シニアになって、今一度「ムーブメント」を感じる旅に出てみようか
秋が二度見する
藍紫色のアウター
色ながら散る椛たちが
髪と袖口でひと休み
忘れられない
案山子が誘う山道デート
キミを知り得るには
金メダル級の一日だった
でも、尊い時間は
切ないほど早く過ぎ去り
悲しいほど 短い
今も尚、心を覆い尽くす
ブラウンな季節 … 秋
ラグの詩(男と女の話)
山の紅葉が
秋の夕日の力を借りて
綺麗だねの一歩手前
ラグの詩
「思いのほか」
予想をしたからこそ
この言葉が使える
「予想だにしない」
予想を遥かに超えてゆく
想像すらできない
悪くない
いや、この世界観
好きなのかもしれない
言葉に癒されて・・・
ラグの詩
朱夏を過ぎ
愈々、白秋へ向かう
足掻くことなく
まだ終わらぬ畢生の
道標をゆるり
唯、どうしても
灼熱の貴女が心残り
サザンの唄が
過去の恋心を揺さぶり
今も尚、ザワつく
ラグの詩(男と女の話)
この青い空を
この白い雲を
心に留めておこう
この暑い日を
忘れないように
心に留めておこう
この暑い夏を
ピンで留めるように
心に留めておこう
ラグの詩
将来を悲観して
心を閉ざす大人がいる
未来に希望が持てず
彷徨う若者がいる
今日を
乗り切らなければ
将来も未来も無いはず
今日を
超えて行かなければ
何も生まれやしないだろう
何も起こることは無いだろう
今日を 生きよう
今日を 夢中に生きよう
今日を 無我夢中に生きよう
ラグの詩
梅雨空を掴んで
遠くへ投げてみたー
青空が広がって
思いのほか夏色きたー
甲子園は目の前
汗が滴る高校球児たち
さあ、本番だー
ラグの詩
子どもの頃まで
スクロールした記憶を
ゆっくり再生
すると、
しきりと登場する
見慣れた古い町並みと
細く薄暗い路地
その全てが
セピア色の静止画なんだ
ただ、
窓枠は目線の遥か上にある
自分自身が幼少の頃
正に、
この町に存在していた証拠
その路地を通り抜けた証拠
廂間を抜けて
懐かしい港が現れた
テトラポットで
砕ける散る波しぶき
色付きの動画
紙芝居からカラーテレビへ
半世紀の記憶再生
ラグの詩
アホやなぁ
言わんこっちゃない
アホやなぁ
そやから言うたのに
アホやなぁ ・・・
ラグの詩
弓を引いたような
美しい弧を描いた海浜
遠く岬を見やれば
日本昔ばなしの一場面が
脳裏を駆け巡る
この浜から
一文字もらったキミの名前
呼ぼうとしたけど
海に、海に飲み込まれた
名前を呼び合えなくても
幸せ感じる時間だった
多く話せなくても
かけがえのない時間だった
陽が傾き
タイムリミットが迫る
灯台の明かりが届くまで
ふたりは、波を数えた
ふたりは、波を数えた
ラグの詩(男と女の話)
南風が吹き始め
あてもない空想の旅へ
この場に居ながら
異国の風を感じるような
今日、僕は旅人
風に押されて旅に出る
ラグの詩
人々が行き交えば
シャッターは降りやしない
きっと潤いをもたらす
ラグの詩
攻めた
セダンのローレル
港に止めて
シートに深く身を沈め
カセットで聴いた
RCサクセションの曲
タイプじゃない
けど、
色合いの違い
逆に、
妙な憧れと高揚があった
ラグの詩
振り返れば
過去の栄光がチラつく
そんな軌跡の残像を
謎りながら今日を生きてる
現在位置
微かに自覚できる程度かな
未来図
あやふやで心許無いや
いつの世も同じ
男って、
そういう生き物ものなんだ
そう思わないかい
ラグの詩
誰かを
突き放せば
誰かに
距離を置かれ
昨日も今日も
不幸のどん底エモーション
仕方なく、
誰かにへばりつく
寄り添いストラクチャー
悲しいね、人間って ・・・
ラグの詩