるのに大変な手間がかかる。虫が付きやすく、収穫量が非常に少ない。タバコとしては非常に優れた香りと味を持ちながら、作り手にとっては"あがり"の見込めない農産物だった。これが原因となってcubaでは作られなくなったといういわく付きのタバコ葉である。

 その厄介な品種をwrapperだけでなく、cigar全てに使い、Hondurasの地で蘇らせたのがCamacho Corojo。パワフルで香り高く、それでいてリーズナブル。私のお気に入りの一つである。(cigarはもちろん農作物であるから、たとえ種が同じであっても土が変われば味は大きく変わる。しかしHondurasの気候はもっともCubaに近いと言われている。)

 箱を開けると一枚のカードが入っていた。 それによれば、収穫は2001年、箱詰めは2005年の1月、出荷は2005年の4月。そして生産と梱包の責任者二名のサインがあった。2001年にはHondurasの畑にあり、4年寝かされた後、タバコ葉はcigarに形を変えアメリカに出荷され…私の手元に届いたのだ。この一枚のカードはCamachoの自信であり誇りの表れにほかならない。

 良き日に吸おうと、私は再び箱を閉じた。