Smoke will be with me!

cigar, cigarette, pipe tobacco等、タバコと私の濃密な時間

No-smoke city

2006-07-18 | tobacco
 White Rock市は私が暮らすBC州の南、アメリカとの国境付近にある。なんとこの市議会議員の一人からこんな提案が出された…「この街でタバコを売るのを禁止したらどうか?」
 
 White Rock市内に限り、タバコの販売を違法にしようという提案だ。多少なりともタバコを買う事が困難になれば喫煙するティーンエイジャーの為になるのではないか、というのが主な理由だ(ちなみにBC州では19歳から喫煙可能)。市内で買えなくなれば市外へ出なければならず、車を持たない、或いは運転免許を持たない若者に対して有効ではないかと…もちろん皆この提案に賛成している訳ではない。White Rockに限ったことではないが、若者がクラックなどの違法ドラッグで死亡するケースが増えている。現在タバコ製品は合法、タバコよりも違法ドラッグについて考えるべきだという意見もある。
 
 実はこのWhite Rockという街はLower Mainland(Vancouverとその周辺地域)で初めてレストランを全面禁煙にした市の一つで(1995年のことらしい)、それがBC州全体に広がり、レストランはもちろんバーであっても建物内は禁煙という現在の決まりに発展した(テラス席は除く)。つまり今日のカナダにおける先駆けとも言える市なのだ。それを可能にしたのは市の規模だ。White Rockは車なら30分ほどで一周出来てしまうほど小さな街。これがVancouverやBC州全体となるとかなり難しい話しだが、この小さな街なら出来る。それほど大きな混乱はないだろうという見方もある。
 
 さて…タバコの販売を禁止することが、果たして未成年者-19歳未満をこう呼ぶ事にする-に対して有効なのだろうか?日本と違い自動販売機で買えるわけではなく、店に行き店の人から直接、必ず人を通して買っているわけで、そこで怪しいと思えば売る方はIDの提示を求める事が出来るのだ。この方法がきちんと守られていれば何もタバコの販売を禁止する必要もないだろうに。
 
 仮にWhite Rockでこの提案が可決されたとして…どうだろう?タバコを欲しいと思った未成年、車を持たない(或いは免許を持たない)未成年者はバスに乗って隣町まで行き、IDの提示を求められずに今まで通り買えてしまうぞ。何ならまとめ買いという手もある。誰かが一人買いに行って、それを皆で分ければバス代も浮く。なかなか面白い提案だとは思うが、あまり賢いやり方では無いような気がするのは私だけだろうか?所詮政治家の言うこと。提案も、その理由も鵜呑みには出来ない。
 
 しかしこれが可決されると、初めてのケースとなった95年のように"前例"となって州全体、またカナダ全土に広がる可能性が…いや、それは困る。そうならないことを切に祈る私であった(笑)

紫煙、Berlinの空に舞う

2006-07-14 | cigar
 Italyが優勝した瞬間、ちらりと監督のMarcello Lippiが映った。World Cup優勝の瞬間であるから監督としても最高に嬉しいはず。普通ならば両手を上げガッツポーズの一つもし、よっしゃー!と声でも出すはずだ。ところが彼はくるりと後ろを向き、上着を手にした。私はその姿に違和感を感じた。そして画面は喜ぶ選手達を追い始めた…
 
 大歓声に包まれた表彰式の後、選手、スタッフ、関係者が入り乱れ、勝ち取ったカップに触ろうと皆が手を伸ばしていた。そこにLippi監督の姿もあった。当然だ、選手達を優勝に導いた彼にも触る権利がある。左手を伸ばし、嬉しそうにカップに…と、その右手にcigarがあったのを私は見逃さなかった。その時、彼の手にあった細身のcigarは1cmほど灰になっていた。まさに優勝が決まったその時、彼はcigarに火を着けたと思われる。
 
 そこで私ははっとした。彼が上着を手にした理由…あれはポケットに入っていたcigarを取るためだったのではないだろうか。



 確かヨーロッパではピッチ上は禁煙だったはずだが…BerlinのOlympic Stadiumがそうだったかどうか、私は知らない。しかし、たとえそうだったとしても、この1本は許してあげて欲しい。彼は仕事を全うし、最高の栄誉に輝いたのだから。そしてこの時、すでにその職から退くことを決めていた可能性も高い。きっとこのvictory cigarには彼の様々な想いが込められていたはずである。